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和の香り
~ 人が楽しむ「玩香」へ ~ 日本各所に「香木の森」や「香木の道」が設置されており、そこには、檜・杉・松など香りのする樹木や、良い香りを出す葉など、中には、櫻や梅など香りの良い花樹も含み、植えられています。
古事記にも日本古来の香りある木として、湯津楓(ユヅカエデ=桂)や香壽之樹(クスノキ=楠)の記述があり、中国の歴史書にも、紀元前6世紀頃、日本からこれら「香りある木」が輸入されていたとも記されています。
最初に申上げた通り、8世紀に編纂された日本書紀によると、553年に、今の大阪の泉に香りの強い木が漂着、欽明帝の命によって仏像二体を造り吉野の寺に安置したとあります。更に、推古帝の595年に、淡路島に香木が漂着したとの記録があり、これと10世紀に纏められた「聖徳太子伝略」の記述と重なり合って、太子が栴檀木と断定、勅命によって観音像を作り吉野の比蘇寺に奉納されたとあります。 「供香」から「空香」へ、そして「玩香」へ仏前に香が焚かれた記録は、皇極帝の642年、雨乞いの儀式に用いられたのが最初と記述されて居ます。
他人の為に尽くし(=利他(リタ))徳を施す仏教では、香木は自分の身を焚いて消滅しても他人に香りを付け、その人を幸せにする、即ち、他人の為に尽くし(=利他(リタ))徳を施す「功徳(クドク)」の象徴として尊ばれ、香道でも、その気持ちを大切にして作法のなかにも現しています。 |