犬もいれば猫もいる。イヌノフグリは犬、イヌザンショウのイヌは?
今さらではあるが、生物には新種でないかぎり、全てに名前が付いている。
日本で見られる植物には、国際植物命名規約にのっとりラテン語で表された「学名」と、日本固有の「和名」と、方言にあたる「地方名」とがある。
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| ドクダミ |
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例えば、薬草として有名なドクダミを例にあげると、「学名」は Houttuynia cordata Thunberg である。
Houttuyniaは属名で、18世紀の医師でもあり、植物学者でもあったHouttuyne氏に因み、
cordataは種小名で、心臓形のという意味でハート型の葉を表している。
命名者は有名なThunberg氏である。
ドクダミは「和名」であり、ジュウヤク(重薬、十薬)、魚醒草、入道雲草、イヌノヘは「地方名」である。犬の屁を嗅いた事は無いが、何と可哀想な名である。学名からも植物を連想する事ができるが、馴染みある和名、地方名の謂れを考えると、更に親しみが増す。ドクダミは「毒を溜めて、吸い出し、止める」の効能からの命名と思われる。
和名に動物の名前が付いている植物も結構ある。イヌセンブリ、ネコノメソウ、キツネノボタンなどなど、すぐさま思い浮かぶ。ウマもウマノアシガタ、ウマゴヤシ、ウマノミツバ、ウマノスズクサなど結構ある。必死になると、サルトリイバラ、トリアシショウマ 、カモメヅル、クワガタソウ、アリドウシ、カニコウモリ、イタチササゲ、トラノオ、ウサギギク、ウシノシタ、ウナギツカミ、ウニアザミ、ヘビイチゴ、カメバヒキオコシ、オケラ、オトコエシ、オミナエシ(女郎花)、ヤブジラミ、カラスノエンドウ、クマツヅラ、スズメウリ、ヤマウツボ、コウモリソウ、サギソウ、ヒヨドリバナ、タイツリオウギ、マツムシソウ、タコノアシ、ノミノツヅリ、ハエドクソウ、ブタクサ、タヌキマメ、ホタルサイコ、キジカクシ、タツノヒゲ、ヒツジグサ、イノコヅチ、ネズミモチ、クジャクヒバ、次から次ヘと出てくる。ウナギツカミのように、なるほどと思える物もあるが、すぐには納得できない物や、ヒョットしたら動物とは無関係と思われる和名もある。
イヌと名の付く植物には、イヌノフグリ、イヌザンショウ、イヌブナ、イヌガヤ等など40種にも及ぶが、イヌノフグリは「犬のふぐリ(陰嚢)に似る」、後ろ3物は「犬」では無くて「否ぬ」である。
イヌザンショウ、サンショウともにミカン科(Rutaceae)で、奇数羽状複葉、互生で全く同じであるが、サンショウの刺は対生。イヌザンショウは互生。
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| サンショウ |
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イヌザンショウ |
一番大きな違いは花弁の有無。有るのがイヌザンショウ Fagara mantchurica、無いのがサンショウ Zanthoxylum piperitum。このため植物分類学的には属が違う。イヌザンショウは、香りや辛味、又は健胃薬として劣るが、蜜源としては勝ると聞く。
サンショウで刺の無い種は「アサクラザンショウ」、果実の大きな種は「ブドウザンショウ」。フユザンショウはサンショウ属だが、カラスザンショウはイヌザンショウ属。イヌザンショウから見たら、サンショウは本物で無い。
「ヘビイチゴ」のヘビは毒ではないが美味しく無い、という意味。私は、否ぬか。


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