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二階堂先生の「食べ物は薬」

ワサビ - 葉や花の一夜漬けもどうぞ召し上がれ

ワサビ
  • ワサビ
  • 学名:Wasabia japonica
  • 科名:アブラナ科
  • 英名:wasabi, Japanese horseradish
  • 別名:山葵(やまあおい)、ヤマワサビ、サワワサビ

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ワサビの葉と根(茎) ワサビの花 ワサビの葉と根(茎)と花 ワサビの花

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日本原産で、深山の冷水流中に自生する日本特産の多年生水性植物で、古くから栽培もされています。根茎は太く沢山の節があり、地中で横走して伸びます。ただし野生品の根茎は栽培品ほど太くはなりません。根からそのまま出る葉は心臓形をしており、白色の十字状花が初春に咲きます。栽培は江戸時代に静岡県有東木(うとうぎ)地区で始められ、その後、天城湯ヶ島、長野県安曇野、東京奥多摩などで行われています。栽培は年間水温が5-18度が適温とされており、安曇野のような湧水で年間を通して水温一定のところが栽培しやすいとされています。このような水中で育てる沢ワサビに対して、畑で育てる畑ワサビ(陸ワサビ)は小型のため、主に葉や茎を加工してワサビ漬けなどに利用されています。

根茎は特有の香りと辛味を持ち、おろして魚や肉のなますや、刺身、寿司などの辛味料に、また葉茎を一緒に刻んでワサビ漬にしたり、浸し物、和え物などとして、また葉や花を春に摘んで醤油漬や塩で一夜漬けにして食べるのも美味しいものです。

ワサビの辛味は茎に近い部分の方が強く、香りも多いので、頭の方からなるべく細かく鮫皮を張ったものでおろし、揮発性の香りや辛味が抜けないうちに使うようにします。又細かくすり下ろしたものには僅かに甘味も感じられます。醤油と混ぜると風味が弱くなるため、刺身に少量載せて食べるのも良いと言われています。

粉ワサビや練りワサビには高価なワサビは殆ど使われず、同じアブラナ科のセイヨウワサビ(ワサビダイコン)Armoracia rusticana 、英名 horseradish を用い、緑色に着色したり、カラシを少量入れて作られています。

ワサビには精油と共に辛味成分が含まれており、それはアブラナ科植物に多く含まれているカラシ油配糖体の1種であるシニグリンで、摺り下ろすとミロシナーゼ(酵素)により分解され、殺菌性を示す、揮発性・強刺激性のアリルイソチオシアネートなどを生じます。 

根茎を生薬の山葵(わさび)、葉を山愈菜と呼び、辛味性芳香性健胃、防腐殺菌、胃液分泌、食欲増進などの目的で下痢、食欲不振、神経痛などに用いたり、下ろして布に延ばし、患部に貼ってリウマチ、神経痛などの鎮痛剤として用います。刺激性が強いので胃炎、胃潰瘍の場合には用いない方がよいとされています。


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