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二階堂先生の「食べ物は薬」

スイカ - 水分豊富な果物風野菜

スイカ
  • スイカ
  • 学名:Citrullus vulgaris
  • 科名:ウリ科
  • 英名:water melon
  • 別名:西瓜

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スイカ スイカの果実と葉 スイカの雄花と雌花 スイカの果実と葉とスイカの雄花と雌花

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西方アジアに古くから栽培されていたつる生の1年草で、16世紀以前に日本に渡来したが、はじめの頃は品質が悪く、明治初期に改良品種を導入してから普及しました。中国の西方から伝来したので西瓜とされますが、中国語の西瓜(シーグァ)に由来しています。

丸みを帯びた、切れ込みが深い葉を持ち、6~7月に葉腋に淡黄色の雄花と雌花を付けます。果実は外観が深緑色の縦縞が入った緑色のものが一般的ですが、薄緑色や黒緑色のものも見られます。連作障害や病気に弱いためユウガオやカボチャを台木とした接木栽培が通常行われています。栽培生産量は中国が世界の70%以上を占めており、トルコ、イランとつづき、日本は僅か0.4%に過ぎません。

かつては黒色無地の「鉄カブト」が多かったのですが、昭和初期頃からは現在の品種が広まってきました。果肉の色が黄色や白色もあり、種なし、長形大型で最大30Kgに成長するものなどの品種が知られています。

園芸分野ではスイカは野菜ですが、市場や栄養学の領域では果物とされており、果物風野菜と言えるでしょう。

果肉は赤又は黄色で90%以上が水分ですが甘くて多汁です。果肉は生食が最もおいしく、皮を取り、果肉を取って砂糖と生姜を加え、煮詰めて水飴の様にして冷えてから壺に貯めておく西瓜膏又は西瓜糖には利尿作用が知られています。花落ちの果実は外側の薄皮を除き粕漬、糠漬、酢の物、煮物や汁物にします。種子の仁を生または炒って食べる地域もあり、中国では種子を西瓜子と呼び、酒のつまみ、料理や菓子などにも用いています。スイカは殆どが水分で低カロリー食品ですが、栄養成分としてはカリウム、糖質、ビタミンA、C、B1、B2、β-カロテン、リコピン、シトルリン等が含まれています。カリウムには利尿作用や疲労回復作用が知られており暑さによる夏バテに有効とされています。赤肉スイカにはβ-カロテンやリコピンといった色素があり抗酸化作用、老化、高血圧、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞などの予防にも効果があると言われています。また皮の部分に多く含まれているシトルリンには血管拡張作用があり、血流量を増加させる働きがあり疲労回復、冷え性改善、利尿作用、むくみ解消や男性の勃起効果などに期待されますが、血圧や腎臓などに疾患がある場合には注意をする必要があります。

果実を西瓜(セイカ)、果皮を西瓜皮(セイカヒ)、種子を西瓜仁(セイカニン)と呼び、これらはいずれも利尿作用があり、急・慢性腎炎、小便不利、水腫などに用います。


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