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我が国では高血圧症の患者は4300万人にのぼると推定されており、主な国民病の一つです。高血圧は脳卒中や心筋梗塞、慢性腎臓病などの原因になるので、管理と治療がとても重要です。

しかし、「薬を服用したくない」「薬の副作用が怖い」「薬を飲み続けなければならなくなるのが恐い」「少し高いだけだからまだ大丈夫」などの理由で、受診或いは治療を受けていない高血圧症の方は少なくありません。

高血圧は全身の血管を中心に大きな危害を与え、動脈硬化脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、腎硬化症・腎不全、心臓肥大、心筋梗塞、心不全、不整脈、眼底出血などを引き起こします。



許志泉の『漢方求真』リンク を参考にまとめると、高血圧症には下記の漢方処方がよく用いられています。

麻黄剤:葛根湯、続命湯、麻黄湯

桂枝剤:桂枝茯苓丸、桃核承気湯、五苓散

柴胡剤:大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、抑肝散、冠脈通塞丸(柴胡地黄剤)

黄耆剤:当帰芍薬散加黄耆釣藤鈎、七物降下湯(地黄黄耆剤)

大黄剤:三黄瀉心湯、防風通聖散、大黄牡丹皮湯、九味梹榔湯、通導散、大承気湯

地黄剤:八味丸(六味丸、知柏地黄丸、牛車腎気丸、味麦地黄丸)、四物湯

半夏剤:釣藤散(半夏石膏剤)、半夏厚朴湯

芩連剤:黄連解毒湯、三黄瀉心湯、葛根黄芩黄連湯

附子剤:真武湯

タンジン製剤:冠元顆粒

川芎製剤:川芎茶調散

牛黄製剤:カイキョー(牛黄カプセル)




漢方治療のメカニズムは現代医学と共通の部分もあり、また独特な部分もあります。そのため、漢方医学の特徴をよく理解したうえで治療を施すのが望ましいです。


高血圧症の漢方治療では、以下に注意しましょう。

A.漢方の専門家に相談をした上で治療を進めましょう。“漢方薬はからだにやさしいから、副作用があまりないよね”などと、自己判断で服用しない。

B.生活改善を同時に実践。

C.血圧手帳をつけて、定期的に漢方の専門家に相談。

D.定期的な健診、また高血圧に関連する検査、生活習慣病のチェックを総合的に行いながら、健康管理。

⇒より詳しい高血圧症に解説は富士堂漢方薬局HP「高血圧症および漢方医学治療」リンク をご覧ください。

近年、人々の生活様式が多様化し、情報が多い社会の中で、不眠症で悩む人は増えてきています。眠れないことによるストレスや焦り・不安だけではなく、集中力の低下、意欲の低下など生活に支障を来たし、日常生活に様々な弊害をもたらします。

今回は、不眠でお悩みの人へ、「不眠症、不眠の原因、不眠改善に役立つ生活習慣、不眠症によく使われる漢方薬の種類、睡眠薬を手放せた漢方著効3症例」についてご紹介させて頂きます。



1.不眠症と不眠症4タイプ

入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害など睡眠の問題が一カ月以上続き、日中に倦怠感や意欲低下・集中力が低下するなども症状を来すものです。

不眠症には以下の4つのタイプがあります。

--入眠困難 寝付くまでに時間がかかる

--中途覚醒 途中で何度も起きてしまう

--早朝覚醒 目覚まし時計よりも早めに目が覚めてしまう

--熟眠障害 眠りが浅く夢を見がち

睡眠の重要性:眠ることには疲れを回復するだけでなく、精神を安定させ、不要な記憶を処理し、必要な記憶を定着させるなどの効果があります。逆に睡眠不足が続くと血行不良、血圧や血糖値の上昇、免疫力の低下、認知症リスク増大などにつながるので注意が必要です。



2.不眠症の原因

不眠になる原因として、下記のような内容があげられます。

--ストレス:普段から緊張しやすい、責任の重い仕事についている、不安感が強いなど

--スマートフォン・PCの見過ぎ:ブルーライトの刺激により眠れなくなります

--加齢:加齢によって体内時計がずれてくるため眠れなくなります

--栄養不良:充分な栄養を取っていないため脳を栄養で養うことができなくなり不眠を引き起こします



3.不眠改善に役立つ生活習慣を身に付けよう

心地良い睡眠を得るために日常生活の中で気を付けた方がいいでしょう。

--入浴:巡りがよくなることでリラックス効果を期待できます。また入浴して体を温め、寝る直前に深部体温下がることにより、良い睡眠へと導きやすくなります。

--スマートフォンやパソコンを見すぎない:光の刺激により脳が覚醒してしまいますので、寝る前のスマートフォン・パソコンは避けるようにしましょう。

--夕方からはリラックスして過ごす:人間の脳はいきなりスイッチオフにはなりません。夕方以降も頭を使いすぎることや寝る直前まで仕事をするなどは避けて過ごしていった方がいいでしょう。

