きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。 病気と漢方 ウツボグサ 花穂は夏至をすぎると枯れ、茶褐色となるので夏枯草と言う。また花の形が、昔の武士が出陣の時、背負っていた矢入れ(靫:うつぼ)に似ているので靫草という。 別名・地方名 タワラグサ 科 名 シソ科/ラテン語の科名 Labiatae 学名(植物ラテン名) Prunella vulgaris Linn. var. lilacina Nakai 英名 heal-all、all-heal、self-heal(セイヨウウツボグサ; Prunella vulgaris Linn.) 中国名 夏枯草 生薬名 夏枯草(カゴソウ) 出 典 神農本草経(217年) 生育場所 日のよくあたる丘陵、野原、土手などに生える 薬用部位と採集時期 花穂(夏枯草)。7~8月ごろ。 調整法 花穂が暗褐色に変じたころ、花穂のみを集めて陰干しする。しかし茎葉には麻酔、強壮の効果があるので、花穂に加えたほうが良いとの説もある。 主な成分 ウルソール酸やオレアノール酸をサポゲニンとするトリテルペノイド系サポニン(プルネリンなど)を含む。その他、遊離のオレアノール酸、ウルソール酸、ルチン、ヒペロシドなどを含む。 用法・用量 1日5~15g 薬効と使用方法(常用量) 【1】花穂を1日10~30g煎じて服用すれば、るいれき、眼病(特に眼球が激しく痛むもの)に効果がある。茎葉、根を加えたほうがさらに効果があると言われている。また消炎、利尿薬として浮腫、尿閉、残尿感、排尿不快感、腫物、頭瘡、脚腫(足がこぶの様にはれる)、腎臓病、糖尿病、膀胱炎、高血圧、脳出血、肋膜炎、肺結核、ヒステリー、血の道、子宮病、結膜炎に効果がある。また便通も調える効果がある。 【2】煎液を塗布または湿布すれば打ち身、ねんざ、腫物に効果がある。煎液でうがいをすれば口内炎、扁桃炎に効果がある。 使用上の注意(副作用、相互作用など) 副作用はほとんど見られない 薬食健康法 若葉、若茎は生のままテンプラとするほか、塩をひとつまみ入れた熱湯で茹でて、良く水に晒し、浸し物、油炒め、ゴマ和え、カラシ和えとする。 花穂はきれいに洗い、薄めのコロモで、天ぷらに。花穂から花だけを抜きとり、熱湯をくぐらせ、甘酢、二杯酢、三杯酢で、赤く染まった花を味わう。また、カラ揚げ、テンプラとする。 栽培の必要性と難易度 日当たりと水はけがよく、適当な湿り気のある場所で育てる。露地植えが一般的だが、鉢植えでもよい。7月頃、根元から出るランナー(走出根)を切り離して植え、水と堆肥などの有機肥料を与えれば、翌年には花をつける。また、秋に種子をとって実生もできる。 応 用 薬用・食用 ウツボグサの購入は、お近くの漢方相談薬局・薬店へ。 ページトップへ 傍にある雑草も、薬草かもしれません。 薬草を使ってお悩みの症状を和らげます。