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汗をかいた後の疲労回復には、 黄耆 (オウギ)を用いた漢方薬を活用しましょう。
黄耆は体の元気を補う代表的な補気薬で、
あの人参と並び重用される植物生薬でもあります。
詳細はきぐすり.comの生薬大辞典のオウギリンク の項を見て頂くとして。

元気を補う事は漢方では総じて、五臓の働きを高めることに通じますが、
黄耆にはその中の 肺の働きを高める 作用があります。
肺の働きは体の要素を円滑に巡らせることにあり、
それは呼吸や発汗だけでなく、分泌や排泄、発散や発熱にも通じます。
そして漢方では肺の元気=肺気)によって、その機能が発揮されると考えます。

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汗をかいた後の体は、肺気が一時的に消耗しています。
肺が蓄える元気は他の五臓から補給されていますが、
発汗で元気の消費が供給に勝ることにより、肺気が一時的に虚損してしまう訳です。
汗をかいた後の脱力や運動後の疲労は、この肺気消耗のサインでもあります。

黄耆には、五臓の肺の働きを高める働きがあります。
それは肺の元気をいち早く立て直すことにも通じ、
他の五臓から供給される内面の元気を、効率良く外面の肺に吸い上げてくれる訳です。
実際のところ、五臓の肺は五臓の脾と連携をとりやすい関係にありますから、
肺の元気を補う黄耆と、脾の元気を補う人参は相性がとても良い。
上から黄耆で吸い上げつつ、下から人参で押し上げるといったイメージでしょうか。
黄耆を用いた漢方製剤は数多くありますが、
汗をかいた後の疲労回復には、この 人参&黄耆 の組み合わせがとても重宝します。

暑さを味方につける。
一年中暑い国の風習は、その暑さに根付いています。
東南アジアでは発汗を促す香辛料や水分代謝を促す食材が広まり、
衣類は伝統的に、通気性の良いものを身につける習慣があります。
そしてそういう習慣が有効なのは暑さがそこにあるから。
早い話、高温多湿の気候風土がそのようにさせる訳です。

ヨーロッパでは建材に石やレンガを用いるのが特徴です。
湿気の強くない国では、蒸すことが少ないので夜は涼しく過ごしやすい。
石材は夜に冷やされるので、外が暑くても屋内はひんやりと快適です。
また日差しと熱気が強いので、日中は窓を締め切るとか。
東南アジアの風通しを良くする風習とは逆の考え方です。

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日本に住む私たちも、夏の暑さを味方につける方法を模索します。
例えば暑い時期は、海水浴や川遊びに興じます。
当然というか、冬の寒い時期にそれをする人は見かけません。
暑い時期だからこそできることがあります。
それは夏に前向きになる、あるいは夏を楽しむということにも通じます。
極端な話、夏が暑くないのは、
セミが鳴かないのも同じで、虫取りがないのも同じです。

以前にも少し述べましたが、
全ての事象には良い点と悪い点が共存します。
そのように考えるのが東洋医学であり、
冬病夏治(とうびょうかじ)という治方も存在します。
夏に治すとは、夏を味方にして治すという事。
体を温める治療を行うならば、夏に行った方が効率が良い訳です。
もっともそれは、夏らしい生活をしている場合に限ります。

夏を味方にする前に。夏らしい生活をする前に。
それに見合った体を準備する必要があります。
冬の体で夏が快適に過ごせるかといえば、その通りではありませんし、
夏になると自然とそれに見合った体が整う訳でもありません。

○○○○に負けない体作りとか、××××しやすい体作りのように、
 体作り という表現をしばしば耳にします。
体作りは漢方薬局が掲げる体質改善にも通じますが、
いずれの場合も欠かせないのは、体の中を巡る 気を整える ことです。
俗な言い方ですが、気が向かないと心身は思い通りになりません。

朝に目覚める。日中に活動する。食事をする。仕事をする。夜に眠る。
気は私たちのあらゆる行動に関わり、常に心身をコントロールしています。
また免疫力や治癒力、消化・排泄、新陳代謝など、あらゆる機能にも関わっています。
早い話、私たちが今この瞬間にこうしていられるのは、体を巡る気のおかげです。

