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二階堂先生の「食べ物は薬」

ナンキンマメ - 花が地中に、結実した落花生

ナンキンマメ
  • ナンキンマメ
  • 学名:Arachis hypogaea
  • 科名:マメ科
  • 英名:peanut, ground nut
  • 別名:南京豆(なんきんまめ)、落花生(らっかせい)、地豆(じまめ)、唐人豆(とうじんまめ)

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ナンキンマメの果実(地中) ナンキンマメの果実と断面(下) ナンキンマメの葉と花 ナンキンマメ ナンキンマメ ナンキンマメ

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南アメリカ原産の1年草で、300年くらい前に中国から日本に渡来し、各地(千葉、神奈川が主産地)で栽培されています。生産量では中国が約40%と断然多く、インド、ナイジェリア、アメリカ、インドネシアを含めた5ヶ国で75%を占めています。従って現在国内で消費されている安価なものについてはほとんど中国産と言われています。

茎は根元から分枝して横走し、褐色の毛を密生しています。

葉は偶数羽状複葉で互生し、小葉は2対、長楕円形で鈍頭です。

葉腋に淡黄色の蝶形をした小さな花を付けます。花の下の花柄状をした子房柄は花が落ちた後に、伸長して地中に入ってゆき、地下で子房はほぼ水平で成育してさや果ができます。このさやの果皮は弾力のある、厚いもので、黄白色をしており、表面に縦走する肋腺と横脈とが網状の凹凸を形成しています。赤褐色の薄い種皮に包まれた白い種子が1,2個入っています。

食用としてはさやのまま炒ったり、さやから出した種子を炒ったりしますが、さやのまま塩茹でにしても食べます。なお薄い種皮はそのまま食べる方がよいと言われています。また豆菓子などの加工品、味噌、醤油や豆腐の原料としたり、さらに種子から得た油はオレイン酸グリセリドを主とする脂肪油を40-50%含んでいるので、良質な食用油としてサラダ油、マーガリン、バターなどの原料にも用いています。

成分としては脂肪油の他に、塩基性物質のarachine, choline, betaine, その他レシチン、リパーゼなどを含んでいます。栄養成分としてタンパク質、食物繊維、ビタミンB,C,E、ミネラルのカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどが含有されていますが、脂肪分が多いので高カロリー食品であり、消化も悪いので多食はしない方がよいと言えます。

種子を乾燥したものを落花生(らっかせい)と呼び、種皮にはレスベラトロールを含有し、止血作用も知られており、血友病、血小板減少症、手術後の出血などに種皮の抽出液が用いられています。種子から得られる油は落花生油と呼ばれ、注射薬の溶剤、軟膏の製造原料、石鹸の原料などとして用いられます。またこの油は湿疹やかぶれなどのかさぶたに 塗布して用いられます。その他、煎液には痰を止めたり、咳を抑える働きがあるとされ、乳の出を良くすることも知られています。

ただし、カビが生えたものは発ガン性の疑いがあるので口に入れないように注意しないといけません。「落花生」の名前は花が地中へ落ちてから、果実が生じることに由来しており、「南京豆」については中国から渡来した豆という意味で付けられたと言われています。


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