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和の香り

極楽浄土は「香積如来」

~良い香りだけで生きられる世界~

香積如来

仏教では極楽浄土は、「香積如来(コウセキニョライ)」と言って良い香りを嗅ぐだけで生きて行く事が出来る世界とされています。
この世界は、現世でのその人の行いに依って、例えば「蓮台(レンダイ)」などの等級分けが行われ、上・中・下の三品(サンボン)、更にこれを各々三生(サンショウ)の9つの段階となります。
寺院に「九品仏(クホンブツ)」が安置されているのもその表れです。

この思想に従って、香の使用目的や種類は下記の様に分けられています。

1. 上品(ジョウボン)
香の使用区分では「供香(キョウコウ)」と呼び、神仏に香を供える儀式。
仏教では「香華灯明」と言って、献香・献花・献灯・献茶の順が一般的です。
極楽浄土は「香積如来」
2. 中品(チュウボン)
香の使用区分では「空香(クウコウ)」と呼び、儀式・会合の場や、部屋を浄める為に香を炷く事を言います。
3. 下品(ゲボン)
香の使用区分では「翫香(ガンコウ)」と呼び、人が香りを使って遊戯や競技を楽しむ事を指します。

「香」は仏使であり、「良香」は膚・内臓・心に良く作用し、「好香」は信仰に通じます。
更に、「香木」は自分の体を燃やして消滅するが、人の心に香りを付けてその人を幸せにする、即ち「利他(リタ、他人のために尽くす)」の心を待つと言われています。

では、「供香」と「翫香」は今迄、歴史や宗教、或いは香道など、色々と説明して来ましたので、これからは「空香」を中心に、生活の中に摂りいれる「香り」と、その楽しみ方について考えて行きましょう。


  • 香りの文化の流れ


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