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冬の備えは秋にこそ。

自然界の動物は冬の寒さや冬眠、食糧難に備えて
秋に食料を備蓄したり、食べ蓄えたりするものです。
人間も等しく、秋は冬に備えて準備に入る季節。
人間の体はそれを知ってか、食欲は増進する傾向にあるわけで、
食欲の秋というのもその辺りが縁深くあります。
ただし、現代の人間は冬に食物が少なくなることもなく、まして冬眠することもない為、
ほどほどに旬のものを楽しむくらいにしておかないと、
収めすぎて肥満の心配をしなければならなくなります。

漢方では、夏は体内の毒素や老廃物や病床を取り除く、
発散の季節として考えられています。
汗をかく機会が増えることや、尿量が増えることは、発散しやすくなっている証拠です。
ただし、汗をかきすぎると疲労感を伴うように、
発散は気力や体力=気血を消耗する行いでもあるわけです。

ですからキレイになった体内へ改めて、健康エネルギーを取り入れる必要があります。
夏の発散で消耗したからだに、秋の収穫で新鮮な気血を補う。
その一番大切な目的は、冬への備えというわけです。

やはり何事も、備えあれば憂いなしということで。

中国三千年の歴史とも四千年の歴史とも言いますが、
少なくとも約二千年前には漢方の理論は出来上がっていました。

中国最古の医書に「黄帝内経」があります。
前漢(BC202~AD8)の時代に編纂され、
漢方理論を説く「素問」と鍼灸の話がメインの「霊枢」に分かれます。
このうち素問は、黄帝と岐伯の問答形式によって成り立っています。
これらの書物のオリジナルは内戦などで消失したといわれています。

そして、さらに編集された「太素」や「明堂」の写本が
京都の仁和寺に保存されているのは興味深いところです。
また、二千年も前の理論が今もって
東洋医学の診断に生かされているのはさらに興味深いことですね。

日本の民間薬には黒焼きの類が多いです。
例えば、
・山ウサギの頭の黒焼きは血の道に効く
・モグラの黒焼きは痔に効果がある
など、昔から500種類近い黒焼きが伝えられています。

黒焼きの材料は主として廃物。
ナスのヘタ、貝殻など、食用にしない動植物が当てられます。
黒焼きの根底には、自然界にあるものはどのようなものでも無駄なく使おうという発想があります。
また黒焼きにすることで長期の保存がきくという利点もあります。

黒焼きは材料を素焼きの器に入れ、蒸し焼きにして作る。
今日から見ればそんなものに効能があるのかと、誰もが疑うことでしょう。
事実、黒焼きは単に物体が炭化したもので、炭素とタール以外何もないと非難されたこともあります。
ですが一方で、蒸し焼きによって生じるタール質の中に特異な成分が含まれると主張する薬学者もいます。
伯州散という漢方薬は、急性あるいは慢性の化膿疾患に劇的な効果をしめすことで定評があります。
ところがこの漢方薬は、モクズガ二、マムシ、シカの角をそれぞれ黒焼きにして、その細かい粉末を等量に混ぜただけのものというから驚きです。
このことからも、漢方の専門家は黒焼きに薬効がないとは、決して言えないのであります。

8月いっぱいは、まだまだ暑く、熱中症にも警戒しなければなりません。
熱中症を予防するには、体内にこもった熱をいち早く発散させ、水分を
補給しなくてはなりません。
体内に過剰な熱があると、自動的に体の中の水分量も減ってきます。
熱中症は、この体内の水分量がポイントになってきます。
では、水分量はどうやって知る事ができるのでしょう?
それは、自分の尿の色を観察することです。
正常な時の尿の色は、淡黄色の尿になります。しかし、体に水分が不足して
いる(陰虚)状態の時は、濃い黄色もしくは、こげ茶色のような色になります。
尿が濃い時は、体に熱がこもっている事が多く、同時に匂いも臭くなります。
まさに、熱中症はこの状態です。
逆に無色透明で頻尿傾向の人は、体に冷えがあるか、必要以上の水分を
補給している場合が多いので、冷たいものや、飲む量を控える必要があります。
このように尿の色を観察することで、体の水分バランスを知る手がかりになります
ので、特に夏場は気をつけて見てみるといいと思います。
これが分かれば、トイレに行って尿の色がいつもより濃いと思ったら、体に
水分が不足している証拠ですから早めに水分補給をすれば良いのです。
ただし、普段からビタミン剤を飲んでいる場合は、当然黄色くなりますので、
尿で判断するのは、難しいと思います。
漢方では、体から出る分泌物(鼻水や痰、汗、帯下など)や排泄物の色や状態によって
選ぶ漢方薬も変わってきますので、自分の体から出てくるものを観察するのは
非常に重要なことですね。

今の時代は自分が望むもの、欲するものが、
わりと簡単に何でも手に入る時代だと思います。
医療も得やすくなりました。
食事も、自分の食べたいものを得られるようになりました。
快適さも得られるようになりました。

その延長線上で、健康も簡単に手に入ると思い込みやすい。
果たしてその通りかどうか。
多くの方が説くように、健康に近道はありません
人間が健康を継続したり全うすることに、今も昔も大してかわりはないはず。

健康のためには体を過度に冷やさず、むしろ温めること。
というのは万人に当てはまることです。
けれどかたや昔に比べて、現代は体を容易に冷やすことができる時代です。
この夏の生活を振り返ってください。
冷房、アイスクリーム、冷たい飲み物、冷たい食事などなど。
地球温暖化やヒートアイランド現象で確かに冷やさずにはいられません。
けれども体を日常的に内側から冷やす人は、そうでない人よりも、(適切な表現か迷いますが)健康から遠のく。
その分だけ、かえって温活に取り組まなくてはならない。
またさらに冷えに対する抵抗力も関与してきますから、単純な足し引きの話ではありませんが。
けれどそうした冷えに対する抵抗力の低さも快適な生活習慣の中で培われていたとしたら・・・。
何が薬で、何が毒なのか、よくわからなくなってきます。

何かを望むこと、何かを得ることは、
本当はそこにリスクを伴うということに気づいてください。
長寿を望むことは決して悪いことではありません。
けれどもその背後には老化・加齢のリスクが確実に存在します。


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