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二階堂先生の「食べ物は薬」

コンニャク - 体内の毒さらい

コンニャク
  • コンニャク
  • 学名:Amorphophallus konjac
  • 科名:サトイモ科
  • 英名:konjac , elephant foot, devil’s tongue
  • 別名:蒟蒻

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コンニャク芋 コンニャクの球茎 コンニャクの葉 コンニャク芋とコンニャクの球茎と葉

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南アジア原産の越年草で、平安時代以前に渡来し、鎌倉時代以後、精進料理の材料として上流社会に普及した食品でした。庶民の食品になったのは江戸時代からといわれています。この時代に水戸藩は栽培を奨励して、原料を藩の専売として「水戸コンニャク」の名声を高めました。地下にある大型の球茎から葉が地上に伸び、葉柄は太く、高さは1mほどになり、先端に柔らかくて艶のある葉を付けます。暗紫色の仏炎苞に包まれた肉穂状の花は下部に雌花、上部に雄花を密生します。球茎すなわちコンニャク芋は生のまま、又は輪切りにして乾燥、粉にして水とこねて、アルカリを加え煮沸して固め「板コンニャク」や「糸こんにゃく(関西)」または「しらたき(関東)」にします。純粋なコンニャクは白灰色ですが、関西では彩りに海草(のアラメ)の粉を入れて黒くしています。刺身コンニャク、白和え、鍋料理、汁の実、おでん、田楽、煮しめなどにして用いられます。ごま油で炒めて汁にしたタヌキ汁のように油との相性もよく、煮る際に表面に塩を降り、良く揉んでから水洗いしたり、乾煎りすると口当たりがよくなるのは表面の水分が減り、加熱によりゲルが強固になるためといわれます。又包丁で切らずに手で千切った方が断面に凹凸が出来て味がしみこみやすくなります。

塊茎から製した粉末を蒟蒻(コンニャク)と呼び、糊料、防水剤、ゴム精製用に使います。昔から腫れ物、口渇、貧尿、呼吸器病などによいとされ、「胃のほうき」とか「腸の砂下し」とも言われ体内の毒さらいに食べる習慣がありました。97%が水分で栄養価はほとんど無いと言われますが、日本人に不足しがちなカルシウムが充分に含まれ、酸に溶けやすいので胃で簡単に溶けて小腸で吸収される優れたアルカリ性食品です。残りのグルコマンナンという食物繊維はヒトの消化酵素では消化できないので、カロリーが極めて低く、さらに腸内で老廃物や毒素を吸収し、排出します。血中コレステロールも吸収し血糖値を下げるので便秘を防ぐだけでなく、糖尿病予防にもなります。


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