ずいぶん前の話になりますが、
アトピー性皮膚炎の方の思い出深い症例を。

当時、小学校低学年だった子供さん、
アトピーがひどく、まゆ毛が抜けるハルトゲ現象もあり
親子でずいぶん悩んでおられた。

大病院でステロイド漬けの治療に恐さを感じたため、
漢方を選択された。

ステロイドを中止してからのリバウンドは壮絶
漢方を服用しても1カ月の間は誠にひどい症状が出て
覚悟していたけど、
漢方を信じてよく我慢していただいたと思うほどだった。

それを乗り越えて「一皮むけて脱皮」したようになってから
きれいな皮膚が戻ってきたときには喜びもひとしお


遠のいていた大病院の医師から、
「しばらくお見えにならないが大丈夫か?どうなっている?」
と心配の電話がかかるほどひどかったアトピーだったけど、
母親が、
「漢方に切り替えた」と伝えると、
とにかく心配だから一度診せに来てほしいと言われ、
その大病院に受診した。
診ると、わずか2~3カ月で、きれいな体を手にした子供さんを見て
医師が心底驚いて、
「本当に漢方でこうなったんですか?どこの先生ですか?ボクも漢方を勉強しようかな」
とおっしゃったと。
この医師、実は当時、その道で高名な医師だった。
母親は、私に遠慮して「漢方の先生の事は言いませんでした。」と。
その後、経過も順調で見事に漢方でアトピーを乗り越えた。

そして、時が流れて、
その子供さん、
「僕みたいに悩んでいる子を漢方で救いたい」と医学部に進学したと聞いた。

その報告を受けた時は、ホントにうれしかった。
漢方家冥利に尽きる思いだった。
私の漢方人生の中でも、思い出に残る症例のひとつです。

いいでしょ、漢方。

   

キーワード別 一覧へ