--朝起きたら太陽光を浴びる:朝、太陽光を浴びることで、約14時間後に睡眠を促す物質メラトニンが分泌されます。このことによって体内時計がリセットされます。

--リラックスを心がける:緊張して、体に力が入っている状態では良い睡眠は得られません。日頃から、疲れる前にリラックスを心がけるようにしましょう。



4.不眠症によく使われる漢方薬

【柴胡剤】:柴胡加竜骨牡蛎湯 抑肝散 加味逍遥散など

気を巡らせリラックスを助ける処方。ストレスによって自律神経が乱れ気の巡りが悪くなっている人に使う処方です。普段から緊張が強く、肋骨下を抑えると抵抗・痛みを感じる人に使用します。

【桂枝剤】:桂枝加竜骨牡蠣湯など

神経過敏によって睡眠の質が悪くなっている人 動悸や自然発汗などの症状もみられます。

【地黄剤】:知柏地黄丸 杞菊地黄丸 三物黄芩湯

手足のほてり、足のむずむず感を伴う入眠困難、加齢による夜間尿での中途覚醒や早朝覚醒なども見られるタイプに使用することがあります。

【その他】

加味帰脾湯 普段から心配事が多く、食が細い。眠りが浅くて夢を多く見るタイプ。

酸棗仁湯 脳に酸素がいかないため眠れない症状がでている人に用います。

牛黄カプセル 考え過ぎて脳が充血してしまっていて、ヒートアップしているタイプに用います。



睡眠薬と漢方薬との併用:漢方薬は眠りやすい体質へと少しずつ導くものです。しばらくの間、睡眠薬と併用しながら漢方薬の服用を続け、睡眠薬を徐々に減量していくといいでしょう。



5.漢方が著効し睡眠薬を手放せた不眠症3症例

【症例1】80代 女性

40代から徐々に不眠症が現れるようになる。60代になると睡眠導入剤を服用しないと眠れなくなる。普段は腎機能低下による蛋白質の制限をしていることから貧血も見られる。痩せ、食欲が以前より落ちる、睡眠導入剤によって記憶力が安定しなくなった気がするとのこと。

⇒人参養栄湯と酸棗仁湯の煎じ薬を併用。

2週間で睡眠導入剤を手放す。睡眠導入剤なしで起きた朝のすっきり感が嬉しいとのことでご報告頂きました。

【症例2】30代 女性(経営者)

眠れない日が一週間続き睡眠薬を服用。眠れないことによるイライラ・焦燥感あり。仕事のことが頭から離れず、落ち着かない。相談中も言葉がうまくまとまらない。体に力が入りすぎ緊張状態にある。夜間、歯のくいしばりもある。

⇒抑肝散加陳皮半夏と加味帰脾湯を併用。

一週間後に睡眠薬なしで眠れるようになる。精神的にも落ち着きオンオフの切り替えができるようになりました。

【症例3】20代 女性

20歳から寝つきが悪い。6年間睡眠薬を毎日服用していた。ストレスはなく、症状としてあるのは貧血のみ。

⇒酸棗仁湯と知柏地黄丸を併用。

最初の2週間で睡眠薬が半量に。4週間後には睡眠薬を手放すことができ、2カ月後に漢方薬を卒業できました。



良い睡眠は健康のバロメーターの一つです。特に精神的な健康状態と深く関係しています。不眠症は漢方薬で改善していくことができます。拙者も産後何度も子供に起こされているうちに不眠症に、悩まされた一人です。睡眠薬がいらなくなった時に迎える朝の清々しさを是非経験して頂きたいと思います。最近眠れなくなった方、長年眠れなくて悩んでいる方、諦めないで是非ご相談ください。

薬剤師 田村英子


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No8COVID-19



富士堂漢方薬局では、コロナ(COVID-19)・コロナ後遺症に関する漢方相談をオンラインで多く受けています。入院が認められず自宅療養を余儀なくされているコロナ陽性患者(軽症者)、入院をしているがコロナの症状改善がみられず西洋薬と併用で漢方薬の処方を求める患者の治療にもあたってきました。そこで、これまでのコロナ漢方治療・研究をもとに、「コロナの現状、予防、診断、漢方治療」を一覧にまとめましたのでご参考になさってください。

コロナ感染の予防、治療、後遺症のケアに漢方・漢方薬の選択肢があることもお伝えできればと思います。症状・体質などを踏まえて一人一人に合う漢方薬は異なりますので、経験豊富な漢方専門家による丁寧な漢方相談を受けることをおすすめします。



--漢方治療--

軽症者:感冒に準ずる治療、基本的に傷寒論六経病に基づいて処方選択。麻黄湯、葛根湯、柴胡桂枝湯、柴朴湯、桔梗石膏などがよく用いられる

重症者:三陽(太陽・少陽・陽明)合病からの治療をできるだけ早く実施すること。柴葛解肌湯合半夏厚朴湯を勧める。また、大青竜湯、五虎湯、大柴胡湯、小陥胸湯、大結胸湯なども必要に応じて選択される

後遺症(三つのタイプ):

