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和の香り

エジプトの香り

~高度な香りの技術~

エ ジプトは紀元前30世紀の頃から王国の形を採り大変栄えた国で、紀元前28世紀には太陽暦を採用、神聖文字(ヒエログリフ)も使って居ました。

紀元前15世紀に書かれた「エーベルス」の古文書には、「没薬」「肉桂」「楓子香(ガルバナム)」等の香料の医薬的効果が記されており、紀元前14世紀の「ツタンカーメン」王のピラミッドからは人体に使われたと思われる「香脂」が発見されています。

ミイラは古代エジプトの作品として有名ですが、これには防腐効果の高い「没薬」をはじめとする香料類をふんだんに使って居り、没薬を「ミルラ」と呼ぶことから「ミイラ」なる言葉が生れたとも言われて居ます。
その詳細は、紀元前5世紀に書かれたギリシャの史家「ヘロドトス」によって、死体の保護の為に使う「香膏(バルサム)」の詳細が述べられて居ます。

乳香(ニュウコウ)没薬(モツヤク)

当時、エジプトでは、乳香・没薬の他、肉桂・白檀・沈香・麝香・竜涎香などの香料が、既に開発された香油・香膏・香錠の形でも愛用され、更に、『キフィ』と呼ばれる調合品も好まれて居ました。
これは、菖蒲の根・肉桂・薄荷・香茅(シトロネラ)・糸杉(サイプレス)・杜松(ジュニパー)・カルダモン・サフラン等を混ぜ合せ、干し葡萄を5日間漬け込んだ葡萄酒の中に入れ、更に、松脂・蜂蜜・没薬を加えたとされて居ます。

エジプトの香り

これ等を袋に入れて「匂袋」として肌につけたり、油に溶かして体に塗ったり、小部屋で焚いてその煙に浸ったり、湯の中に入れて体にその香りを浸透させたりしていました。


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