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二階堂先生の「食べ物は薬」

ナス - 蔕の棘は鮮度の指標

ナス
  • ナス
  • 学名:Solanum melongena
  • 科名:ナス科
  • 英名:egg plant
  • 別名:茄子(かし)、茄蔕(かてい)

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ナスの果実と葉 果実縦断面 ナスの花 ナスの果実と葉と縦断面と花 ナスの花

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インド東部原産、8世紀頃に日本へ、13世紀頃にヨーロッパへ伝わり栽培されています。熱帯では多年生ですが日本を含む温帯では1年生植物です。

日本での栽培品種はほとんど果皮の色が紫又は黒紫色ですが、外国では白色、黄緑色や縞模様のある物などがあります。果肉はスポンジ状で、葉と蔕(へた)には棘が生えており、葉には毛が生えています。蔕の部分にある鋭い棘は新鮮な物ほど鋭いので、鮮度をチェックする方法に利用されています。

若い果実には焼き物、煮物、漬物、揚げ物など多くの調理方法が知られ、味も淡泊なので他の食材と合わせやすく、特に茸類と料理すると解毒作用があると言われます。油を良く吸収し相性がよいのですが、油をあまり吸わせたくない時には、予め少量の水で処理しておくと良いでしょう。アクが強いため、生食には向きませんが、水ナスは皮をむいて生食できる品種として知られています。

水分が94%と栄養価は低いと言われていますが、ミネラルや食物繊維もバランスよく含まれています。また皮の色のアントシアニン系色素であるナスニンや、アクの成分であるクロロゲン酸はいずれも抗酸化作用のあるポリフェノール類ですから、老化防止やガン抑制なども考えられます。ナスの栄養成分は他の野菜の場合と違って熱に強いのも特徴です。ただし灰分が多いので多食するのは避けた方がよいでしょう。

果実を茄子(かし)、茄蔕(かてい)と呼び、蔕や茎葉などと共に民間薬として消炎、止血、解熱などの目的で食中り、イボ取り、乳腺炎、腫れ物、あかぎれなどに使われます。また腫れ物、霜焼け、歯槽膿漏の予防などに蔕の黒焼きや茄蔕を煎じた液を用いたり、花をクズの花と一緒に煎じて二日酔いに用いるとされています。


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