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1.冷え症は万病の元
漢方医療では冷え症は、疲労倦怠感、頭重感・頭痛、胃もたれ・食欲不振・腹痛・下痢、腰痛・関節痛、生理不順、頻尿など「万病の元」と考えています。そのため体を温めて体調を整える治療を重視してきました。
西洋医学的に考えても冷えは、血行が悪い新陳代謝の低下、貧血傾向、胃腸虚弱傾向に由来します。そのため免疫力や内分泌機能も低下して各種の疾患の元になることが予想されます。
2.冷え症は女性だけでなく男性にもみられる
冷え症は、女性に多くPMS(月経前症候群)や婦人更年期障害の生理痛や生理不順の元になります。若い女性の過剰なダイエットがエネルギー不足を招き貧血や冷え症を誘発します。
一方、男性にも冷え症があります。低血圧傾向の人は冷えて、めまいに悩みます。高齢者では体内のエネルギーを産生する筋肉が減少するので、男女ともに冷えを感じます。高齢者が夜間に尿が近くなるのも冷え症のサインです。
風邪を引きやすくこじれやすい子供(虚弱児)も冷え症が背景になることが多いようです。
3.冷え症の病理病態に応じた処方を選ぶ
冷え症に悩む患者の治療は、体力の余力の程度(平素の食欲の状態)や冷え症以外の諸症状に応じて、漢方医学の病態が異なります。そのため使用するべき生薬が異なり用いる処方が個々に違ってくるのです。
図1の男性には、以下のような2処方の適応が考えられます。
4.八味地黄丸と十全大補湯の使いわけと配合症薬
八味地黄丸と十全大補湯は、ともに冷え症や疲労倦怠感に用いられる処方です。漢方医療は、以下の図のように「配合症薬の種類と薬能」を考えて使い分けているのです。
冷え症を軽く見ないで積極的に相談してください。相談では、冷え症に伴う症状を詳しく話してください。とくに日頃の食欲や下痢や腹痛などの胃腸症状、頭痛(片頭痛)、頭重感、冷えとのぼせを伴う「冷えのぼせ」などは、処方決定に重要な情報になります。