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体を巡る気は、貴方の態度や言葉より正直です。
貴方が自分では若い人間だと思っていても、
体を巡る気は貴方の体を通して、貴方が本当に若いかそうでないかを伝えます。

気は外からの刺激・変化に対して、体の中で一番に反応します。
しかし気が敏感に反応できるかは、気の素養によるところもあります。
先に述べた体作りで最初の障害になるのは、まさにこの部分。
人が太りやすいのは、太るような行いをしているからという事もありますが、
体を巡る気が 太る方向に働いている からという事もあります。
そして、行いを改める事で体を巡る気が、
痩せる方向に働く場合もあれば、そうはならない場合もあります。
当の気は体を太る事が悪い、痩せる事が良いなどとは思ってもいません。
私たちが望む・望まざるにかかわらず、気はその通りに進んでいきます。
その点では正直者というか、曲者というか・・・。

学生の皆さんは、きょう辺りから夏休みに突入しますね。
羨ましい半面、宿題も出る上に夏期講習も重なる現代の学生さんですから、
夏休みって嬉しいですか?と聞きたいです。

学校が休みだから、日々行うことは当然に変わります。
けれど実際は、やる事が変わるだけでは済まず、
それをする時間帯も変わっていませんか。
朝食抜き、昼まで寝てる。遅めの食事。一晩中ゲーム三昧。
夏休みに入っても、生活リズムは変えたらいけません。
結局は全部、自分の 体調に返っていきます から。

今年のように猛烈に暑い夏では、行く先々で寒暖の差も大きく、
体のコントロール= 自律神経 も振り回されます。
そこに持ってきて、生活リズムまで大きく変わってしまうと
自律神経には大きな負担になります。

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賑やかだった学校生活が一変して、一人静かに予備校通い・・・。
そんな生活の極端な変化が、精神面に影響することも少なくありません。
五月の大型連休を境に、五月病に陥ってしまうように、
夏休みを期にして、同じような病態に陥ってしまう。
暑い・寒いだけではなく、何事も大きな変動には 心身の揺さぶり がつきものです。

夏休みを健康的に過ごすには、やっぱりというか
先んじて夏休みの計画を立てることだと思います。
計画を立てて、その通りにしなさいという事ではなくて、
計画を立てることを通じて前向きに、能動的に過ごしましょうという事です。
小学校でやっていた事はやはり正しかった!

日本の夏の暑さは、外国の暑さと違い、強い 湿気 を伴うのが特徴です。
暑いお国から日本に訪れた外国人が、この国の夏を暑いと感じてしまうのも、
この湿気が影響しています。

湿気を伴う暑さは、体表にまとわりつき、
体の内側に侵入しやすい特徴を持っています。
内側に侵入した湿気は、ときに内臓を傷つけ、
だるさや食欲減退、吐き気、下痢などの消化器系トラブルを誘発します。
そんな点から日本の夏の養生では、発散することに重きをおく必要があります。

発散を促す為、適度な水分摂取を心掛けることは大切です。
また発散は、良いものと一緒に悪いものを
体外に追い出したり、解消する行為ですから
実は エネルギーを消費する 、しんどい行為でもあります。
その為、発散を維持するには、効率の良い元気の補給も大切です。

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その上で注意するべきは 体を冷やしすぎない ことです。
暑い時期には、からだを冷やす機会が増えがちです。
けれど過度な冷やしは、反って湿気の発散を妨げ、
逃げ場を失った熱とともに体の内側に籠もりやすくなります。
ですから湿気や熱を逃がすには、体をがんがん冷やすのではなく、
むしろ身の回りの暑さをコントロールすることが重要です。
冷房や空調もその為に存在します。
夏に耳にする「涼をとる」というフレーズも単に冷やす事ではなくて、
実は涼しくして、発散を促すことをいうのではないでしょうか?

ただ、現代の暑さは屋内でも熱中症も招くほど強く、
過度の発散が健康を損なう側面もあります。
暑さと冷たさの板ばさみに合って、さらに体の発散もコントロールしてやらなくては・・・。
やはり何らかの工夫が必要ですね。漢方の知恵がその一助になればと思います。


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