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和の香り

「源氏物語」の香り

~源氏物語を香りから楽しむ~

「源氏物語」は日本最古の長編小説であり、2008年は源氏物語が藤原道長によって、一條天皇に献上された1008年(寛弘8年)から千年に当り、「源氏物語千年紀」として多くのイベントが行われました。

時の才女 紫式部

これは、作者の書いた「紫式部日記」の11月1日の項に宮中で読まれて居る雰囲気が記されていることから、その少し前の年に世に出されたものと推測されます。
紫式部は、一條天皇の后・藤原道長の息女の彰子(ショウシ)に仕えた女性で、学者として名高い藤原為時の娘とされ、同じく一條天皇の后・定子(テイシ)に仕えた清少納言と二人、時の才女として並び称されて居ます。

光源氏登場

光源氏登場 物語は、帝の皇子として生まれ、美貌と才能に秀でた「光源氏」を主人公として、栄華を極める一方、色々な恋愛遍歴を重ねた葛藤の尽きない生涯を軸として、4代の天皇の御世、七十数歳の間の人間模様が繰り広げられ、更に、華やかな宮廷行事の数々や、当時の貴族社会の雰囲気、更に、その生活ぶりが克明に記されている点、日本文学史上最高の作品と言えましょう。

 

源氏物語を最後まで読んでみよう!

源氏物語を最後まで読んでみよう! 源氏物語は54帖から成って居り、全読するには相当の覚悟と努力を必要としますが、与謝野晶子や谷崎潤一郎などの名訳がありますから、是非、完読されることをお勧めします。
以前は女性の教養の一つとして読まれて居ましたが、大抵、途中で読むのを一旦止めて、再度、初めから読み直すの繰り返しだったらしく、江戸時代の写本の汚れ方を見ると、第12帖の「須磨」辺り迄が汚れている点から、『須磨帰り』、或は、『明石帰り(第11帖)』とからかわれて居たとされています。

 

この内、第1帖の「桐壷(キリツボ)」には香りの話は出てきません。
第2帖の「帚木(ハハキギ)」で、元服した光源氏は、母君の桐壷が余り高位の妃で無かった為に東宮にならず、臣籍に降下して、左大臣の娘「葵上(アオイノウエ)」の婿となりますが、同年代の人々が居る宮中の方が居心地が良く、梅雨の長雨の夜に葵上の兄君の頭中将(トウノチュウジョウ)や馬頭(ウマノカミ)・藤式部丞(トウシキブノジョウ)等が集り、有名な「雨夜の品定め」が始まります。

先ず、藤式部が学問好きの娘の所を訪れたが、風邪を引いて蒜(ニンニク)を食べて居り、臭いからと断られた話をした処から香り(匂い)の話が始まります。
この後、源氏が葵上の所に帰る時に、方違え(カタチガエ、災厄を避ける為に一旦別の場所で一夜を過してから翌朝改めて目的の場所へ向う当時の風習)の時の「空蝉(ウツセミ)」との出会いで暗闇でしたが源氏が薫き込めた香りを嗅いだ女房によって気付かれる話が、良い香りの話の始まりと言えましょう。

因みに、「帚木」とは人の名前では無く、遠くから見るとある様に見えるが近くに寄って見ると形が見えなくなる伝説の木のことで、姿は見えるのに会えない事を示して居ます。

  • 香の流れと原料・種類


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