当院では、4年前より漢方外来の中に、女性スタッフによる女性のための東洋医学レディースクリニックを新設いたしました。相談内容によっては、羞恥心によって男性医師では話しにくい、そして受診を先のばしにしてしまう傾向もあるようで、以前より同性の医師による問診、診察を願う声がありました。そもそも当研究所に来院される患者さんのおよそ7割が女性です。そこで、女性特有の体の不調や悩みを相談しやすい窓口として始まりました。
女性は性周期に左右されて体調の変化をきたしやすく、また、思春期、成熟期、更年期、閉経期、老年期と年齢を経ていく中にも、ホルモンの分泌が変化し、自律神経の働きにも影響を及ぼし、様々な体の変化がおこります。 生理痛、生理不順、無月経などの婦人科系のトラブルから、妊娠・出産あるいは不妊など産科的な問題、そして更年期に出現する様々な症状−のぼせ、ほてり、発汗、肩こり、頭痛、めまい、不眠、易疲労感、冷え症などの体の不調や、はたまた不安に陥ったり、イライラしたり、憂鬱感などの精神症状も含めいわゆる不定愁訴といわれるような、多彩な症状として現れます。
また、昨今の社会情勢の変化により、女性の社会参加がめざましく、働く女性が増え、晩婚化、高齢出産の増加、あるいは離婚または結婚を選ばない人生も少なくない今日で、家族の形態も昔とは変わり、女性をとりまく環境はめまぐるしく変化しています。必然的にストレスも生じやすくなり、女性のデリケートな心と体に多大な影響をおよぼしています。
当院の東洋医学レディースクリニックでも、働きづめで疲れきった方を始め、社会的に複雑化した女性をとりまく環境に翻弄され、心身のバランスを崩した方々が大勢おみえです。病気と診断されたわけではなくても、ただ何となく調子が悪いという方は、世の中に非常に多くいらっしゃるのではないかと思います。もちろん、バランスのとれた食事や適度な運動、良質な睡眠をこころがけるなどの生活習慣を見直すことがまず第一だとは思いますが、体の不調をとおしてそれまでの生き方、考え方なども振り返ることも大事なのではないかと、患者さんのお話を伺いながら思う今日この頃です。
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漢方は「心身一如」の考え方で心と体は決してばらばらに捉えるのではなく、心のあり様が体に大きく影響を与えるので、切り離して考えることはできません。さらに漢方は「未病を治す」という考え方から、病気に至る前に、一人一人の気質や体質に合った漢方薬を飲むことによって、病気を予防して体調を整えていきます。
よって、漢方は単なる薬にとどまらず、ご自身の生活習慣、ライフスタイルを見直すきっかけになるものであると思います。漢方は、女性の一生をより健康で充実したものへとサポートしてくれる心強い味方です。 |
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