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病気と漢方

民間薬で病気を治そう ~昔から使われてきた薬草で、病気知らずの元気な体。~

 
  アケビ
 

 アケビの実は裂けて肉をあらわすので、開肉(アケミ)の意味あるいは開く実(アクミ)の意味から転じたものである。生薬名の木通、通草はアケビのつるに多数の細かい孔があって、みな通っているので付けられた。

アケビ   アケビ

別名・地方名 アケビカズラ、アクビ
科 名 アケビ科/ラテン語の科名 Lardizabalaceae
学名(植物ラテン名) Akebia quinata(Thunb.)Decaisneアケビ
英名 Akebi, Five-Leaved Akebia
中国名 木通、八月札(果実)、木通根(根)、預知子(種子)
生薬名 木通(もくつう)、通草(つうそう)
出 典 神農本草経(217年)
生育場所 日のよくあたる丘陵や林内に生える
薬用部位と採集時期 蔓、根は秋、冬。(木通、通草)。葉、果実は秋。
調整法 蔓、根を採集し、水洗い後、細かく刻み、天日乾燥する。
主な成分 アケビオサイド、スチグマステロール、β-シトステロール、β-シトステロール-β-D-グルコシド
有効成分 配糖体のアケビンakebinを含有
効能・効果 利尿、鎮痛、通経、抗菌作用
用法・用量 1日5~20g
薬効と使用方法(常用量) 【1】生の蔓の節間を切り取り、一方から吹き、他方から出る白汁を目に人れるか木通の煎液あるいは干した果実を細かく砕いたものの煎液で洗眼すれば突き目に効果がある。

【2】木通を1日に5~20g煎じて服用すれば消炎、利尿、鎮痛、抗菌作用があり、浮腫、尿閉、尿利減少、尿道炎、膀胱炎、妊娠腎、月経不順、血の道、疝気(せんき)、腹痛、肝臓炎、貧血性頭痛に効果がある。果実を煎じて服用しても効果がある。また関節リュウマチ,神経痛にも良い。

【3】茎葉を浴湯料とするとできもの等によい。
使用上の注意(副作用、相互作用など) 精力減退、遺精、頻尿、妊婦は使用を禁ずる
薬食健康法

柔らかいつる先(新芽)と若い葉を、塩ひとつまみ入れた熱湯で茹でてあくを抜き、冷水にさらし、十分水気をとり、すりごま、醤油、みりん、蜂蜜を加えて和えると美味しい。マヨネーズ和えにしても、おいしく食べることができる。糸がつおと、しょうゆ味、クルミあえ、などで味わうのも良い。
実は刻んでみそに混ぜたり、油で揚げたり、でんがく風に焼く。苦い果皮も、ゆでて水にさらし、味噌炒め、油炒めすれば美味しくいただけます。
若葉を塩漬け(木芽漬)にして食べる。京都鞍馬の新芽漬けは有名です。

茶代用
アケビの新芽を摘み集め、洗って蒸して日に干し、茶の葉のように手でよくもむとおいしいお茶になる(葉・若い蔓は5月ごろ)。

薬酒・アケビの実の白酒
【1】アケビの果肉を種ごと2~5倍量の清酒かホワイトリカーに入れ、箸で白い部分を酒に溶かす。まだ裂けていない実は、縦の合わせめにそって、ナイフを入れると、裂けてひらく事が出来る。
【2】20~40日後、味噌こしで容器から種子を引き上げ、白酒と種に分ける。種はハチミツと焼酎に漬けて熟成酒を作る。3~4ヵ月で、淡黄白色のリキュールが仕上がり、とろりと甘い。実を、丸ごと漬けると、渋み苦みのまじった甘口に仕上がる。

果実の詰めもの(アクを楽しむ)
【1】中の果肉や種子をとり除き、果皮を1日ほど干す。
【2】椎茸、ひき肉、竹の子、たまねぎ、野菜類など、好みのものをまぜて炒め、みそ、砂糖、化学調味料などで、味つけし、①に詰め、カンピョウでしばる。
【3】油で、さっと揚げるか、油をひいた鍋で蒸し焼きにする。

果皮の保存と食べ方(アクを少なくする)
【1】果皮の外側の赤いところを剥ぐ。
【2】熱湯をさっと通す。時間が長いと、身が崩れてしまう。
【3】冷水にとり、黄色いアクを出させる。
【4】ラップに包み、冷凍保存する。
【5】要時、解凍後、味を付けて食べる。干しダイコン風味となる。

栽培の必要性と難易度 実生か、挿し木で栽培する。野生の苗などを植えて育てる。つるが伸びるにまかせると地面をはうので、棚などに誘引する。肥料は不要であるが、生育が悪いときは、春に化学肥料を一握りやると効果的である。
備 考
(アドバイス)
種子からは油を取り利用する。
応 用 薬用・食用・酒用・茶用・浴用
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