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疲れに伴って出現する「煩」。
煩はわずらわしさを伴う、不快な状態の事ですが、
そこから、本来は穏やかなものが波立つ状態、
在るべきところに納まらない状態を表します。
人の心で言えば、落ち着かず、妙な胸騒ぎがする状態に近いでしょうか。
ちなみに、そういう状態は「心煩」と呼ばれ、
神経症、不眠症、更年期障害の一病態だったりします。

東洋医学では、 精神は五臓に宿る とされ、
人の心はその体に現れるもの(それが病状であれ健康であれ)と、
互いに通じ合うと関係にあると考えています。
その点では、五蔵の働きが弱まることは、
心の働きが弱まることにも通じる訳です。
だから五蔵を動かさない怠慢な生活は、人の心にも決して良くありません。

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これは個人的見解ですが、
精神はからだの働きを円滑にする上で欠かせない
司令塔のような役割を果たすのだと思います。
果たして煩とは、心と身体が離れた状態、不釣合いな状態を意味します。
食べたいのに、食べられない。
眠りたいのに、眠れない。
休みたいのに、休まらない。
煩はときに、そのような形で現れます。

その対策として店頭でお伝えするのが、 好きな事を疎かにしない事 
皆さんは自分の好きな事について、たくさん話せますか。
それが仕事でも、プライベートでも、自分の事でも、家族の事でも構いません。
そういう精神面の幸せが希薄な上に、内臓の働きが弱まり、
そこに宿した精神も弱まれば、人の心はどうして健康でいられるでしょうか。

好きな事が薄れるほどに疲れてしまう。
好きな事を省みないほどに頑張ってしまう。
あるいは、好きな事に無関心になるほどに困窮してしまう。
そうして心と身体の結びつきが綻べば、煩に代表されるいろいろな病態が現れます。

漢方薬の中には温服、冷服だけでなく
うがいしながら少しずつ服用する方剤というのが存在します。
これからの季節に増える、喉の違和感や痛みに用いる方剤がこれに当たります。
実際の服用方法にも、その通りに明記されています。
ちなみにその方剤は、現在のところ医療用医薬品にありません。
実は町の薬局には、医療用として知られていない処方が少なからず存在します。
さらに最近は、エキス剤、錠剤以外の煎液剤、ゼリー剤と新しい剤型も出てきています。
それもまた医療用医薬品には見られない、薬局漢方ならではの特徴です。
自分に合った漢方薬とは、処方云々だけでなく、剤型も含めた事だと思いますね。

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そして多くの漢方薬にも言えることですが、やっぱり飲み方を疎かにしてはいけません。
かぜを始めとした呼吸器官に用いる方剤は特にそうです。
浅田飴、龍角散。名の知れた和漢薬は、
どちらも生薬・漢方に通じる部分があり、そのどちらの服用も水は必要ありません。
飲み込むだけではないお薬の形。
それもまた漢方の知恵ではないでしょうか。

空気が乾燥してくると、体の潤いが気になるところですが。
一口に潤いといっても、髪の毛の潤いから皮膚の潤い、
目の潤い、口腔の潤い、喉の潤いと、人の体にはさまざまな潤いがあり、
それは二つに大別することができます。
一つは体に封じ込められる潤い。言いかえると、栄養物として振舞う潤い。
もう一つは体から外に出て行く潤い。言いかえると、分泌物として振舞う潤い。
そして万事の二極は、漢方における陰陽に通じます。
即ち、からだの潤いにも陰と陽があるという事です。
栄養物として振舞う、封じ込められた潤いは陰の存在=陰の潤い、
分泌物として振舞う、外に出て行く潤いは陽の存在=陽の潤いといえます。

ちなみに、体全体の構成要素の中では、
血・水が与える栄養や潤い自体は陰の存在です。
ただし陰の尺度には幅が存在して、陽寄りの陰もあり、陰寄りの陰もあるという訳です。
例えば、一口に男女といっても、男っぽい男もいれば、女っぽい男もいるでしょう。
その逆に女っぽい女もいれば、男っぽい女もいる。
これは物事を数値せず、相対的に捉える東洋世界の何とも不思議な考え方です。

