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7月に入って本格的に暑くなってきました。
そろそろ夏ばてしている方も多くなってきましたよね。
そんな時、元気をつけるために、スタミナのつくものを食べたくなります。
スタミナ食材の代表と言えば…そう、ニンニクです。
焼肉などで、ニンニクの摩り下ろしをお肉に巻いて食べると、美味しくて
スタミナもつくし、夏にはもってこいの食材です。
夏の暑さで奪われた元気を手っ取り早くチャージしてくれるニンニクは
非常に優秀です。
しかし、食べすぎてしまうと、体に熱がこもってしまい、汗がいっぱい出たり
体がほてってきたりします。汗でうまく発汗して熱をうまく外へ出せれば
良いのですが、それがうまく調節できない人は、要注意です。
ニンニクは漢方でいう、『辛温』というものに分類され、その名の通り
辛くて温めるもの。他には、唐辛子や胡椒、生姜、ニラも同じ仲間です。
温める作用は強く、夏場は余計に熱をうみやすいのです。
対策としては、清熱作用のある食材(トマト、キュウリ、レタスなどの生野菜)
と一緒に食べるこで、熱が過剰になるのを防ぎます。皆さん、スタミナ食材
をうまく取り入れて、夏ばて対策をしましょう。

祇園祭の前祭が終わって
京大学生寮のセミが鳴き始めて
いよいよ夏は目と鼻の先です。



打ち水、始めました。
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祇園などを歩くと界隈の小料理屋さんが結構打ち水をやっています。
蚊取り線香と合わせて夏の風物詩のイメージが強いですね。

しかしその効果がなかなか馬鹿にならない。
打ち水したところを吹いた風が、ちょっと涼しくて心地良かったりします。

風情を楽しむ。
なんとなく涼しい感じがすると(気のせいかもしれませんが)、心で感じることも大切です。
体で感じるんじゃなくて(体感するんじゃなくて)、心で感じる。イマジネーション。
現代は冷房、アイスクリーム、冷食と、冷たさに対して少々直接的過ぎると思います。
全てを体感しなくても良いんですよ。脳みそが、心が涼しいと感じれば。
心と体のバランス、調和を重んじるのも漢方の教えです。

漢方が唱える健康は例えるなら 輪ゴム です。
つまり、輪っかの「なり」をしているわけです。

輪っかは○【まる】が理想とされ、均整のとれた状態をあらわしています。
そして丸い輪っかに象徴されるように、漢方が重視する健康はバランスです。
へこみや出っ張りがない状態。凸凹がない状態。

逆に言えば、さまざまな自覚症状は、
理想の真ん丸の輪っかから、
どこかが凸(で)ていたり、凹(くぼ)んでいたりする状態
とみなすことができます。

輪っかだから、全てはつながっています。
(輪ゴムだから少々の凹凸は自分で戻そうとする。ホメオスタシスですね。)
ある部分は凹んでいるが、ある部分は凸ているという状態も当然ありえる訳です。
そしてある凹みを元に戻すのに、よその出っ張りを引込ませる。
あるいは凹凸を同時に解消していく。
この絡め手染みたものを用いられるのが、漢方薬の魅力なのでしょうね。

ちなみに、同じ凹凸具合でも、
小さい輪っかにしてみれば大きな変化として敏感に感じられるものが、
大きい輪っかにしてみれば、小さなものとして鈍感にしか感じられない場合もあります。
ですから輪っかには程よい大きさというものがあります。

「大は小を兼ねる」ではなくて、腹八分目が宜しい。

鉄は熱いうちに打て

同じくして

病は暑いうちに打て


漢方には慢性化した症状や病、特に冬に悪化しやすいものは
夏の暑い時期に治療を行うとよい結果が得られるという経験則があります。

すなわち冬病夏治【とうびょうかじ】

鉄は熱いうちが加工しやすく打ちどきであるように、
病も同じく暑い時期には揺れ動きやすくなる。
新陳代謝も上がってくるから、治療や服薬の効果も得やすくなる。

また熱いうちに鍛えることで鉄の精度・強度が上がるように
私たち一人一人の健康も、暑い時期に鍛える(養生する)ことで、質が良くなってくる。
特に皮膚や粘膜、呼吸器官はその恩恵が大きいようですよ。

ですから養生はある種の鍛治、精錬作業。
叩けば良いってもんじゃありません。叩き時、叩き方があります。

京都市内では今日から祇園祭が始まります。
いつもながらその熱気には驚かされますが・・・。
最近はこの時期に合わせて観光ツアーも組まれているようで、7月に入ってから外国人を目にする機会が増えた気がします。京都の夏の風物詩ですからね。今年から後祭も復活するそうですからね。

暑気あたりは天災
 備えあれば憂いなし

夏バテは人災
 火のない所に煙は立たず

地震や落雷、津波のような天災は本来、人間の力ではどうにもならないものです。暑気は夏の自然界に満ちる気ですから、これも同様に私たちの力ではどうにもなりません。この暑気に当てられることを暑気あたりというわけですが、「暑気に負けるに任せろ」という訳ではありません。落雷に備えて軒下に隠れるように、津波に備えて高台に上るように、暑気に備えて○○する。ようするに方向転換です。

備えあれば憂いなし。そうして難を避ける。文字通り避難する。ご自身の体質や生活スタイルに合った避難経路(予防策)を今のうちに整えておきましょう。漢方は生き方(養生)を唱えた方術でもありますから、暑気への方策がそれはいろいろと書かれています。

一方で夏場バテは人災です。要するに過ち。過ごし方の過ち。備えの過ち。今の言葉で言えば生活習慣病。本来のニュアンスとは異なりますが。

夏を制するのではなくて、暑さを遠ざけるのではなくて。
暑さに逆らわないようにして、夏を治めるようにつとめていく。

付き合い方さえ誤らなければ、夏の暑気は良き隣人です。


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