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食材や生薬にはいずれも身体を温めるものと冷やすものがあります。それぞれ温める、あるいは冷やす度合いによって熱性・温性・涼性・寒性に分けられます。さらに冷やす、温める作用がない平性を加えて五性に分類されます。
 温性と熱性の食べ物は、身体を温める、痛みを止める、気と血の巡りを促したり、上昇・発散の性質をもち、精神を陽気にしたり、風邪や寒気を取り除くといった作用もあります。
 また寒性や涼性の食べ物は、身体を冷やすほか、毒を排除したり、身体を潤す作用があります。また下降・排泄の傾向も持ち合わせ、熱を取る、咳を止める、精神を安定させるといった作用もあります。
 今日の一言(9月4日)でも少し触れましたが、この五性と五味を考慮して、疾病を治療したり治療の補佐を目的とした食事を食療と言います。また、この五味五性に季節や体質を考慮して、美肌やダイエット、老化防止などの面から身体を養うことを目的としたものを食養と呼びます。中医学の本来の目的は健康と長寿であり、病気の治療より予防する事が重要だとされています。この点からすれば、食養はやはり日常的に行うべきだと思いますね。

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 秋の七草は、山上億良が万葉集で詠んだ2種類の詩がその由来とされていますが春の七草のように粥にして食べるなどの風習がなく、鑑賞するためのものされてきました。オミナエシ、フジバカマ、キキョウ、ナデシコ、クズ、オバナ(すすき)、ハギの7種類のうち6種類が生薬あるいは民間薬(昔から経験的に使われてきた1種類の薬草からなるもの)として使用されます。本日は、3回シリーズの1回目。オミナエシとフジバカマについて触れたいと思います。オミナエシは、根を敗醤と言い鎮静、抗菌、消炎、浄血などの作用があります。オミナエシ科の植物で日当たりの良い山野に自生し、丈高く伸びた先に黄色い花をたくさんつけますが自生種は減少しています。フジバカマは全草を蘭草といい血糖効果、利尿効果があるとされています。キク科の植物で河原の土手などで昔は良く見られていましたが、護岸工事の影響で生息地が激減し絶滅が危惧されています。

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 東洋医学の世界では食物や生薬の味は酸・苦・甘・辛・鹹の五種類に分類されます。酸は酸っぱい味を指します。引き締めたり固める働きがあり、汗を抑えたり、下痢を止めたりする作用があるとされています。苦は苦い味ののことです。熱の邪を取り除いたり、湿の邪を取り除く働きがあります。甘は甘い味のこと。補う、潤す、調和させるなどの効果があります。辛はピリ辛い味で発散させたり、体の気や血を巡らせる働きがあります。鹹は塩辛い味を指します。下す、しこりを和らげる作用があります。
 この五味やまた五性(からだを温める食材か、冷やす食材かという分類)を考慮して、不調や体質改善へ効果が期待される食材を多く取り入れた食事を食療と呼びます。医療と食療・・・、この辺りが医食同源を体現していると感じます。
 ちなみに、伝統的には五味と言いますが、実際には淡味を加えて六味あります。淡味はからだの湿を取り除いたり、碑(脾臓)の働きを促進、食欲を誘うといった働きがあります。代表的な食べ物にはハトムギや冬瓜、白菜などがあります。

 
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 秋口は特に、体を冷やす食べ物の摂取を注意しましょう。体を冷やす食べ物は東洋医学の世界では冷性の食べ物と呼ばれています。この種の食べ物を普段から多く摂りがちな方は、冷えとともに余分な水分が貯まりやすくなります。また血液の流れが滞り便秘や肌荒れが起こりやすくなり、免疫力も低下しやすくなります。特に野菜の場合、地上に出ている部分(葉や茎、果実など)は体を冷やすと言われていますから、これからの季節では注意が必要です。
 一方で、地下に育つ根菜類(だいこんやごぼう、にんじん、さつまいもなど)は体を温める作用があります。体を温める事は、体内のあらゆる代謝を向上させます。すなわち、体を温めることで免疫力の向上、血流の促進、便秘の解消などなど・・・。
 また秋口に備えて夏の疲れを解消しましょう。夏から秋の季節の移り変わりで自律神経が乱れやすいところに夏の疲れが重なると、体調を崩しやすくなります。季節の変わり目に風邪を引きやすい方はこれに当てはまると考えられます。規則正しい生活を心がけて、自律神経をケアするとともに、体を温めて邪気を吹き飛ばしましょう。


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