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鼻呼吸。口呼吸。
同じ呼吸だけど、漢方では鼻と口は大違い。
同じ行為でも、場所が違えば本質は異なり、本質が異なれば効果も変わってくる。
漢方では、鼻は金肺に属し、口は土脾に属します。
金の輝きは、汚れを弾く清潔さを導くのに対して
土の柔さは、生命活動を助長する原動力を導きます。

呼吸は、身体の内側へと清いものを招き、
身体の外側へと濁ったものを排出するという、表裏一体の行為です。
息を吸う行為は、鼻に頼れば、身体を防御する側面が強く
口に頼れば、生命活動を助長(この場合、身体を温め、膨張させる)側面が強くなる。
ただ実際には、口で息を吸う事は本来のメリットよりもデメリットが勝る
(身体の奥深くへ悪邪の侵入を助長する)ので、悪行とされます。

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それに対して、息を吐く行為は、鼻に頼れば
体内を清める(乱れた状態を正す)側面が強くなる。
鼻息を荒くすることは、身体の平静を整える行為という訳です。
一方で口に頼れば、体内の生命活動を外に発揮するという側面が強くなる。
大声を出すというのも、見方を変えれば息を吐く事と同じで
ここぞという時に「うおぉぉぉ!!」と唸り声を上げる事には、心身を奮い立たせる作用があります。
息を吐く事には適材適所があり、普段は鼻で行い、
ここぞという時や活発さを求める時には口で行うのが良いとされます。

寒冷喘息とか寒冷蕁麻疹、あるいは寒冷性鼻炎。

症状を訴える部位や、症状の現れ方は違えども
寒い季節に起きるという点では、共通しています。
寒冷によって、皮膚や呼吸器に特有の症状が現れる。
それらに共通するのは、肺が不安定という点。
漢方でいう五臓の肺が不安定な点に尽きると思います。

不安定なのは必ずしも、悪い事ではありません。
未熟や未病(健康と病気の中間の状態)もそこに含まれるのでしょうから。
そして肺が不安定になる理由も、人それぞれです。
強い寒冷(寒暖差)に暴露されて、それに反応するとか
身体が肺を十分に温められず、発散力が弱まるとか
肺が水浸しで浮腫を伴い、腫れ(炎症)を繰り返すとか。

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不安定な状態を改善・解消して、肺を整える。
その中には、肺そのものを強くする事も含まれますが
一方で、肺には他の五臓の受け皿となる側面もあります。
体表も属する肺は、最大の面積を持つ臓器でもあり、いろんな場面に介在しています。
だから症状は肺を通じて現れるけど、必ずしも肺に原因がある訳ではありません。

肺を強くすれば、たしかに肺は安定しやすくなる。
けれど一方で肺の働きが整うと、本来の他の五臓を反映する働きも高まる。
だからこそ肺には、金としての清潔さ・清廉さが求められる訳ですけど。

秋は金肺を磨くことに努める。

今年の夏は例年にない程の猛暑でしたが
それが災いしてか、今年の秋は咳や喉荒れを訴える人が本当に多い。

五行論では、過剰な火は金を傷つけるとされます。
実際、金属は熱せられると、本来の硬さを失います。
それが人の身体では、猛烈な暑さを経て、
金に属する(金の性質を持つ)呼吸器の負担へと反映されます。
言いかえれば、猛暑を経た身体は、そのままでは
秋冬に、かぜや呼吸器症状を招きやすくなるという事です。
冬を目前にして今一度、抵抗力のリフレッシュ、そして金肺の整備を心掛けましょう。

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ちなみに、磨いた金肺を上手に活用しつつ、
冬の寒さに適切に対処するには、水腎を温めることも重要です。
冬に冷えに悩まされる人は、身体の活力源としての水腎が温まりにくいのが原因です。
それこそ冬の寒さは、単なるきっかけに過ぎませんから。

寒い季節に向けて、陽気を高めておく。
陽気というのは、東洋医学独特のイメージで、生命力にも類する存在です。
生命力が強い人は、陽気も旺盛ですが
陽気は生命力にとっての御者、担い手のような役割を果たします。


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あくまでイメージ上での話ですが、
人は自分の体内に生命力という、別の生き物を飼っていて
それをうまく手懐け、飼い慣らす為に陽気が必要になります。
生命力にとっての好物や、その首輪に掛けた手綱のようなものかもしれません。
生命力を効率良く、効果的に利かせる上で、陽気は必要不可欠な存在です。

寒い季節に向けて、陽気を高めておく。
その目的は、寒さを防ぎ、身体を温める点にありますが
本来は、それのみに限定して行うべきではありません。
陽気を高めるとは、生命力をフル活用する突破口になるのですから。


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