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和の香り

香炉について

~香の香りが棚引く~

香炉の形体

JR 大阪駅 正倉院展 広告
2012年秋の正倉院展に丸い形の「銅毬炉」と「楼空銀球炉」が出展されていたので、ご記憶の方もいらっしゃると思います。

これらは、形体上、又、機能上「毬香炉(マリゴウロ)」に分類される香炉で、この他に、置香炉(オキゴウロ)、聞香炉(モンコウロ)・阿古陀香炉(アゴタコウロ)などがあります。


遥か前に通っても良い香りが棚引く

毬香炉は、古くはBC・221の年に、中国史上初の統一国家を築いた秦の始皇帝が全国を廻った時に使用した「銅車馬(ドウシャバ)」の中に銅製の毬香炉が吊るされており、遥か前に通ったにも拘わらず良い香りが棚引いたとされています。

その後、日本でも、銅製や焼物の香炉が濡れ縁や室内に吊るされて薫香の良い香りを楽しむ様になりました。寺院の廊下の曲がり角等に吊るされているのをご覧になった事があるかもしれません。

この香炉の中は三円輪に加工された、いわば羅針盤(=ジャイロスコープ)と同じく三軸に保持されて常に香の火皿が水平になっています。これが更に日本的に優雅に加工された品が「袖香炉(ソデゴウロ)」で、8cmばかりの球形の蒔絵で袖の中に入れて舞を舞っても火がこぼれずに香の香りがたなびく優雅な作品です。

置香炉・聞香炉共に焼物、或いは、蒔絵製で、香の香りを楽しむものですが、聞香炉は、香を聞くためのもので置香炉(飾香炉(カザリゴウロ))の様な「煙返し(ケムリガエシ)」は付いていません。


阿古陀香炉

阿古陀香炉は、火取母(ヒトリモ)、或は、火取香炉(ヒトリコウロ)等とも呼ばれ、仏事の時の「供香」や「空香」、更に、「空薫物」等の「玩香」と幅広く使われています。

阿古陀とは、阿古陀瓜(アゴタウリ=南瓜)に似ていることで、平安時代から「臥籠(フセゴ)」の中の水盤に載せて衣に香を焚きしめる為や、部屋の中に香を焚きこめる「室内香」、更に、近年では香席に香炭団を運ぶ香炉として使われる様になりました。


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