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| 柴胡(サイコ) | 薄荷(ハッカ) |

前回、「冷えのぼせ」に悩むAさんには桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)が適することを紹介しました。
処方名の「承気」は氣の流れを良くするという意味です。桂皮(ケイヒ)や大黄(ダイオウ)が関与しています。便秘傾向の体力に余力のある人(実証の病態)に用います。

体力がない人の「冷え」には当帰(トウキ)が適します。
Kさんに適する加味逍遙散にも、Bさんに向いた当帰芍薬散にも当帰が共通して配合されています。
両処方の配合生薬を比較した図を見ていただければおわかりのように、漢方処方は配合生薬の特性に応じて用い方が異なるのです。
配合生薬の特性として柴胡の氣の流れを良くする作用(理氣)や、当帰の貧血傾向の冷えを改善する作用(補血)を紹介しました。
図では熱証(のぼせ感)に用いる配合生薬は赤字で、寒証(冷え)に用いる配合生薬は青字で書いてあります。
この特性が漢方医療で生薬を用いる時の指針になります。
漢方医療では患者さんの悩みを軽減する時に、氣の異常などの漢方診断と配合生薬の特性を考えて処方を決めます。これが、漢方医療独特の診断をしないで生薬を用いる民間療法との相違点です。

当帰芍薬散と加味逍遙散の配合生薬の比較
*赤字は熱証に、青字は寒証に用いる生薬
漢方の「氣」は人体の生理活動を担う機能のことです。
とくに病に対抗する機能を「正氣」といいます。現在の免疫力に相当します。
正氣は食物と呼吸から補充されるので、漢方医療では消化器と呼吸器の調整を重視しています。
![]() Bさん |
![]() Kさん |
![]() Aさん |
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|---|---|---|---|
| 体力の余裕 | 不足気味(やせ傾向) | 不足気味から普通 | 余裕あり(肥満傾向) |
| 症状群 | 共通症状:冷え性、肩こり、頭痛・頭重感、動悸、生理不順 | ||
| 全身・手足の冷え、 疲労感、めまい感、 足の「むくみ」(低血圧傾向) |
冷えと冷えのぼせ、 情緒不安定 (不安、氣うつ、イライラ)、 不眠 |
冷えのぼせ、頭痛、不眠、 腰痛、便秘傾向、(高血圧傾向) |
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| 適正処方例 (配合生薬) |
当帰芍薬散 (補血薬:当帰など) (利水薬:朮など) |
加味逍遙散 (補血薬:当帰など) (理氣薬:柴胡など) (活血薬:牡丹皮) |
桃核承気湯 (理氣・活血薬:桂皮、大黄) (活血薬:桃仁) |
| 予防と養生 | 温かい飲食を心がける 夏の冷房に注意 薬用人参を含む薬酒 |
気分転換を図る (郊外での散歩など) |
飽食に注意 適度な運動(歩く) |
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