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参考：シャゼンシ: オオバコ科植物の多年生草本オオバコ(学名Plantago asiatica L.)は、中国など東アジア各地に広く分布し、日本では北海道から九州に至る各地の草地に最も普通に自生している。その種子(車前子)は、長さ2mm程度で、サイリウムに比べて小さい。　主として中国から輸入されているが、中国ではP.depress(平車前)や、P.major(大車前)も使用されることから鑑別が必要とされている。

　神農本草経の上品に収載され、薬能として「気リュウ(キリュウ：下腹部や陰のうの腫痛で、排尿後の疼痛もある。尿道炎に関連した疾患)の痛み止め、水道、小便を利し、湿痺(シッピ：関節炎で肢節疼痛すること)を除く」と記載されている。

　漢方医学におけるシャゼンシの薬能としては利尿、鎮咳、去痰、止瀉作用があると考えられている。

　第十四改正日本薬局方に、花期全草のシャゼンソウ(車前草)とともに収載されているが、医薬品の範囲に関する基準(いわゆる食薬区分)では、いずれも医薬品的効能を標ぼうしない限り食品と認められる成分本質に分類されている。

　そのため、サイリウム種子と同様に健康食品素材として利用されているが、利尿など水分代謝を促す目的で用いられ、サイリウム種子の効能とは異なる点に注意が必要である。

　シャゼンシの成分としては、粘液性の多糖体plantasan, plantagomucilage A(Fig.5)のほかに、イリドイド配糖 aucubin, geniposidicacidやフェノール性配糖体acteoside, syringinおよびフラバノン配糖体などが知られている。

　化学成分の比較からは、シャゼンシとサイリウム種子は類似しており、粘液多糖体の部分構造も共通する点が多く認められる。

　消炎、利尿作用に関して、抽出エキスにヒトγ-グロブリンのCu²⁺熱変性抑制作用、cAMPホスホジエステラーゼ阻害作用、Na⁺,K⁺ATPase活性の阻害作用が報告されている。また、多糖体plantago-mucilage Aに血糖降下作用や抗補体作用が知られている。

漢方医学では、シャゼンシの性味は甘、寒であり、全身的に衰弱し、貧血や低血圧気味の人は、さらに身体が冷えるので服用には注意が必要といわれている。

参考：シャゼンシ