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御影先生の漢方あれこれ

証

証とは

漢方では「証(しょう)」という言葉がよく使われます。「お血証」(血流が悪い状態)、「陰虚証」(陰が不足した状態)などと、一般には病的体質のことを表現しますが、本来は「証(あかし)」の意味であり、体内の見えない部分の病気が体表など見える部分に現れた症状を意味します。

上から、カッコン、タイソウ、ケイヒ、マオウ、シャクヤク、ショウキョウ、カンゾウ

また、漢方ではある処方を服用すべき病的体質をその処方名の後につけて表現します。すなわち、葛根湯を服用すれば改善される病的体質のことを「葛根湯証(かっこんとうしょう)」と呼びます。では、葛根湯証の「証(あかし)」とは何かというと、後背(首筋から背中にかけての太い筋肉)が緊張して凝った状態や、感冒などによる急性熱病の場合には汗が出なくて発熱して強い悪寒がある状態です。こうした病態があれば「葛根湯証」と判断される訳です。

このように漢方では「証」が決まれば服用すべきクスリが決まります。よって、治療には証の診断が非常に重要となります。

西洋医学と漢方との相違点として、西洋医学は「症」すなわち症状を治すのに対して、漢方では「証」を治すということがよくあげられます。例えばアトピー性皮膚炎であれば、西洋医学では皮膚炎を治療しようとしますが、漢方ではその皮膚炎の状態を「証(あかし)」として体内の病的状態を察知し、全身的な治療をします。

一口にアトピー性皮膚炎と言っても患者さんによって病態が様々ですから、服用すべき漢方薬が異なります。すなわち、西洋医学的病名は同じでも、証が異なるということです。漢方が個人を大切にする医学であると言われる所以です。

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