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二階堂先生の「食べ物は薬」

コーヒーノキ - 糖尿病発症リスク軽減作用も

コーヒーノキ
  • コーヒーノキ
  • 学名:Coffea arabica
  • 科名:アカネ科
  • 英名:coffee beans
  • 別名:珈琲

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コーヒーノキの花と葉 コーヒーノキの果実 種子の断面 種子 花 コーヒーノキ コーヒーノキ コーヒーノキ

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エチオピア、中部アフリカ原産の中型常緑灌木で、日本には明治初年に渡来しました。高さ3~4.5m、幹は灰白色、径は10cm位で、枝は水平に拡がり、先端はやや垂れ下がります。葉は暗緑色をしており、枝の上に対生する全縁で、革質をして光沢があり、長さ7~10cm、幅3~5cmです。雨季と乾季があるブラジルはじめ世界の熱帯地方でよく栽培されています。葉腋から短柄を出して、白色芳香のある5弁の花が3~7個づつ群をなして晩夏から秋にかけて咲きます。約9ヶ月かかって成熟する濃赤色の長楕円形をした液果には淡黄色の種子が2個づつ入っています。コーヒー豆を産するCoffee属植物は約25種も知られていますが、栽培種の75-80%は アラビカ種(Coffea arabica)、約20%がロブスタ種(Coffea canephora)で、1%未満のリベリカ種(Coffea liberica)をコーヒーの3原種と呼んでいました。主たる品種のアラビカ種の変種であるCoffea arabica var. mokka が種子は小さいが、最も良い香りを持った品種で、有名なモカコーヒー mocha coffee はこの種子(豆)です。果実を乾燥し、果肉と外皮を除く乾式、又は水槽に果実を浸け、発酵により皮を除く湿式によりコーヒー豆を製します。豆を粉砕して炒り、煎じてコーヒーとして飲用します。コーヒーの飲用は13世紀からアラビアで飲料として普及し、初期には葉を煎じて用いたり、果実酒を造っていたと言われています。

種子はコーヒー豆と呼ばれる生薬で、生の豆にはアルカロイドのカフェインが1~2%含有されています。多糖、タンパク質とクロロゲン酸が焙煎される過程で褐色色素を生じ、コーヒーの色を生み出します。独特の苦味は3~5%含まれているカフェタンニン酸によりますが、これはタンニン性ではないのでプロトカフェ酸とも呼ばれます。その他脂肪油が10-13%含まれており、それはオレインを主としており、ステアリンやパルミチンも共存しています。その他にコーヒー豆を炒った時の芳香はカフェインが変化したカフェオールなどによるものとされています。なお、カフェインは種子だけでなく、葉にも相当量含有されています。

抽出されたコーヒーには0.04%程度のカフェインが含まれています。カフェインには強心利尿作用、中枢神経興奮作用などが知られており医薬品原料として使われています。

発見当初から眠気防止や疲労回復などに注目された薬草ですが、過飲による刺激性、興奮性から敬遠される事もあります。コーヒーの作用としては習慣性、各種の急性作用、各種の慢性作用などが知られています。

最近、糖尿病の発症を抑えるとの報告がオランダの研究で初めてされて以来、日本を含む各国で20以上の論文がこの傾向を認め、仕組みについては、未だ解明されていないが 1~2杯/日でリスクが9割に、3~4杯/日で8割に低下したと言われます。また循環器系疾患にはハイリスクとされており、カフェインレスの食品が目に付くようになりました。


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