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第5回薬用植物を知ろう in 熊本(阿蘇)

晴天のした、10月7日8日の両日、阿蘇高森での「第5回薬用植物を知ろうin熊本 (阿蘇)」が、開催されました。

7日の講演会の参加者は総勢135名(内薬剤師27名)、8日の薬用植物観察会は144名(内薬剤師33名)でした。ここで少しですが当日の様子をご紹介します。

2006年10月7日 講演会

7日は、高森町役場横総合センター2階に高森町教育委員会、阿蘇市教育委員会の御助力で、会場には椅子、垂れ幕、スクリーンの等の準備が整っていました。

私は10時に会場準備に行きましたが、受付けのセットをするぐらいでした。
遠来の講師の方々は、8日の下見に阿蘇ビジターセンター野草園に行き、お昼は高森田楽保存会で根子岳を見ながら田楽を楽しむ余裕が有りました。

12時受付け開始前から数人が来られ、講演が始まるときには、100名位の方々が来られ、窮屈でない程度の人数になっていました。13時少し前に案内を始め、13時からの三成先生の講演を初め、休み時に福居さんの阿蘇の歌でリラックスし、17時30分まで少々盛りだくさんの内容でした。皆さん最後は疲れ気味でしたが、退出される方もほとんど無く、「来年も来るよ」とのコメントもアンケートでいただき終わりました。

7日の講演と歌

  1. 薬膳料理と健康(中村学園大学 三成由美先生)
  2. 薬膳料理と健康(産業医科大学 徳井教孝先生)
  3. ニジェールの食と生活(九州学院高校、青年海外協力隊OB 松本郁先生)
  4. 阿蘇の歌 福居悠子氏(大津町)
  5. 阿蘇の草原植物の現状と「花野」再生の取組(阿蘇波野小学校、NPO阿蘇花野協会 瀬井純雄先生)
  6. 阿蘇の食と薬用植物(熊本大学薬用植物園園長、NPO阿蘇花野協会 矢原正治)

講演が終わり、58名の方々が休暇村南阿蘇に宿泊され、夕食のハイキング阿蘇の地元素材を用いた約100種の料理に満足されたようです。 (少々欲張って食べ過ぎた人も有るようですが)

夜は12時頃まで、総勢40名ぐらいが参加して懇親会を開かれました。
学生等、若い人(神戸から参加したタイからの留学生も)は、別の宿泊施設で話に花を咲かせたようです。

2006年10月8日 薬用植物観察会

8日(日)も朝6時頃から根子岳を始めとする阿蘇五岳が朝日で赤く染まり、早起きした人は阿蘇のすがすがしい朝の美しさを堪能したようです。

阿蘇のすがすがしい朝

8時30分過ぎから受付けを開始。

観察ルート

  1. 休暇村南阿蘇玄関前出発(9時30分)
  2. 南阿蘇自然学習歩道(一般道、杉林)
  3. ラクダ山草地
  4. 月廻り公園(昼食)
  5. 阿蘇野草園
  6. 南阿蘇ビジターセンター到着。 総括 解散(15時20分)

講師

1班 瀬井純雄(阿蘇市波野小学校)
長澤京子(熊本記念植物採集会)
2班 佐竹元吉(お茶の水女子大学生活環境研究センター)
緒方 登(薬学教育部薬用植物園)
後藤秀徳(休暇村南阿蘇)
3班
吉田尚利(北海道医療大学薬用植物園)
国村真希(南阿蘇ビジターセンター)
4班 飯田 修(医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター種子島研究部)
藤野廣春(富山医科薬科大学薬用植物園)
5班 矢原正治(薬学教育部薬用植物園、薬用植物学研究室)
南 基泰(中部大学応用生物学部環境生物科学科)
補助:鈴木、福迫、水谷、吉崎(薬用植物学研究室)、那須(南九州大学)、 味岡(中部大学)の学生、及び米田、八十島、矢原の薬剤師

