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症状と漢方薬

1.婦人更年期障害(冷えのぼせ)に用いられる主な生薬

 婦人更年期障害では「冷え」と「ほてり、のぼせ」が併発することもあります。
ほてりとのぼせに用いられる主な生薬を図1に示しました。

図1の生薬の中で、

  • 1)黄連(オウレン)や山梔子(サンシシ)は、のぼせといらだちに適します。
  • 2)桂皮(ケイヒ)は、冷えのぼせ、頭痛や動悸に用いられます。
  • 3)地黄(ジオウ)や阿膠(アキョウ)は、体内の水分が不足したときの手のひらや足の裏の「ほてり」に用います。
  • 阿膠は、ロバなど動物の腱から調製した膠(コラーゲン)です。

2.冷えのぼせを伴う頭痛に用いられる主な生薬と漢方方剤

 冷えのぼせは頭痛を伴うことが多いようです。図2にこの状態に用いられる方剤を整理しました。

 桃核承気湯(トウカクジョウキトウ)や桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)の適応になる頭痛やのぼせは、更年期に発症する内臓脂肪症候群や生活習慣病(高血圧)による症状と類似します。

 なお冷えが顕著な人の頭痛に用いられる当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)などは、婦人更年期障害の漢方(2.手足の冷え)を参照してください。

3.女神散(ニョシンサン)・・・のぼせといらだちを伴う頭痛や不眠

  女神散(ニョシンサン)は、のぼせとめまいといらだちを伴う頭痛や不眠に用いられる方剤です。

 本方の配合生薬(図3)の中で、
 黄連(オウレン)は、のぼせと興奮、いらだちに、
 桂皮(ケイヒ)は、冷えのぼせの頭痛に適します。
 香附子(コウフシ)は、気うつ感や不安感や焦燥感に頻用されます。


 女神散は、戦場で金瘡(刀きず)を負った兵士の興奮、恐怖感、不安状態を軽減するために創案されました。その使用経験を踏まえて、産後や婦人更年期のいらだちやのぼせなどの精神神経症状に用いられるようになりました。

4.加味逍遙散(カミショウヨウサン)・・・冷えのぼせ、頭痛、多愁訴

 多愁訴で冷えのぼせを伴う頭痛には加味逍遙散(カミショウヨウサン)が適します。

 本方は、のぼせが主体の桂枝茯苓丸と、冷えが主体の当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)と共通の生薬を含んでいます(図4)。

 加味逍遙散に含まれる特徴的な生薬は、気うつを軽減する柴胡(サイコ)と、のぼせといらだちを軽減する山梔子(サンシシ)と冷えのぼせを軽減する牡丹皮(ボタンピ)です。

 加味逍遙散は、婦人更年期障害や月経前症候群(PMS)における精神不安や気うつ、いらだちなどの多様な精神神経症状を訴える場合に適します。

冷え症(8.冷えのぼせ)PMS(2.いらいら感と怒り)を参照してください。

 なお、冷えのぼせに伴ういらだちに関しては、イライラ の項目で解説しています。

~ちょっと一言:婦人更年期障害の漢方医療:まずは2週間服用

 婦人更年期障害の漢方相談の初診で選ばれた漢方方剤を、まずは2週間服用してください。効果発現には時間がかかります。多様な発病原因が長きにわたって集積していることと、年齢を重ねているので反応性が低下しているためです。

 2週間後に多くの症状の中ですこしでも改善傾向が認められれば、さらに2週間続けます。

 最初の方剤が合わない場合は、食欲低下やのぼせなどの違和感などが出てきます。そのような場合は2週間以内でも、再度相談してください。
 方剤への反応性を診ながら適切な方剤を決めていくのが、漢方医療だということをご理解ください。

(2017年12月19日公開)

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