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二階堂先生の「食べ物は薬」

ネギ - 疲労回復に役立つ万能野菜

ネギ
  • ネギ
  • 学名:Allium fistolosum
  • 科名:ユリ科
  • 英名:Welsh onion, leak
  • 別名:葱

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ネギの葉と根 ネギの葉鞘横断面 ネギの花穂(ネギ坊主) ネギ

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中国~中央アジアを原産地とする多年草で、日本へは奈良時代に伝来し、古くから野菜として栽培されています。

鱗茎はわずかに膨らんでいて、太い茎から葉になり、茎と葉は白緑色、中空で粘液に富み、茎の下部は重なり合っています。葉の間から花茎が出て苞に包まれている花序を付け、初夏に白緑色の小花を球状に咲かせ、ネギ坊主とも言われます。花は6枚の花弁からなり、三角形の黒い種子ができます。

葉には特有の香りと辛味があり、日本料理には欠かせない重要な野菜です。古くから味噌汁、冷奴、蕎麦、うどんなどの薬味や、鍋料理に欠かせない食材として使われています。

東日本の白ネギ(長葱、根深葱)は土を盛り上げて陽に当てないようにして作ったもので、風味が強く、太いものでスープなどでは主食材となります。一方、西日本では陽に十分当てて、若くて細い青ネギ(葉葱)が作られ、ネギ焼きの主食材でもあります。「ワケギ」「アサツキ」「万能ネギ」「九条ネギ」などの名前で呼ばれることもあります。

青ネギは白ネギと比べるとカロテンが5倍以上、ビタミンCは2倍以上含むと言われ、白ネギの白い部分には硫化アリルが多く、これらのことからネギの緑の部分には栄養分が多く、白い部分には色々の効果があると言われています。

昔から咳や痰を鎮め、疲労回復に役立つ万能野菜として知られており、肉や魚の臭みを取ることから薬味として用いられています。

ネギ属のタマネギ、ニンニク、ニラなどに入っている硫化化合物によって赤血球のヘモグロビンを変化させ、重度の溶血性貧血を起こし嘔吐、下痢、血尿などが見られるので注意が必要です。特にネコ、イヌ、ウサギではごく僅かの量でも中毒を起こし、死亡することもあると言われています。

葉の基部の白色の葉鞘は葱白(そうはく)と呼ばれ、刺激性のアリル硫化物などを含んでおり、強壮、去痰、発汗、利尿、解熱、鎮痛作用があり、風邪などに用います。特有の臭いは血行を良くし、消化液の分泌を促進し、又食物繊維が多く、解毒作用もあるので便秘にも用いられます。ただし、熱があって、寝汗、多汗の人は用いない方がよいとされています。


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