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薬局・薬店の先生による健康サポート

本来、口の中は唾液で適当に潤い、「さらっ」として何の味もないのが正常な状態です。
食べ物の味がしない、口が苦い、口が甘い、口に塩味がある、口が酸っぱいなどの症状は内臓の状態が口中に現れていると考えます。

漢方の病気の診断は「内に隠れてみえない内臓の異常は必ず体表に現れる」ということを基本にしています。 舌診、脈診、問診なども内部の状態をさぐるためにおこなわれます。
味覚異常も内臓の異常な状況の反映として内臓の改善を図ります。

それでは、それぞれの症状をご説明しましょう。


1. 口が苦い
苦みが慢性的にある場合は、ストレスから緊張が続いたり、イライラしたり、またストレスがうまく発散できず気持ちが鬱した状態が続いて、肝や胆に熱がこもり、その熱気が口に溢れ出て口が苦くなることが多く。
また胆が弱い人はよく怖がったり、めまい、不眠がおこりやすく、思い悩みが解決できないでいると、胆気が上に溢れ出て口が苦くなります。
風邪を引いた時に口が苦くなり、食事が美味しくないことを経験することがあります。
これは一時的なもので、風邪が治らないでいると体表部の熱が内部に入り込み胆を犯すことにより口苦、咽の乾き、めまいなどがおこります。
2. 口が甘い
口甜(こうてん)ともいいます。辛い食品、肉、甘いものを食べ過ぎることにより消化、吸収、運搬などを担当している脾胃に湿熱という病邪が生まれ留まることにより、脾の熱気が口に溢れて口が甘くなります。
3. 口中の塩味
高齢の人や身体の衰えている人で腎が弱ると、口中に塩味を感じます。
また塩味のする痰が口中にたまることがあります。
4. 口中に酸味を自覚する、また口臭が酸っぱ臭い
ストレスなどにより肝に熱がこもる場合や、夜遅くに肉など多く食べるとおこりやすい。
5. 食べ物の味がしない
漢方では口淡といいます。慢性病から脾胃の働きが弱ったり、風邪などでも発生します。肺の元気が弱ると臭いが感じにくくなるのと同じです。
漢方では単に舌の味蕾(みらい)の異常や、亜鉛などの微量ミネラルの不足、服用している薬の影響というだけでなく内臓との関わりを重視して改善を図ります。


店主からヒトコト

味覚障害の方は意外に多く、上記のように原因もさまざまで、治療法も自分ではわかりにくい病気の一つです。
当店では、味覚障害の方に対して、漢方薬を使った方法で、ご相談に応じています。
せっかくの食事です。家族、みんなで楽しい食事をしたいですね。
ぜひ、ご相談下さい。ご来店をお待ちしております。


先生の紹介

プロフィール 博方堂クメカワ薬局 粂川 義雄先生博方堂クメカワ薬局
薬剤師
粂川 義雄先生

略歴

東京薬科大学卒業、現在、博方堂クメカワ薬局経営。
1976年漢方研究会、温知会に入会し矢数道明先生より指導を受け漢方の研究を始める。
元東京医療福祉専門学校漢方概論講師。
共著書に「現代語訳啓迪集」「実用漢方処方大成」「図説東洋医学」「東洋医学用語集」などがある。

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