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昨日の12月21日は、今年の冬至でした。
皆さまはゆず湯に浸かりましたか?
いつものお風呂にゆずの香りが加わると、
ほっこりとして、さらなるリラックス効果が期待できます。
入浴剤も悪くないけど、やっぱり本物は良いなぁと私も再認識しました。

冬至は一年の中で、
太陽の昇る高さがもっとも低くなり、昼の時間も一番短くなる一日です。
言いかえると、陽気の働きがもっとも制限される一日 でもあります。
人のからだの活動は、昼の時間は陽気によって支えられているので、
冬至は、この陽気がもっとも制限される一日でもあるという訳です。
ただ実際は、ある日当然にそうなる訳ではありませんから、
むしろ大切なのは、そういう変化にうまく対応していく事です。

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冬至を境に、その後の陽気は、V字回復 していきます。
冬至を境に、太陽の昇る高さがしだいに高くなり、昼の時間も長くなりますから。
然るに、冬至という日に南瓜を食べたり、ゆず湯に浸かったりすることは、
V字回復していく陽気に、一つの弾みをつける行いだと思います。

また見方を変えると、冬至というのは、
一年の中で陽気の働きが最も悪くなる一日ですから、
この日に行うとされる養生は、陽気の働きを高める
リカバリー的な面でも、とても有益なものです。
・・・年中、南瓜を食べて、ゆず湯に浸かりなさいということではありません。
そういうことを通じて、人のからだの陽気は高まっていく、
あるいはリカバリーしていくという事です。
そして大切なのは、『そういうこと』の本質を見極めることですが、
それも漢方薬局の店頭に立つ私たちの役割だと思っています。

陽気は、私たちのからだに欠かせない原動力ですが、
その大切さは、寒さや冷えにだけに限った話ではありません。
当店で相談に力を入れている、不眠症や睡眠障害にも大きく関わっています。

陽気は、「からだに十分な陽気があるか」ということも大切ですが、
加えて、「その陽気を うまくコントロールできているか 」ということも重要です。
うまくとは「効果的に」という意味ですが、
日々を精力的に、忙しなく過ごす方々にとってはなおさらの事です。

人のからだは、常に同じペースで陽気を出している訳ではありません。
一日単位で見ると、昼は出すことに励み、夜は引っ込むことに励む。
また昼夜を問わず、
活動的になるほど、高揚するほど、出すことに励み、
消極的になるほど、気落ちするほど、引っ込むことに励む。
大雑把に言うと、体調はこの陽気の出入で支えられています。
ときに「いつもと体調が違う・・・?」と思うのも、
陽気の出入りが変化するのを、敏感に感じての事ではないでしょうか?

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「規則正しい生活を心掛けましょう」とは、
陽気の出入を整えること に尽きると思います。
そして大切なのは、受身になるのではなくて、自立・積極的につとめること。
あれをしよう、これも摂ろう。・・・ということではありません。
たしかに積極的に取り組むことも大切ですが、
あえてそれと逆を選択すること(あれはしない、これは摂らない)も、
立派に積極的な姿勢です。
「やる」という事をこつこつとやる一方で、
「やらない」という事を、これまたこつこつとやる。

さて皆様は、健康の為に、日々の体調を整えるために、
どういう事は「やる」と決めていますか?
またどういう事は「やらない」と決めていますか?

からだが寒いと感じるときは、
寒さでからだの 陽気が引っ込んだ状態 です。
ですから外から刺激を与えて、陽気を引っ張り出す のが基本的な対処法です。
漢方では、かぜの漢方薬で有名な葛根湯がこれに当たります。
そもそも冬かぜとは、即ち傷寒(寒さに傷つけられた)という状態ですから。
また、陽気が引っ込んだ状態は、朝起きて間もないからだの状態にも似ています。
ですから朝に起きて、心身をしゃきっとさせたいときにも、葛根湯は重宝します。
別にかぜではなくても、「陽気の出が悪いなぁ・・・」
と感じたときに服用してみるのも一つです。

ちなみに、陽気は引っ張り出しすぎると、
多くは汗としてからだの外に排出されてしまいます。
ですから、冬のように陽気の働きが不足しやすい時期に、
積極的に汗をかくのはお勧めしません。汗をかく手前がベストです。

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そんな寒さに対して、からだが冷えを感じるときは、
何事もないのに、からだの陽気が引っ込んだ状態です。
・・・むしろ 勝手に引っ込んでいる状態 に近い。
ですから外から刺激を与えても、なかなか引っ張り出せません。
その最大の理由が、陽気が小さい=陽虚だからです。

少ないもの、か弱いものは密集している方が都合が良い。
自然界の群れって基本的にそうだと思います。
その中からむやみに引っ張り出したり、広がろうすれば、
かえって散り散りになり、各個に駆逐されてしまう。
集合している方が都合が良い。
そういうときは外から刺激を与えずに、まずは群れを集める(=大きくしていく)。
すなわち、陽気そのものを大きくしていく
漢方では陽気を養うことから補陽と呼んだりします。
陽気が大きくなれば、それが機能することによるインパクトもまた大きくなります。

同じかぜでも陽虚の方には、
乾姜・細辛など、からだの内部を温める生薬が入った
小青竜湯や苓甘姜味辛夏仁湯、
あるいは附子が入った麻黄附子細辛湯などが適しています。

今日から12月です。
何かと忙しない師走です。
・・・、京大の学生さんから耳にしたんですけど、
この時期に沖縄で学会ですって。
正直、うらやましい・・・。

陽気と寒さの関係をうまく表現しているのがずばり
子供は風の子、大人は火の子 です。
漢方では、陽気は生命力にも通じたものとされ、
子供は 陽気が充実した存在(即ち陽実)、
それに対して年を経た大人は、
陽気が虚ろな存在(即ち陽虚)とされています。

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陽気が充実している子供のからだは、
からだの外から寒さがやってきても、簡単に負けません。
むしろ積極的に応戦します。
それが例えば感冒にかかったときには高熱として現れる。
そうして、良くも悪くも反応が際立っている訳です。
陽気が高いことは良いでもありますが、
からだを自ら傷つけやすいという面も持ち合わせています。

そんな子供に対して、火の子と称される大人は、
からだの外から寒さがやってくると、応戦はしますが、負け戦となりがちです。
からだの奥まで寒さが侵入しやすく、そのために陽気はずるずると後退していく。
陽気はからだの内から外へと進む性質も持っていますが(赤外線の様なもの)、
寒さに晒されても、外に向かって出て行けず、むしろ内に引っ込んでしまいます。
もっとわかりやすく言えば、陽気が縮こまっている 訳です。
縮こまったものを外から引っ張っても、なかなかすーっと伸びていきません。
やはり内側から、縮こまりを解消していくのが吉です。
即ち、内から温・め・る。即ち、陽気を補うということです。
からだの内から効果的に温めることで、陽気を高めることができます。


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