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病気と漢方

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風邪(かぜ)症候群と漢方

 
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漢方薬でかぜ症候群を治そう!



かぜ症候群で下記の症状に該当するような方は、それぞれの処方を参考にしてください。

こんな時は かぜの初期症状(太陽病)
処方 桂枝湯(けいしとう:桂皮、甘草、芍薬、大棗、生姜)
作用 高熱を出す邪を殺し、邪を体外排除する免疫システムを活性化させる。
ウイルス増殖抑制物質(インターフェロン)の誘発を促進させ、感染によって低下した胃腸の血流は、桂皮、甘草、生姜により改善する。

こんな時は 桂枝湯だけでは強烈なウイルスに勝てない場合
処方 葛根湯(かっこんとう:桂枝湯+麻黄+葛根)
服用方法 かぜを引いてゾクゾクし始めたら、間髪を入れず葛根湯を服用してください。
作用 発汗解熱効果を強化する。
■葛根湯構成生薬   ■葛根湯の肺炎予防作用
葛根湯構成生薬   葛根湯の肺炎予防作用

こんな時は インフルエンザで、鼻や喉の症状に加え、急な発熱、筋肉・関節痛、腰痛、頭痛、全身の倦怠感があらわれた場合
処方 麻黄湯(まおうとう:麻黄、杏仁、桂皮、甘草)
  温かい布団に入り、発汗させてください

こんな時は 鼻水や咳が多いかぜ
処方 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

※葛根湯、麻黄湯、小青竜湯は『傷寒論』に定められた処方量を煎じて3回に分けて服用するよう指示されていますが、1日分ではありません。3回分ということです。すなわち、初回服用して、発汗しなければ2時間後に再服し、それでも発汗しなければ2時間後に再々服用するよう指示されています。
こんな時は かぜの後に、微熱が下らなかったり、顔が引きつったり、鼻が詰まって蓄膿症になったり、喉が痛く、咳が激しく、いつまでも食欲がもとに戻らなかったり、というような症状が現れないように、あるいは現れた場合
処方 小柴胡湯(しょうさいことう:柴胡、人参、黄ゴン(おうごん)、甘草、半夏、生姜、大棗)
服用方法 1日に3回服用

こんな時は かぜを引いて、5,6日を経過し、熱と寒気が交互にあり、肝臓のある部分の皮下組織を押さえると固く、苦しさを覚え、食欲不振で、胸苦しく、吐き気があり、[中略]小便の出が悪いか、あるいは口や喉が乾かず、微熱があるか、咳をする者
(傷寒論の「傷寒5,6日。中風。往来寒熱。胸脇苦満。[中略]不欲飲食。心煩喜嘔。・・小便不利。或不渇。身有微熱。或咳者。小柴胡湯」の訳)
処方 小柴胡湯(しょうさいことう)
文献 『太平恵民和剤局方』収載の植物性漢薬で構成されている代表的処方
注意 ごく少数ながら本処方投与により、逆に肝機能が増悪したという報告【厚生省 医薬品等副作用情報 No.111(1991.11)】や間質性肺炎を誘引させたという報告【同緊急安全情報(1996.3.1)】【同安全性情報No.146(1998.3.4)】も出されていますので注意が必要です。

こんな時は 小児や65歳以上の方や、頭痛、微熱などが残っている時
処方 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう:小柴胡湯と桂枝湯を半々に合方)

こんな時は 蓄膿症や中耳炎などの症状が現れた時
処方 大柴胡湯(だいさいことう:小柴胡湯の甘草、人参を除き、芍薬、枳実、大黄を加える)

注意
エキス剤は、大黄の入った大柴胡湯が用いられていますので、下痢に注意してください。妊婦の方は使用しないでください。

参考になりましたでしょうか?ここで紹介した処方は、ほんの一部です。また実際に使用される場合は、必ず漢方相談薬局・薬店などでご相談ください。漢方相談薬局・薬店店舗紹介

1.かぜ症候群って? | 2.インフルエンザの主な合併症 | 3.かぜ症候群のポイント | 4.漢方薬でかぜ症候群を治そう!

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