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症状と漢方薬

副鼻腔炎(蓄膿症)の漢方

(1)急性期の治療
(2)慢性期の治療

1.副鼻腔炎の経過(病期)に応じた漢方方剤の選択

 副鼻腔炎の漢方医療では、急性期から慢性期に対応して図1の1)~3)の3方剤が使い分けられます。

 この基本3方剤は慢性鼻炎に用いられる方剤群と同じです。鼻炎の漢方(2.慢性鼻炎)も参照してください。

 図1の最下段の黄色の枠内で囲んだ方剤は、感染に対する患者の虚弱状態を改善して結果的に副鼻腔炎の予防や症状悪化を軽減するための漢方特有の方策です。

 ここでは慢性期の副鼻腔炎に用いられる方剤2)~3)を解説します。
 なお、急性期に用いられる葛根湯加川キュウ辛夷については、副鼻腔炎の漢方(1.急性期の治療)で解説しています。

2.副鼻腔炎(蓄膿症)に用いられる基本3方剤の配合生薬

副鼻腔炎の漢方治療に用いられる基本3方剤の配合生薬を図2に示しました。
  ・急性期に用いられる葛根湯加川キュウ辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)は麻黄(マオウ)    を含む方剤です。
  ・慢性期に用いられる辛夷清肺湯(シンイセイハトウ)と荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウ)は赤字    で表記した清熱薬(セイネツヤク)が主体となる方剤です。

3.慢性副鼻腔炎に用いられる辛夷清肺湯と荊芥連翹湯

辛夷清肺湯(シンイセイハイトウ)と荊芥連翹湯を(ケイガイレンギョウトウ)の副鼻腔炎治療における使い分けを図3にまとめました。

1)使用時期 まず辛夷清肺湯を用いて鼻汁の軽減を図り、
 その後に荊芥連翹湯を用いることが多いようです。
2)後鼻漏 粘稠性の鼻汁がのどに落ちる後鼻漏(コウビロウ)に伴う咳嗽がある場合は辛夷清肺湯が適します。
3)併発疾患 扁桃腺炎、中耳炎、にきび、皮膚が乾燥傾向で湿疹皮膚炎を併発する場合は荊芥連翹湯が適します。

辛夷清肺湯荊芥連翹湯の使い分けに関しては、鼻炎の漢方(2.慢性鼻炎)も参照してください。

辛夷清肺湯は、漢方薬名の意味(17.辛夷清肺湯)でも解説してます。
荊芥連翹湯は、にきび漢方薬名の意味(9.柴胡清肝湯)にも記載があります。

4.辛夷清肺湯と荊芥連翹湯の応用展開

辛夷清肺湯荊芥連翹湯の応用展開を図4に示しました。
  ・膿の排泄(排膿)を強化するための方剤や。
  ・慢性炎症に伴う患部の血行障害(オ血 オケツ)を改善する方剤が併用されます。

5.便秘を伴う副鼻腔炎に用いられる防風通聖散(ボウフウツウショウサン)

 慢性の副鼻腔炎は血流の停滞(オ血 オケツ)を伴います。特に便秘を伴う場合は、オ血を軽減する大黄剤(ダイオウザイ)の適応になります。

 防風通聖散(ボウフウツウショウサン)は、と副鼻腔炎に用いられる基本3方剤の葛根湯加川キュウ辛夷辛夷清肺湯荊芥連翹湯の主要な生薬を含む大黄剤です(図5)。

 本方は、肥満傾向のメタボリック症候群(内臓脂肪症候群)に用いられることが多いようですが、適応症には副鼻腔炎が記載されています。

6.好酸球性副鼻腔炎に用いられる漢方方剤

 副鼻腔炎(蓄膿症)の多くは化膿性副鼻腔炎です。かぜに伴う鼻炎が長引いて副鼻腔に細菌が感染した疾患です。

 一方、好酸球性副鼻腔炎は、鼻茸(ハナタケ)を伴い抗菌薬が効きにくい難治性の副鼻腔炎です。気管支喘息と合併することが多いといわれていますので、喘息の持病のある人の慢性副鼻腔炎は耳鼻科を受診されることを勧めます。

 好酸球性副鼻腔炎に用いられる漢方方剤は、化膿性副鼻腔炎と同様です。

1) 辛夷清肺湯には鼻茸を伴う副鼻腔炎に有効だという報告がありますので、好酸球性副鼻腔炎に対する効果も期待できます。

2) 荊芥連翹湯には抗アレルギー炎症作用のある黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)が含まれていますので、好酸球性副鼻腔炎にも適するでしょう。

3) 清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)は、にきびに用いられる方剤ですが、アスピリン喘息に伴う慢性副鼻腔炎に有効だという報告があります。本方も黄連解毒湯の関連方剤ですから好酸球性副鼻腔炎にも適するでしょう。

 
~ちょっと一言:副鼻腔炎(蓄膿症)の養生

 副鼻腔炎(蓄膿症)には図1に示した基本3方剤に各種の方剤を組み合わせて治療します(図4)。
 基本方剤に追加される方剤は、個々の患者さんの鼻症状以外の随伴症状によって異なりますので、漢方医療に詳しい先生とご相談ください。
 とくに咳嗽、中耳炎、扁桃腺炎、湿疹皮膚炎、そして便秘の有無はできるだけ話してください。

 副鼻腔炎は、花粉症やかぜをひくと誘発され悪化します。図1の黄色の枠内に示した補中益気湯(ホチュウエッキトウ)などで胃腸や体調を調えて症状の悪化を予防することに有用な場合もあります。

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