きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。

薬局・薬店の先生による健康サポート

アンチエイジングってどういう事?

最近は、健康ブームで特に年配の方を中心に健康意識が高まりジョギングをしたりサプリを摂ったりといろいろ健康に留意されている方が増えてきたように思います。その中で、アンチエイジングというキーワードもずいぶん目にするようになってきました。しかし、アンチエイジングってどういう事なのでしょう。

いつまでも美しく若々しくいる事がアンチエイジングなのでしょうか?それとも病気や老化を予防して健康でいる事がそうなのでしょうか? アンチエイジング研究第一人者(私はそう思っています)、京都府立医科大学学長の吉川敏一氏によれば、最近の研究で若々しい美貌を保つ事と病気や老化を防ぐ事は実は同じである事がわかったとの事。同じ手段で体の内外とも健康で若々しく保つ事ができるのだという事です。

アンチエイジングと活性酸素

吉川先生によれば、病気と老化の元凶は活性酸素で、喫煙、運動不足、ストレス、大気汚染、紫外線などにより体の内外に活性酸素が発生し細胞を障害するとの事。

つまり、アンチエイジングとは活性酸素を除去することに他ならないのです。

活性酸素なるものがいかに体に悪さをするかという事は、インターネットで調べればいくらでも資料が出て来ると思いますのでここでは省略させていただきますが、とにかく、活性酸素を除去する、その一点に絞って話を進めていきましょう。

アンチエイジグに漢方はどう関わるか

活性酸素を除去するのにはどうすればよいのか?漢方はどう関わるのか考えていきましょう。

前述の活性酸素発生の原因のうち、自分で対処できる事は何でしょう。

そうです、禁煙、適度な運動、紫外線対策、空気清浄器やマスクの使用、自分なりのストレス発散対策など考えられます。

余談かもしれませんが、喘息に悩まされて都会から田舎に引っ越して症状が落ち着いている方がいらっしゃると聞きました。大気が体に影響を与える好例だと思います。

一事が万事、禁煙、運動、紫外線、ストレス、大気汚染などに関して各対策は自分で意識すればできる事ですので、是非、実践してみて欲しいと思います。

活性酸素を除去するもう一つの大きな柱、それが、食事や漢方です。 植物などは自らの身を守るため抗酸化物質を作って酸素や紫外線に傷害されるのを防いでいます。それらを食する事で人間も活性酸素を除去できるというわけです。トマトのリコピン、ブドウやブルーベリーのアントシアニン、ポリフェノールなどは、一度は耳にした事があると思います。色とりどりの野菜に含まれる抗酸化物質をしっかり摂る事でアンチエイジングにつながるのです。

では漢方はどうかというと、実は漢方薬の現代医学的な作用の一つとしてあげられるのが、フリーラジカルスカベンジャー作用すなわち、活性酸素除去作用なのです。この作用は大なり小なり漢方薬に認められる作用で、平素より漢方を服用している方は知らず知らずにアンチエイジングを実践している事になります。

私事で恐縮ですが、実年齢より若く見られるのは毎日服用している漢方のおかげかもわかりません。

また、漢方本来の役どころとして、「証」にあった処方を服用する事で先ほどの活性酸素発生因子を抑えることが可能だと考えます。

例えば、ストレスが日常的にあって上手く処理する事ができていない人に「気」の流れを良くする処方を考えたり、運動不足の人に、少しでも「血」の流れを良くするために「血」の滞りを良くする処方を考えたり。

また、本来の生命力が衰えてきて「腎」が弱って来ている人には「腎」を補う処方、消化吸収する力が衰えてきている人には「脾胃」を補う処方等を考える。そんな風に処方を工夫する事で必ずや健康になることでしょう。

店主からヒトコト

アンチエイジングには、漢方薬が役立ちます。活性酸素除去作用、それプラス「未病を治す」という東洋医学の予防医学的概念も含めた本来の漢方治療薬でアンチエイジングに効果を発揮し「すこやかに老いゆく」という本人も家族も国も望ましい方向が見えて来るのです。いいですよ、漢方。


関連ページ

先生の紹介

プロフィール 福田漢方すこやか相談所 薬局・鍼灸治療院 福田 佳司先生福田漢方すこやか相談所 薬局・鍼灸治療院
福田 佳司先生

略歴

  • 1962年奈良県生まれ
  • 奈良県立畝傍高校卒業
  • 京都薬科大学薬学部卒業
  • 明治針灸柔道整復専門学校卒業
  • 元京都薬科大学講師、長尾泰爾氏に師事し浅田流折衷派細野一門の漢方を、セミナーなどにて伊藤清夫氏らより古方を矢数道明氏らより後世方を学ぶ。
  • 経絡治療学会に参加して経絡針治療を研修し、谷口中庸氏に師事して針灸奇経療法を学び、平成9年 地元奈良にて開業し現在に至る。

TOP