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 牛の胆石である牛黄。中国の医書に『牛黄は人参を使とす』とあります。牛黄と朝鮮人参はそれぞれ多様な薬効を持っていますが、それらが相互に増強したり補ったりするよう働くことが知られています。若甦には牛黄と朝鮮人参が合わせて配合されており、ここに若甦が広く支持される理由があると思います。
 汗をかく夏は、生体のからだも汗をかきやすい状態になります。血流を体の表面に集中させて、血液の流れに乗せて熱を発散させていきます。けれど(昨日も書きましたが)、血流や放熱は生体反応ですので限界はあります。限界を超えると血に熱がこもります。
 牛黄には血にこもったこの熱を清める効能があります。血の熱を直接的に清めますし、気つけ薬として体表への血流を改善、体表から放熱させやすくする薬効も持ちます。一方、朝鮮人参にはからだの水液を生じさせ、体表の渇き(皮膚のかさかさ)を止める効果もあります。さらに牛黄と薬用人参はともに体表から心臓へ流れる血液(静脈血)の流れを良くする働きがあり、水分代謝も合わせて改善してくれます。

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 先週末に梅雨が明けて、日々の気温がいちだんと高くなってきました。京都の予想最高気温は今日、明日ともに35度らしいです。これだけ暑いと、陽射しの中は歩かない方がむしろ健康的です。この急激な気温の変化に、皆様のからだは順応できていますか。
 人間のからだには、周囲の環境の変化に順応する仕組みがあります。例えばある人の体温は北極に行っても、アフリカの砂漠地帯に行っても変わりません。これは人間のからだが持っている機能(恒温性)です。私たちのからだは、私たちが知らないところでせこせこと働いて、体温を一定に保ってくれています。これだけ暑い中でもからだは体温を一定に保とうとしますが、それには限界があります。30度の暑さには耐えられても、40度の暑さに耐えられるようにはできていません。では気温があるレベルを超えたら、・・・発汗による体温調節が追いつかなくなり、からだに熱が溜まり、最後には熱中症になります。
 汗をかき続けると、血液中のミネラルが失われ、また血液中の水分が減少して血液がうまく巡らなくなります。心臓は血液をなんとか回そうとフル回転しますが、そのうちばてが生じます。するとからだに疲労物質が溜まり、だるさを感じるようになります。六神丸などの気つけ薬は、この心臓のばてを解消してくれます。すると、溜まっていた疲労物質がするっと流れていきます。いったんからだにだるさを感じると、そこからはなかなか抜け出せないもの…、そういう場合には気つけ薬。ぜひお勧めしますっ!! 

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 田七(でんしち)人参は朝鮮人参と同じくウコギ科の植物です。田七人参は栽培が難しく気候風土の適した中国の雲南省と広西省だけで生産されてます。
中国では4000年の伝統医学の裏づけもあって、医薬品として利用されています。日本では健康食品として利用されています。田七人参は三七(さんしち)人参とも呼ばれます。その由来は、収穫までに3から7年の歳月を必要とするから。・・・何ともひねりのない名前です。
 田七人参は薬用の根部にサポニンを多く含んでいます。朝鮮人参のサポニン含有量が4%に対して、田七人参は12%という研究結果もあります。さらに田七人参には、田七サポニンと呼ばれる特殊なサポニンも発見されています。これらサポニンの薬効は、疲労回復や勢力増強、免疫力の増強などですが、中でも血の滞りを治し、血液の巡りを良くする効果は注目されています。
 田七人参はネバネバして流れが悪くなった血液を、サラサラの状態にして流れやすくする働きがあります。さらに最近の研究では心臓病や高血圧症状に効果があるともされています。この血液に働く効能は田七人参だけがもつもので、田七人参と朝鮮人参の大きな違いはここにあると言えます。
 血液の循環に良い方向へ働くことから、田七人参には消腫・止痛の効能もあるとされています。古来中国のお薬に『片仔コウ』という有名なものがありますが、これは田七人参の消腫の効能を最大限に利用したものです。片仔コウは急性肝炎、慢性肝炎などの肝機能改善に効果があるとされています。
 

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 薬用人参の一種のシベリア人参は、朝鮮人参と同じくウコギ科の植物です。シベリア人参は『エゾウコギ』という呼ばれ方で広く知られています。蝦夷、つまり今の北海道に自生していたウコギ科の植物だからというのが由来です。北海道以外にも、ロシア南東部のアムール州などにも分布しています。ロシアのオリンピック候補選手が滋養強壮を目的に、このシベリア人参を利用したという経緯もあります。日本でもアイヌ民族が民間薬として用いた過去があります。
 シベリア人参は棘五加という生薬名もあります。日本での棘五加の歴史は浅く、日本漢方にはこれを利用した処方は残念ながらありません。(主に中国漢方で用いられる生薬です。)
 シベリア人参はを朝鮮人参と比較すると、ストレスに対する抵抗力の増強が特に注目されています。難しい言葉ではアダプトゲン(環境適応源)作用。悪影響を与えるもの(酸素の欠乏、厳しく激しい寒冷、ストレス、疲労など)に対して、体の適応能力を高め、生体を保護しようとする作用のことです。 朝鮮人参と同じくウコギ科の植物なのですが、その中でも属するグループが異なるため、薬用の根部に含まれるサポニンの種類も大きく異なることが知られています。最近ではシベリア人参を手軽に摂る方法として、ハーブのように煎茶で服用するケースもあります。
 

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 漢方薬に用いられる人参。よく言われる薬用人参。いずれも、人参と言えば朝鮮人参を指す場合が多いです。けれど一口に薬用人参と言っても、実際はいくつかの種類がそこには含まれます。
 前回もお話したように朝鮮人参はウコギ科です。このウコギ科にはいくつかのグループが含まれますが、朝鮮人参はそのうちの一つのトチバニンジン属の一員です。このグループには他にも、竹節人参や田七人参が含まれます。ウコギ科のこのグループは、ジンセノサイドという特別な成分を持っているのが特徴です。
 また、同じくウコギ科のシベリア人参も有名です。これらの薬用人参は共通して、根の部分が薬用になります。根にはサポニンと呼ばれる成分が複数含まれます。(ジンセノサイドもサポニンの一種です。)サポニンは、それぞれで効能・効果が異なります。人参によってもその含有量や成分が異なります。(ちなみに、竹節人参はトチバサポニン、田七人参はデンシチサポニンという特別なサポニンを持っています。)
 さまざまな人参の薬効の違いは、このサポニン群の違いによるものが大きいとされています。そして薬用人参にはこれら多くの有効成分が一緒に含まれており、これが洋薬など合成薬剤にはみられない多彩な薬効を示し、神秘的とも思われる由縁です。


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