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薬局・薬店の先生による健康サポート

お通じは健康のバロメーター

お通じは、私たちのからだや健康にとって重要な生命活動です。
飲食を「吸入の行動」とするなら、お通じや発汗はさしずめ「排出の行動」といえます。そして排便を介して健康状態が把握されるように、お通じは本来、その人のこころやからだと深く結びついています。ストレスを抱えることで下痢がおこりやすくなった、年齢を重ねることでお通じが難しくなったということは、近年よく耳にする話です。

このお通じが悪くなることが即ち「便秘」ですが、必ずしも単純に通便すればよいというものでもありません。常習便秘では便秘そのものを解消することに加え、その背景や要素を熟慮して対処していくことが効果的な治療につながります。
実際の漢方相談でも便秘を主訴として取り扱うことよりも、主訴に付随した症状として捉える先生方が多いのは、このことによるといえるでしょう。

便秘が抱える要素

一般に便秘には、腸管運動に影響を与えるストレスや自律神経などの精神的要因、日々の食事量や筋肉量、腸内環境などの肉体的要因、さらには乾気や寒気などの季節的要因があると考えられます。

◆精神的要因:
長期にわたるストレス負荷や自律神経の乱れに伴う腸の緊張・痙攣
(桂枝加芍薬大黄湯、加味逍遥散など)
◆肉体的要因:
食欲低下にともなう排便量減少
体温低下や筋肉量低下による腸機能の低下
(六君子湯、人参湯など)
◆季節的要因:
寒冷に伴う腸の機能低下
腸の乾燥による排便時の苦痛
(麻子仁丸、潤腸湯など)

また、便秘そのものを解消する処方として大黄甘草湯がよく用いられます。
大黄と甘草という二種類の生薬からなる単純な方剤ですが、証にとらわれることなく服用できる、腹痛もおこりにくいなどの利点で重宝されています。




店主からヒトコト

年末年始は、寒い毎日が続く他、食生活が乱れがちです。
身体が冷えないような工夫や、決まった時間に食事をとる、ストレスの少ない毎日を送るなどの心がけをすることで、便秘のお悩みが解消されるかもしれません。
もしそれでも難しいようなら、漢方薬でケアするのもいいでしょう。


先生の紹介

プロフィール 漢方 柿ノ木薬局 宮川 貴夫先生漢方 柿ノ木薬局
宮川 貴夫先生

コメント

  • 京都大学近くにある漢方相談薬局です。
    学生さんをはじめ、主婦やお年寄りのご相談を幅広く受付しております。
    治療そのものに加えて、「相談しやすい薬局」を日々目指していますので、
    ぜひお気軽にご相談ください。

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