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二階堂先生の「食べ物は薬」

オランダガラシ(クレソン) - 茎葉や種子は辛味性健胃薬

オランダガラシ(クレソン)
  • オランダガラシ(クレソン)
  • 学名:Nasturtium officinale
  • 科名:アブラナ科
  • 英名:water-cress
  • 別名:クレッソン、オランダミズガラシ、ウオータークレス、ミズガラシ

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クレソンの茎葉 クレソンの花穂 クレソンの花(拡大) オランダガラシ(クレソン) オランダガラシ(クレソン)

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ヨーロッパ原産の水中又は湿地生の多年草で、ヨーロッパでは野生品を食用としていたが、14世紀からフランスで栽培化され日本にも明治初めに渡来し、宣教師により各地に持って歩いたものが各地の沼や小川に帰化、野生化しています。葉は奇数羽状複葉で、5月頃に茎の先端に白い十字架状の小花を密生して咲かせます。その後細い莢状の果実を付けます。

極めて繁殖力が強く、茎の一部を水に浸しておくだけで容易に発根します。生長も早く、清流のみにしか育たないと言われていますが、そのようなことはなく、汚水でも爆発的に繁殖するため希少の在来植物を駆逐するため日本でも外来生物法により要注意外来生物に指定されている侵入生物です。耐寒性も強く山間の河川流域にまで分布域を広げています。

茎、葉にはアブラナ科植物に共通の独特な辛味があり、サラダ、浸し物、漬物、魚肉の和え物、味噌汁の実、天麩羅、鍋物などにします。特に早春のものが品質がよいと言われています。霜に当たって黒っぽくなったものは甘味が増してきます。また最近ではスプラウトとしても使われています。辛味が胃を刺激し、胃液分泌を促進させ食欲を増進させます。

種子には消化促進作用があり、辛味性健胃薬として用いられます。

イスラエルでは過ぎ越しの祭の料理に使われるとも言われています。

学名の属名、ナスタチウムNasturtiumはラテン語で鼻がねじれるとの意味があり、種名のofficinaleは薬とする意味があり、古くから薬用植物として知られていたものです。

全草または葉を乾燥したものを西洋菜乾(せいようかんさい)と呼び、民間薬として健胃、浄血、強壮、利尿、去痰、解毒、解熱薬として、さらにニコチン中毒にも用いられます。

古代ギリシアの医師、ヒポクラテスは去痰薬、刺激薬と著書に記載しており、現在、ハーべリストは鎮咳、気管支炎などの時に用いています。ブラジルや中国では「咳止め薬」として使われており、又気管支喘息の症状を和らげる作用があるとの研究報告も見られ、常食して数週間で発作が軽減された例もかなり多数例が見られています。ただ卵子の着生、妊娠抑制作用も知られ、外国では避妊希望者が煮て食べているとも言われています。

園芸分野でナスタチウムと呼ばれているものは全く別のノウゼンハレンTropaeolum majusのことで、このオランダガラシ(クレソン)に似た辛味があることによります。またこのノウゼンハレンにNasturtium indicumの学名を付けたこともあるようです。

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