西洋医学において、妊娠はするものの流産などを繰り返し、赤ちゃんが得られないことを不育症といいます。
一方、漢方では、女性に原因がある不妊症を「不孕」、男性に原因がある不妊症を「不育」と称します。
「不育」は、性機能障害、精子の異常、精液の異常、精液運輸障害の4つに分類されます。
器質的異常の場合、漢方治療が難しい場合もありますが、性機能障害や精子の異常などは、漢方が有効な場合が多いです。

「38才のAさん。精子の運動率が低く、奇形率が高い。
寒がりで排尿回数が多く、小便に勢いがない。
肩こり、腰痛があり下肢がだるい。
ストレスが多くイライラしやすい。
お腹や脇が張りやすく、おならが多い。」などの症状でした。

肝鬱気滞証と腎陽虚証を兼ねていると考え、逍遙散と腎気丸を併用することにしました。
腎精を増やすために瓊玉膏も用いました。
服用後、2ヶ月ほどで、体調が良くなるとともに、運動率なども改善してきました。
奥様には特に問題が無く、3ヶ月で自然妊娠。今は元気な女の子のお父さんです。
男性不妊の漢方治療では、特に腎、脾、肝の状態を重視し、その方の症状、体質から「腎陽虚証」「腎陰虚証」「肝気鬱結証」「痰湿証」「血瘀証」「脾気虚証」「気血両虚証」等々のパターンに分類し、更に分析して、処方を使い分けていきます。

ストレスや寝不足などが続いていても、精液の状態は悪くなります。検査の結果が悪くても、すぐに落ち込まず、体調を整えるように努力してみましょう。


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