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二階堂先生の「食べ物は薬」

レモン - ビタミンC多く、酸性を示すので美白、美顔に

レモン
  • レモン
  • 学名:Citrus limon
  • 科名:ミカン科
  • 英名:lemon
  • 別名:檸檬、香檬、香桃、羅檬、拉門

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レモンの葉と果実 レモン果実断面 レモンの花 レモン レモン

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インドのヒマラヤ西部原産で耐寒性の最も弱い柑橘類の1種で、11世紀に十字軍がイタリアへ、さらに地中海沿岸地方に、19世紀にはコロンブスによりアメリカへ伝わり、イタリア、スペイン、カリフォルニア、ポルトガル、オーストラリアなどが主産地となりました。日本には明治初めにアメリカから導入されましたが、気候的に不適で広島県の一部で栽培されました。

樹高が3mほどにもなる小高木で、茎には短い刺が所々にあります。

葉は卵形で厚みがあり、浅い鋸歯があって互生しています。

蕾の時には紫色をしており、花弁の上面は白色、裏面は淡紫紅色を帯びた、強く甘い香りのする5弁の花を咲かせ、1年に3回開花し、次々に実り、産地では年中収穫が出来ます。 果実は緑色の卵形又はラグビーボールのような形をして、頂点に乳頭と呼ばれる突起があります。熟してくると黄色くなってきます。果皮は比較的厚く、淡黄灰色で果肉は黄色で、果汁が豊富で強い酸味を有しており、種子は小さく滑らかです。果実は気候や場所によっては本来10cm以上の短径を有するような大形の果実となりますが、日本では生食用として流通するため、大きなものは選別されてほとんど見ることはありません。

果実は主に果汁を食用としますが、酸味が非常に強く(pH2)、香気があるのでジュース、レモネード、レモンスカッシュなどの清涼飲料水用としたり、果実を薄く切ってサラダ、肉料理、揚げ物、生牡蠣、紅茶などの風味付け、カクテルの飾りなどとして使われます。果汁中のフラボノイドであるエリオシトリンが脂質代謝に有効であることが解明されたことから油物に添えて用いるのも一理あります。果皮にはリモネンなどの香り成分が多く、香料や溶剤として利用したり(油汚れ取り、ガム剥がしなど)、レモンピールにして洋菓子の製菓原料に、リキュールのリモンチェッロを作るのに用いられます。

民間薬的には果汁を皮膚殺菌の目的でおできなどに塗布したり、喉の痛みにお湯で薄めてうがい薬に、また関節炎や痛風などでの痛みの緩和に絞り汁を飲んだりして用います。また還元作用を示すビタミンC含量が多く、酸性を示すことから美白、美顔用に用いることもありますが、皮膚炎のリスクがあることも知っておく必要があります。

成分として果皮にはリモネンが70%以上含まれ、その他に多くの精油成分やフラボノイド、ビタミンBなどが知られています。果肉の方にはクエン酸(6-7%)やビタミンCが多く含有されています。

新鮮な成熟果皮は香味、芳香、刺激剤として、又レモン油やペクチンなどの原料とします。果汁はクエン酸やビタミンCの製造原料になります。葉を水蒸気蒸留してペチグレインレモン油を採り、オーデコロン、香水、石鹸用香料に用いられます。

果皮を乾燥したものが生薬の枸櫞皮(くえんひ)で、欧米では香味剤、矯臭剤、芳香剤、刺激剤などとして用いられます。ビタミンCが柑橘類の中で特に多く、酸味の主成分はクエン酸で疲労物質の分解、代謝を促進するので疲労回復に役立ちますが胃酸過多の人は多食に注意する必要があります。ビタミンC不足で発病すると言われる壊血病の治療にも用いられました。例えばイギリス海軍のネルソン提督は船員の職業病であった壊血病予防にレモンを宝石のように愛したという逸話もあります。


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