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はじめに
漢方医療は患者さんが「物語る」病気の悩みを聴くことから始まります。痛い、冷える、のぼせる、眠れない、肩がこる、・・・など自覚的な症状を聴くのが治療の開始です。
患者さんの病気「物語」を傾聴する医療(NBM)が最近注目されています。
薬局では病気の悩みを聴きながら、患者さんの全身状態を診ます。体格、顔の色つや、目の力(眼光)、立ち振る舞い、話し方(語気)、声の大きさ、・・・を診て、症状と併せて漢方医療の眼で整理します。そして確認のために質問します。
このような質問をしている薬剤師の頭には複数の漢方処方を想定し、その中のどの処方が適切なのかを確認しているのです。

症状から漢方医療の考え方を、お話しします。
大阪大谷大学薬学部 漢方医療薬学講座 教授 谿 忠人(たに ただと)先生
NBM(narrative based medicine)とは
NBMのnarrativeは「物語や対話」の意味です。
ドラマの筋を説明するナレーションと同類の言葉です。
NBMは「患者さんが語る病の物語に基づく医療」のことです。
患者さんとの対話を重視してきた漢方医療はNBMを昔から実践していたのです。

谿 忠人 先生
大阪大谷大学薬学部 漢方医療薬学講座 教授