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二階堂先生の「食べ物は薬」

ウイキョウ - 料理のスパイスや芳香性の健胃薬として

ウイキョウ
  • ウイキョウ
  • 学名:Foeniculum vulgare
  • 科名:セリ科
  • 英名:fennel
  • 別名:フェンネル, 茴香(ういきょう)、小茴香(しょうういきょう)、カイコウ、クレノオモ(呉母)

関連画像

ウイキョウの葉 ウイキョウの果実 ウイキョウの花穂 ウイキョウの複散形花序 ウイキョウ ウイキョウ

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地中海沿岸原産で宿根性の多年性草本です。広く温帯地方で栽培され、日本でも古く平安時代から知られ、江戸時代には各地で栽培されて、香味野菜として最も古くから利用されているものです。

茎は真っすぐに立ち上がり、上方で枝分かれして平滑、円柱形で中が空洞です。1-2mにもなるもので全体に黄緑色をしており独特の香気を有し、春に親株から群れをなして葉が出てきます。葉は大きい葉柄を持ち、細かく羽状に分かれる複葉となり、小葉は細い緑の糸のように見えます。

初夏に枝の先端に大きな複散形花序を作り、多数の黄色の小花をつけます。この花の雌しべの元に甘い蜜を出すので、カメムシや蟻が沢山集まってきます。

果実は2つの分果が向かい合って円柱形をした双懸果となります。外面は帯緑色で各々の分果の背面にはそれぞれ5本の縦線が肋腺としてあり、その間の凹んだ所の果谷(かこく)に油室が1個づつ見られます。この果実の横断面はこの植物を特徴付ける形態をしており、同じ科の植物との分類に役立ちます。

花はドライフラワーとして飾ったりして用い、葉は肉や魚の付け合わせやサラダに、果実や根はスパイスとして料理の風味付けに、ソース、リキュール、カレー粉の香辛料などに用います。また葉や果実を漬物や汁物にしたり、軟らかい新芽や葉柄はそのまま生食することもでき、葉柄を薄くスライスして水に晒しアクを抜き、和え物にすることもできます。

果実を乾燥したものが生薬の茴香(ういきょう)で、特異な芳香があり、味は峻烈でかすかに甘味があり、芳香性健胃薬、去痰薬、駆風薬として、また矯味薬や矯臭薬として用いられます。精油を3-8%含有しており、その主成分はアネトール(50-60%)で、他にペトロセリン酸やリノール酸から成る脂肪油、フラボノイド配糖体、ビタミンA,Cなどが含有されています。果実を水蒸気蒸留して得られるウイキョウ油は、のどの粘膜を刺激して唾液や胃液の分泌促進の働きがあります。そのほかにアンモニア・ウイキョウ精(去痰剤)、複方カンゾウ散、小児散などの製剤にも使われ、民間薬的には催乳効果が知られています。

漢方では胃腸を温め腹痛を治す安中散(あんちゅうさん)、補陰湯(ほいんとう)、丁香柿蒂湯(ちょうこうしていとう)や枳縮二陳湯(きしゅくにちんとう)などに配合され、胃痛、狭心症、心臓神経症、溜飲症などに用いられます。

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