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五月病:春先に起こる心身の乱れ

私たちの身体は、常に周期(リズム)に従い活動しています。例えば、日の出と共に目覚めて活動的になり、日の入りと共に休息的となって眠りにつくのは、一日の基本的なリズムです。また女性の生理は昔から月のものと呼ばれ、一定年齢に達して始まる更年期もこの周期に伴い現れです。

そんな身体にとって大切な周期ですが、実はとても繊細なもの。夜更かしや不規則な食生活、ストレスや心労の蓄積で乱れやすく、さまざまな精神的・肉体的不調を誘発します。そして春先に起こりやすくなる周期の乱れ、これを特に五月病という訳です。


春の頃は新しく始まった生活や職場、仕事や学業に春の陽気も手伝って、心身はとても充実しています。けれども過度なハリキリ・ガンバリと共に、環境の変化や生活習慣の乱れが災いして、「燃え尽き症候群」とも喩えられるようなうつ症状を訴えることも少なくありません。五月病を始めとしたこの時期の不調は、そうした生活習慣の乱れ・歪みを大いに含んでいます。


五月病改善のポイント:身体本来のリズムを整えよう

漢方では身体に備わるさまざまな周期は、同じく身体に備わる整合性、すなわち陰陽のバランスで成立すると考えます。陽分が盛んになれば、身体のあらゆる部分は陽に傾き、逆に陽分が衰え消耗すると、身体は陰に傾きやすくなります。そして五月病やうつに似た症状は、ストレスや心労の蓄積を通じて身体が陰に傾くほど強く現れます。


五月病の予防やその対処では、身体に備わった整合性(バランス)や周期(リズム)を整えることが大切です。それは五月病に対して用いる漢方治療や漢方薬、さらに養生法についても同じです。


適度な気分転換やストレス発散を通じて、陰陽の整合性を図る。そして規則正しい生活を通じて、周期を整えていく。そのようにして春を健やかに過ごしていくことが大切です。


店主からヒトコト

何事もリズムやバランスを整えることが、万事の健康に通じるというのが漢方の教えです。
そして五月病の云われは五月の頃に現れるからですが、
最近では梅雨や秋口の時期にも同様の不調を訴える方が増えており、
漢方ではそういった類似症状も、先で述べたポイントに即して同様に対処していきます、


先生の紹介

プロフィール 漢方 柿ノ木薬局 宮川 貴夫先生漢方 柿ノ木薬局
宮川 貴夫先生

コメント

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