• お問い合せ
  • サイトマップ
  • 個人情報保護
  • 交通アクセス
  • 漢方薬 漢方薬局 薬店のことなら きぐすり.com
  • ホームへ
  • 店舗紹介
  • 相談方法
  • よくあるご質問

10月も最終週。朝夕が肌寒いです。
こういう時期の朝飯は、抜いて得無しです。
寒い時期の朝食は栄養云々もありますが、
からだの発熱を促す面では大切なものですよ。

前回もお話した通り、
秋はからだを温まりやすくすることが肝心ですが、
その役割を担うのが、 五臓の「脾」と「腎」 です。

edd5bb689053854865b1e89c64f1b1ba

漢方には、からだに備わったさまざまな働きは全て、
肝・心・脾・肺・腎という五臓によるものという考えがあります。
体熱を作る(発熱する)のも例外ではなく、
その働きは脾や腎によって支えられています。
脾とは、簡単に言えば消化器官のことですが、
からだが自ら発熱する上で、食生活は欠かせないものです。
食べたものをエネルギーに代えて、発熱する訳ですから。
またそのエネルギーを蓄えておく腎の働きは、
生命エネルギーの燃料貯蔵庫として大切な部分です。
わかりやすくいえば、若さを支えるのが腎です。
人としての生命力の強さも腎に宿るとも考えられています。

人体最大の発熱器官は筋肉ですが、
脾は肉を司る部分でもありますから、筋肉とも関わりがあります。
からだを温まりやすくする上で、まず重要になるのは
この脾と腎の働きを高めて、
からだの土台を強固な物にすること
からだが発熱できる環境を作ること が大切になります。

先週の朝方の寒さが辛かったですが、
今週は温かい毎日が続いていますね。
京都市内はいよいよ、秋の観光シーズンに突入します。
市内の公共バスは外国人でいっぱいです。

やがて訪れる本格的な寒さに向けて
秋はからだを 温まりやすくする ことが大切です。
之は、もっとも基本的な健康法の一つでもあります。

002515

スポーツの秋も、食欲の秋も、
あくまでからだを温まりやすくするための方法です。
別に、「汗をかきなさい」とか「おいしいものを食べなさい」ということではありません。
ただやはり何事も動かさないと、からだは温まっていきません。
逆に、本格的な寒さも始まらない内から、
厚着を繰り返せば、からだは温まるのを怠けてしまいます。

例えるなら、便利なエスカレーターに頼らずに、あえて階段を使うようなもの。
そのようにして、フットワークを鍛える(軽快にしておく)。
之が秋の温活の本分だと思います。

朝の寒さが、いささか際立ってきました。
そろそろ、自販機にホット飲料が並び始める時期です。
自販機の商品の並びで季節を感じる・・・、
何とも、小さすぎる秋です。

漢方には昔から 冬病夏治 という考えがあります。
簡単に説明しますと、冬に現れる病や症状には、
寒さが何らかの形で関わってくるから、
その影響が弱まる夏こそ、治療に励みましょうということ。

では、夏が終わったら手遅れ なのでしょうか?
安心してください、そんな事はありません。
秋からでも決して遅すぎるということはありません。
(ただし、早い方が良いということはあります。)
前回もお話したように、秋は万事を粛々と行っていく時季ですから、
温活などは、秋から始めても十分な効果を得ることができます。
また一口に温活といっても、
夏には夏の温活が、秋には秋の温活 が、冬には温活があります。
温活とは即ち、温めることではありません。
冷やさないようにすることも、立派な温活です。

002515

そもそも、人間のからだは温めると元気になるようにできていますから、
温めることはそれほど特別なことではありません。
ものすごーく当たり前のことです。
(ただし、何でもかんでも温めれば良いという訳でもありません)
ただ、その当たり前のことが、
西洋医学の治療ではなかなか積極的に行われません(悲)。

自然界では、秋は終息に向かう時期です。

それは冬に向かって寒くなるからでもありますし、
夏の終わりから陽気が衰え、陰気が強くなる
陽消陰長へと移り変わるからでもあります。

自然界では終息に向かうときですから
秋から何かを始めるというのはあまりお勧めしません。
むしろ今までやってきた事に 粛々(しゅくしゅく)と 取り組むときです。
食欲の秋、と言いつつもあくまで粛々と。食べ過ぎは避けましょう。
運動の秋、と言いつつもやはり粛々と。
そのようにして食欲や睡眠欲も、粛々と満たしていく。

秋のクマが粛々と冬ごもりの準備をするように、
秋を暮らす人も昔は、冬備えの準備を粛々と行っていました。
今の時代はそれが必要なくなりましたが、
秋が夏の疲れを粛々と解消して、
冬に備えるべきであるのは、いつの時代も変わりません。

002515


秋は肺に重きをおく季節ですが、それは裏を返せば
からだの中で粛々さ を発揮するのは、肺の働きによるという訳です。
漢方の世界では、肺を「相傅(そうふ)の官」と呼んだりします。
相傅とは、君主を助け政治を行う宰相のことで、
君主の後ろに控え、淡々と職務をこなす人物です。
まさしく粛々のイメージ。
肺の働きを整えることで、身体の粛々さもまた高まっていく。
肌荒れや便秘、咳や喘息などは、この粛々さが失われた反動です。

ちなみに、規則正しい生活は、最も基本的な「粛々さ」ではないかと思います。
当たり前の事だけに、それを当たり前に行う、つまりは粛々と行うことが、
今の世にあって実はなかなか難しいのではないでしょうか?


Copyright© kanpo-kakinoki All Rights Reserved.