きぐすり.com は、漢方薬、女性の健康、サプリメント、ハーブの情報を専門家がやさしく解説しています。
御影雅幸先生の漢方あれこれ
最近ではエキス剤の登場で煎じ薬を服用する機会は少なくなりましたが、煎じ薬には患者さんの体質に従って細かくさじ加減ができることなど、エキス剤にはない優れた点があります。 漢方薬を家庭で煎じる場合は土鍋かアルミ鍋を用い、鉄鍋は避けます。 このとき木綿布で強く搾り取るのが正しい方法ですが、茶こしで濾しても構わないでしょう。煎じる際には一般に蓋をしますが、吹きこぼれないよう火加減に注意が必要です。 また、濾したかすに再び水を加えて二番煎じが行われる場合もあります。 特殊な煎じ方特殊な煎じ方として先煎(さきせん)や後下(こうげ)という方法があります。 先煎「先煎」はある生薬のみを先に一定時間煎じ、後に他を合わせて煎じる方法で、例えば麻黄が入った処方でしばしば先煎が指示されます。 後下 「後下」はある生薬のみを煎じ終わる5~10分前に加える方法です。 また、附子(トリカブトの仲間の塊根)が入った処方では、1時間以上煎じることが指示される場合もあります。これは有毒成分を弱毒化するためで、はじめから多めの水を加えて煎じるのが良いでしょう。 このように、煎じ方にもいろいろな方法があります。 |