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果たして陽消陰長の秋、乾燥とともに失われていく潤いは、陽の存在に当たります。
それこそ陽消によってもたらされるものでしょうから。
陽の潤いは、同じく陽の存在である気と関連深い。
さしずめ、気が通わない所に潤いを引っ張ってくるのは難しいといった所でしょうか。
ちなみに。陽の存在である気にも、陽寄りのものと陰寄りのものが存在します。
分泌に関して言えば、分泌を促す気と過剰な分泌を抑え気が相互に働いています。
もっとも、陰陽の区別なく気を整えることで、正常な分泌を促す方が現実的であり、
秋の潤いに関する養生のポイントも、そこにあります。

かぜは万病のもとと言いますが、どうも正しくは「風は万病のもと」らしいです。
古代中国では、病気は風で運ばれてくると考えられており、
病気のことを風病とも称したとの事。
実際、今日でも風邪をはじめ痛風や風疹、破傷風など
名前に風が付く病気も少なくありません。
東洋医学では、自然界の気候変化は風・寒・暑・湿・燥の五気
(もしくは火を含めた六気)によってもたらされると考えられていますが、
風は、他の五気に比べて突出した特別な存在ともいえます。

大気を伴う自然界には風が吹きます。
そよ風から台風まで強さはさまざまですが。
風は実り・恵みを運んでくる一方で、災害をもたらすものでもあり
全てに影響を与える存在です。
同様にして、気の要素を伴う人体にも風が吹いてます。
その風もまた人体の全てに影響を及ぼす存在です。
自然界にあっても、人体にあっても風の存在を忘れてはいけません。
風を味方にしてうまく吹かせる事に努める。それが人の健康にも通じる訳です。

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自然界では春と秋は、風の勢いが強くなります。人もその点は同じです。
季節の変化でもたらされる風。
生活のストレスによる風。
成長に伴って吹く風。
今の時代は生活の上でも様々な変化が伴い、いろいろな風が吹き荒れやすい。
けれどそんな中でも、風まかせにならず、
良い風、身体が喜ぶ風を呼び込むのを忘れないようにしましょう。
・・・占いの事を言っているんじゃありません。
漢方治療にできるのは、体に吹く風向きを変えるぐらいの事だと思います。
それこそ漢方薬が風を吹かせる訳じゃありませんから。

秋は心地良い風が吹くこともあり、気が穏やかになる時期でもあります。
暑さの下で締まっていたものが、涼しさの下で緩んでいく。
からだだけの事を言っているのではありません。
心も同じく緩みやすくなる。
そうして定まらなくなるのは、秋の空も同じ・・・かもしれませんね。

気持ちが大らかになると言えば、聞こえは良いでしょう。
そのために秋は、積極的に外に出向き、秋風を感じる事も大切です。
そうして、からだの中にも良い風を吹かせていく。
けれど、周囲からの影響で良い緊張状態を保っていた人には、
この時期の緩みは、むしろ不安定になりやすくなる。

そういうときはずばり、喜ぶこと・笑うことを意識してみましょう。
まずは秋を喜ぶ。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋。
広く知られたこの事は、そういうことを通じて、秋を喜びなさいと。
秋を喜ぶ大切さを言っているのだと思います。
五行論の中でも心は肺と相克の関係にあり
感情の上では「憂」には「喜」が良い薬になるとありますから。
ちなみに、夏に怪談話で怖い話をするのは、
腎の感情の「恐」が夏の暑さの良い薬になる為です。

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感情は、人に共通のものです。
でも実際は人には好き嫌いがありますから
同じ事をしても喜ぶ人と喜ばない人が存在する。
けれど、喜んだり笑うことが健康に通じるとしたら、
人が喜ぶのは自然な事だと言えますし
そういう素直な感情を大切にしなければなりません。
おいしいものを食べておいしいと感じる。美しい景色を見て、美しいと感じる。
秋はそういうものに触れるのに、絶好の機会だと思いませんか?


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