リンドウ、ナンバンギセル、マタタビ、サンショウ、ヒキオコシ、オトコエシ、 オミナエシ等の約150種の薬用植物、13種の毒草がありました。

又、「秋の七草」の、キキョウ以外の6種、山萩、芒、葛、河原撫子、女郎花、藤袴(サワヒヨドリ)が有り、皆さんで探して頂きました。  「秋の七草」は、花を見るのが普通ですが、薬用植物でもあります。

●ハギ(萩)(マメ科):
女性の目まい、のぼせに。乾燥した根を2~5g1回量。
水300ccで1/2量まで煎じ。1回に服用。
●オバナ(ススキ)(芒or薄)(イネ科):
根茎を解熱に用いる。
●クズ(マメ科):
花(乾燥)を二日酔いに。
3~5gを300ccの水で煎じ煮立ったら火を止め、冷えたから飲む(花は熱い内に除く)。
風邪にくず湯[クズ粉小さじ1杯をカップ一杯の熱湯にとかし、透明になるまで、よくかき混ぜ、好みで砂糖やおろしシュウガを加え飲む]。
根を葛根といい、葛根湯に用いる。(最近のくず粉はサツマイモ澱粉ですね。)
●ナデシコ(撫子)(ナデシコ科):
種子を1日3~6g水150gで1/2量まで煎じ、3回に分けて服用。
むくみの時の利尿。また、通経薬としての月経不順に。
●オミナエシ(女郎花)(オモナエシ科):
乾燥した根2g、芍薬(シャクヤクの乾燥した根)8gを、水400ccから1/2まで煎じて1日3回服用。はれ物、解毒、利尿に。
●フジバカマ(藤袴)(キク科):
乾燥した全草を300~500g細かく刻み、袋に入れ風呂に入れる(皮膚のかゆみに)乾燥全草、カキドオシ(全草)・ビワ葉・タラノキ樹皮の各5gを混ぜ、1日分として、水400ccで1/2まで煎じて1日、3回に分けて飲む。
●キキョウ(桔梗)(キキョウ科):
咽が痛むとき(キキョウの根2g、甘草3gを煎じて飲む)。
痛む化膿性の腫れ物に(桔梗1g、芍薬3g、枳実3gを粉にし、これの2~3gを卵の黄身1個に加え、良くかき混ぜて、白湯で飲む。
[痛む化膿性はれもの][アサガオ(牽牛子):種子を下剤に。(但し、砕いてから用いる)]

東京から来られた講師の佐竹先生は、杉林でハガクレツリフネ、ツリフネソウ、キツリフネの3種の群生(南阿蘇では当たり前ですが)を、見つけ大喜びされました。 ある人は、果実に触り、ホウセンカのように種子が跳ぶのを楽しんでいました。 (面白いですよ)。

春には杉林の中にツリフネソウ類の代わりに、葉の中央に花が咲くハナイカダ(葉・果実、下痢止め)の花が見られます。

来年の開催は、5月26日〔土〕(薬学部で薬用植物観察会と講演会)、
5月27日〔日〕(高森町の今年と同じコースでの薬用植物観察会)を予定しています。
予定表に入れてぜひ御参加下さい。
草原では、ハルリンドウ、フデリンドウ等の植物の花々が咲いています。

最後に、今回御援助いただきましたお金は、講師の宿泊費、弁当代、旅費の一部に使わさせていただきました。お礼申し上げます。

今回の共催、後援は、

共催:
・薬用植物を知ろうネットワーク
・日本生薬学会関西支部
・NPO阿蘇花野協会。
後援:
・熊本大学薬学部同窓会
・阿蘇市町村会
・阿蘇市・高森町・南小国町・小国町教育委員会
・JA阿蘇

でした。重ねてお礼を申し上げます。

10月25日に反省会を開きました。 多くの反省点がありました。
来年の運営につなげたいと思っております。

文:熊本大学薬学教育部付属薬用植物園 矢原正治

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