もう20年以上も前の話。
ご主人が飲ん兵衛でほとほと困った奥さんが相談に来られた。
なんとか、ご主人の酒をやめさせたいと必死の願い。
そこで、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を工夫したような処方をご用意した。
何日か経って、ご主人が怒鳴りこんできた。
酒がまずくて飲めなくなったというのだ
内心、良かったじゃないかと思いながら苦情を聞いていた。
本人にしてみれば、浴びるように飲酒するのは罪の意識があるというか
良くないのはわかっていたから服薬したもの、
たしなむ程度には飲みたかったらしい。
これほどに効きすぎるのは良くなかったようだ。
もちろん、処方したほうもここまで効くとは正直思ってなかったように思う。
何とも難しいケースだったが、似たような処方で、
ここまで、劇的に効いたのはこの人がNO1ですね。
酒がまずくなるとはどういう感覚なのか
今思うと、その時にもう少し詳しく尋ねておけば良かった。
この方、今も元気にされているのだろうか。
難しくも懐かしい思い出である。
ただ、現在でも二日酔いを解決するのに
黄連解毒湯と五苓散を併用したり、さらに柴胡剤を加えたりという事は
よくやる手です。
人によって少し工夫するだけで
二日酔いの予防にも治療にも結構いけます。

福田漢方   TEL 0746-32-4568

 

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これだけ世の中の動きがあわただしくなると、
ついていこうと必死になって頑張るのは仕方ない事なのかもしれません。
むしろ、その努力は称賛されるべき事なのでしょう。

しかし、頑張って頑張って頑張って体を壊したら
当然、誰も代わってくれません。自分がしんどいだけ。


物事をいいように解釈して、
困難を乗り越えること自体悪い事ではありません。
でも、限界を超えたら・・・・
それは一気に疲労が全面に出て うつ状態となってしまいます。

疲れをポジティブシンキングで自分をごまかしているうちに
疲れ果てて うつ状態になる

ここらで、「弱い自分」も認めていいんじゃないでしょうか。
その勇気を持つ事は難しいことです。
いかにも自分が負け犬のように思えてくるし、
世間から必要とされていない価値のない人間になってしまったようで。
でも、「弱い自分」も認めてここは思い切って休みを取る。

そして復活したらまたバリバリする。
そう決めて、溜まりに溜まった疲れを一掃しましょう。
とことん弱音を吐いて、弱い自分を認めてしまっていいのです。

雨が降れば休めばいい。
また、晴れたら歩きだす。
それでいいのです。


 

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いよいよ花粉症シーズン到来です。
今年の花粉飛散量は大幅アップだとか。
吉野杉で有名なここ吉野では、
黄砂かと思うくらいに花粉が飛んでいる日が来る事でしょう。
世間ではいろいろ対策が紹介されていますが、
漢方もその一つ。
合成医薬品、特にステロイドなどの副作用が気になるという方は
漢方でトライしてみてはいかがでしょう。

漢方薬って面白いところがあって、
例えば同じ生薬成分配合でも配合量が違うと別の処方になったり、
わずか一つの生薬をその処方に加えるだけで別の処方になったり、
効果が全く違ったり。
生薬ひとつひとつが病気根絶チームの構成員です。
それらがうまく互いに力を引き出しながら
すばらしいハーモニーを奏でると良く効く。
オーケストラや料理やチームスポーツのようであります。

そんな体験談を紹介します。
くしゃみ・鼻水といった典型的な花粉症の方、
その他の情報から補中益気湯(ほちゅうえっきとう)に
辛夷(しんい)を加えて経過良好だった方が、
効かなくなったと訴えられて、
細辛(さいしん)を加えてみたら好調そのものに。
耳鼻科の定期健診では鼻腔粘膜がきれいで言う事なしだったと報告。
漢方ではひとつの生薬を一味(いちみ)といいますが、
一味の妙これに極まれりといったところでしょうか。

また、いわゆる花粉症には一般的に使わないような処方、
例えば、五苓散(ごれいさん)が効を奏した例も。。。
我々の仕事って
恋愛相手を斡旋するような職業かもしれません。
かならずいい相手(処方)が見つかるのではないかと。。。。


 

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