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和の香り

香道具― 続

~魅力的な香道具たち~

香道具には、50種を超える品がありますが、その中でも主なもの、普段必要な最低限のものについて簡単に説明すると以下の様になります。

十種香箱 (写真提供:香文化資料室 松栄堂 松寿文庫)
十種香箱  写真提供:香文化資料室 松栄堂 松寿文庫
(1) 聞香炉(モンコウロ・キキゴウロ)
一般には焼物だが漆器の品もあります。
一対になっていて(煙返し)がなく、円筒形の湯飲み茶碗の様な形で「鼎(カナエ)」形をしています。
 銀葉(ギンヨウ)
香を炷く時に使い、約1.5センチの角形の雲母の薄板で周位は銀で縁取りしてあります。
(2) 火道具(ヒドウグ)
火拵(ヒゴシラエ)や香を炷く時に使う小道具の総称。普通は畳紙(タトウシ)に納められて居ます。
普通、火筋(コジ=火箸)・香掬(コウスクイ=香匙)・銀葉挟(ギンヨウバサミ)・鶯(ウグイス)・香筋(キョウジ=香箸)・羽箒(ハボウキ)・灰押(ハイオシ)の七種でセットになっています。
(3) 香筋建(キョウジタテ)
主に銀製の火道具を立てておく容器。
(4) 重香合(ジュウコウゴウ)
香合と炷空入をまとめたもので、普通、三段の円筒形か角型。
上二段には銀葉を、三段目には炷空(タキガラ)を入れる為、内側に真鍮か錫が張ってあります。
 香包(コウヅツミ)
その時の香席で使う香木を各々に分けて入れる包み。
(5) 総包(ソウヅツミ)
香 包を纏めて納める大き目の包み。
 打敷(ウチジキ)
香席で香元の前に香道具を並べる為に敷く金箔(表)・銀箔(裏)を貼った厚紙。
 地敷(ジシキ)
打敷の下に敷く布製の敷物で額縁仕立てとなっています。
(6) 本香盤(ホンコウバン)
組香を行う時に本香を炷く銀葉を置く為の小型の盤で、10乃至12の菊座が付いています。
 試香盤(ココロミコウバン)
本香盤の半分くらいの大きさで、試香を炷く銀葉を載せます。
(7) 香盆(コウボン)
大小二つあり、大きい方は火取香炉をのせる時等、随時使います。
小さい方は手記録盆(テギロクボン)とも呼ばれ、名乗紙(手記録紙)等をのせて主に連衆(レンジュウ)に香札や名乗紙等を廻したり集めたりする時に使います。

この他に、香炭団(コウタドン)・香灰(コウバイ)が必要です。<br>
扱い方は、香席や教室等で教わって下さいね。


更に、十種香箱に入っている道具や、別個に準備される道具には、次の様なものがあります。

(8) 源氏香図(ゲンジコウズ)
源氏香52種の幾何学模様と絵柄、場合によっては和歌が描かれた絵図帖で、源氏香を行う時に使います。
(9) 香札(コウフダ)
十炷香などで名乗紙の代わりに使う漆塗りの木札で、一人分が12枚づつ小箱に入っています。
札の裏には各自の持ち物を示す花などの絵が描かれていて他人と区別出来、表には一、二、三、ウの4種の文字を三枚づつに大抵、漆で書かれて入っています。
(10) 札筒(フダヅツ)
香札を答として集めるのに使います。
(11) 折据(オリスエ)
絹布を張った鳥の子紙で折り、札筒と同じ目的に使います。
表に1から10までの数字が書かれており、十個で一組となっています。
 折居箱(オリスエバコ)
折居を入れる箱。
(12) 銀葉箱(ギンヨウバコ)
銀葉を入れる箱。
(13) 炭団箱(タドンバコ)
香炭団を入れる箱。
 重硯(ジュウスズリ)
連衆が手記録紙に答を記入する時に使う硯で普通十客分用意されます。
 香元硯(コウモトスズリ)
香席で主に執筆が使う硯で、墨と朱の両方が一箱に入っていたり二段重ねになっていたりしています。
 盤物(バンモノ)
競馬香など、盤上で勝敗を競う組香に使います。
 香割道具(コウワリドウグ)
香を楽しむ為に香木を細かくする道具で、鋸(ノコギリ)・木槌(キヅチ)・鑿(ノミ)・刃物(ハモノ)・割台(ワリダイ)をひと纏めたものです。
 火取香炉(ヒトリゴウロ)
火取母(ヒトリモ)或は阿古陀(アゴタ=阿古陀瓜に形が似ている)とも呼ばれ聞香炉に火の点いた香炭団を移す為の香炉で、以前は室内香や伏籠用など薫く為にも使われました。

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