①重症により消耗が強いもの:補剤での治療が原則。

②精神ストレス・自律神経のバランスの崩れによるもの:気血水、陰陽を調節するのが望ましい。

③部分的症状が残っている場合(長引く咳、嗅覚や味覚が回復しきらない、微熱、脱毛、視力低下、息が足りない、気うつ、不眠、下痢など)は体質や症候などに合わせて治療する。

選択処方:補中益気湯、竹茹温胆湯、麦門冬湯、人参養栄湯、温経湯、逍遥散(加味逍遥散)、桂姜棗草黄辛附湯、十全大補湯、桂枝加竜骨牡蠣湯証、酸棗仁湯、黄連阿膠湯、真武湯など

コロナ漢方治療⇒一覧の拡大版はこちらリンク

コロナ関連記事「新型コロナウイルス感染症39例の漢方治療レポート」リンク 「漢方を用いた新型コロナ肺炎治療の実例」リンク

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—この春、富士堂漢方薬局飯田橋店がくつろぎの空間に—

ふらっと立ち寄りたくなる、ウッディな安心感ある雰囲気でみなさまをお出迎え。

至る所に飾られた、色とりどりのお花や緑に癒されます:)動くハート


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漢方薬局はなんとなく敷居が高く、入りづらいな・・・そんなイメージを払拭できればと、

カフェのように気軽に立ち寄っていただける、くつろぎ空間を目指しました:)

店内ディスプレイにもこだわり、漢方関連書籍ほか、富士堂オリジナル漢方茶、薬膳素材、入浴パックなどの商品を実際に手に取ってご覧頂けます。

座り心地のいいスツールもぜひご体感ください動くハート

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2階には2つの相談室。広々としていて、仕切りがありプライバシーにも配慮。適度な距離感で、落ち着いて話しやすい雰囲気です。

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先生方はみな優しくおだやかで、親身に話を聞いてくれます。些細なことでもぜひご相談ください:)

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*あたたかな雰囲気で、スタッフ一同みなさまを心よりお待ちしております。ご不明な点などございましたら、お気軽にお声がけください*

数年前の冬(2月)。皮膚掻痒10年間、口渇、煩躁、集中力や記憶力の低下を訴えた60歳の女性が、漢方治療を求めて来店されました。

10年前=50歳(更年期)になってから、冬に背中にかゆみを伴う赤い湿疹が出るようになりました。症状は年々悪化し冬のみでなく夏以外の季節にも症状が出るようになりました。最終的には一年中ひどい痒みが出るようになり、皮膚表面はカサカサ乾燥。2年ぐらい前より腹部、胸部までに広がり、全身に広がりました。

●体質・生活習慣など


口がいつも渇き、カラカラでお茶をよく飲む。膣の乾燥感や痛みを感じる。物忘れが頻繁にあり、病院で認知症テストをしたが、結果は正常だった。汗はかかない。食欲はある。一日一回排便あり。ドライアイではない。運動習慣はない。

●既往歴

3年前に帯状疱疹

●薬歴、副作用

ピリン系鎮痛剤で発疹が出る



漢方治療プラン

中医学では、血が虚にして風・燥が生じて痒くなり、風・燥は「熱毒」に化けていると判断。

そこで、漢方治療は血を養い、風を袪し、燥を潤し、熱毒をさまし、痒を止めることをねらいとした。

漢方薬は当帰・地黄・シツリシ・芍薬・川芎・防風・荊芥・何首烏・黄柏・荊芥・山梔子・黄連・黄柏・黄芩・茵陳蒿などを選択。


漢方服用後の経過


漢方服用後、2週間のうちに効き目を感じた。痒みがみるみる軽快。その他、のどの渇き・集中しにくい・健忘やボーっとする症状なども改善。2011年02まで一年間の治療で、すべての症状はなくなり、漢方治療は終了となりました。



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~本症例から分かること~

この症例は、三つの段階に分類できます。

1、<冬のみ>単純な乾燥性皮膚炎

50歳より毎年冬に出る皮膚乾燥は、乾燥性皮膚炎とみるべきでしょう。また、膣の乾燥や痛みもあり、乾燥性膣炎ともいえるでしょう。

2、<一年中>皮膚掻痒・皮膚炎

冬のみだった症状が、一年中みられる皮膚掻痒・皮膚炎に変貌しました。皮膚掻痒および掻き壊すことで皮膚がより敏感になり、一年中痒い状態となってしまいました。

3、皮膚掻痒・皮膚炎による不眠、精神面や自律神経失調症

皮膚掻痒・皮膚炎による眠れない、イライラなどの精神面や自律神経失調症となっている段階です。皮膚掻痒・皮膚炎による熱毒が生じてきて、イライラ・睡眠障害・喉の乾燥感・記憶低下・自律神経の乱れがでました。

この症例から見えることは、皮膚症状が皮膚の局部だけではなく、全身にも影響することです。

外用薬のみの治療では不足があり、体質を踏まえて根本から、より全体的に漢方治療を行うことが肝要です。

富士堂漢方薬局所長・医学博士 許志泉


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