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本来の温かさを超える形で気温が上昇して、急に暑さを感じるようになりました。
日差しが強いと体も汗っぽくなり、それが気だるさに及びます。

漢方では、汗は心の液と言います。
暑さを感じるようになり、汗っぽくなるということは、
「心」が張り切って稼動して(=心の気を費やして)、
その「液」を生産すると解釈できる訳ですが、
その一方で、心の働きは「陽」を象徴したものでもあり、
心が張り切れば、心陽も盛んになっていきます。
逆に考えると、心陽が盛んになった分だけ、
よりたくさんの心気を費やすとも解釈できる訳です。

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暑さに体が追いつかない。まだ暑さに慣れていない。
それは心が間に合っていない
(=まさしく、心の準備ができていない)状態の現れだと思います。
漢方的な視点では、それは単なる精神論ではなく、
心気の充実が不十分で、日々盛んになっていく心陽に対応できない状態を意味します。
充実が不十分とは即ち、未熟なことでもありますが、
それには「一度にたくさんの汗をかくこと」への未熟(陽虚)と、
「続けて汗をかくこと」への未熟という(陰虚)の両面が存在します。

5月の汗っぽさに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
心の気を充実させて、消耗を穏やかにする漢方薬を意味します。
それには例えば、補中益気湯や清暑益気湯、桂枝加黄耆湯や桂枝加芍薬湯、
あるいは生脈散や六神丸などに一服の価値があります。

めまいを漢字で書くと「目眩」。
目が眩(くら)むことに相当する訳ですが、
それは目そのものが眩む訳ではなく、
目に及ぶ感覚(位置感覚・平衡感覚)が眩む(≒惑う)ことに表現しています。
漢方では、「目は肝に属する」と考えますから、
目が眩むとは即ち、肝が惑うとも言える訳です。

春先の気温・気圧の急激な変動。それに伴う自律神経の変化。
もしくはそれを招くストレス障害など。
これらの要素が影響して、春先のめまいに及ぶケースが存在しますが、
そういった要素は同時に、肝を惑わす存在としても位置づけることができます。
またそれ以外の「頭位発作性」とか「内リンパ水腫」など、
めまいに及ぶ西洋医学的要因も、肝の惑いに影響を及ぼします。

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こういう形で説明すると、「肝が惑う」というのを、
何か物凄く悪い、マイナスな事に感じるかもしれませんが、決してその通りではありません。
どちらかと言えば、「緊張して鼓動が早くなる」ぐらい、身近な現象です。
むしろ問題は、それが及ぶ「頻度」と「程度」。
ひどく簡単に肝が惑うような状態。あるいは、ひどく盛んに肝が惑うような状態。
そういうものを背景に、めまいが病的な症状となって出現する訳です。

漢方では「肝は惑い過ぎると、内風を及ぼす」と言われます。
現代医学的には、内風は機能的な失調、感覚的な障害に推察されます。
また一方で、自然界の風が大気に影響を及ぼすように、
内風が体内の気の巡りに影響を及ぼす点にも、注意が必要です。
(体内の気が安定していないと、少しの内風にも抗えませんから)

春のめまいに服んでおきたい漢方薬とは即ち、
肝が惑うのを防ぎつつ、内風を解消する漢方薬を意味します。
それには例えば、釣藤散、抑肝散加陳皮半夏、七物降下湯、
あるいは半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯、芎帰調血飲第一加減などに一服の価値があります。


気管・呼吸器官が弱い。
喉がデリケートで、不調が現れやすい。

喉とか気管の「強さ」を表すパラメーターが存在したとして、
その値が低い様を「喉が弱い」と解釈する場合もあれば、
その値が定らず、勝手にコロコロ変わる様も「喉が弱い」と解釈されます。
「喉が弱い」と一口に言いつつも、機能が弱いのか、
それとも機能が整わない(≒乱れやすい)のかで、その性質は異なります。

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機能の強さ・弱さを表すものとして、漢方には虚・実という尺度があります。
簡単に言うと、喉が弱いとは「喉が虚した状態」と見立てられます。
「虚」というのは、特定の性質が不自然に衰えた状態を表しています。
(衰えるからといって、年を重ねる=衰える=虚という訳ではありません)
また、このタイプの喉の弱さは、不快感とか違和感とか、
喉が正常に機能しないことによる不調を伴うケースが多くなります。

その一方で、機能の安定さ・不安定さを表すものとして、陰・陽という尺度があります。
簡単に言うと、喉が弱いとは「喉が陽した状態」と見立てられます。
「陽」というのは、特定の反応が不自然に盛んな状態を表しています。
このタイプの喉の弱さは、乾燥に弱いとか寒さに弱いなど、
特定の事象・行為に対して、不調を伴うケースが多くなります。
季節の変わり目になると「喉の弱さ」を感じるとか、
花粉や微粒子で「喉の敏感さ」を感じるのも、こちらのタイプが多いと思います。

以上のように、「喉が弱い」というのは漢方的に「虚」とか「陽」で表現される訳ですが、
漢方では「虚」は「陰」と、「陽」は「実」と結びつきやすい一面を持っています。
その為、「喉の弱さ」において虚と陽が合わさる事は、
それこそが厄介な様相(≒病気)で、互いの増長・増悪を招きます。
その影響は、症状の激化や、回復の遅延、
慢性的な継続に及ぶ場合が多く、適切な対処が必要になります。

「喉が弱い?」に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
喉の「虚」を補い、「陽」を鎮める漢方薬を意味します。
それには例えば、補中益気湯や玉屏風散、小柴胡湯や柴胡桂枝乾姜湯
あるいは柴胡清肝湯や響声破笛丸料などに一服の価値があります。


気苦労が絶えない。取り越し苦労が多い。

気が回ることも、人徳の一つと思いますが、
回し過ぎて、それで気を揉んでしまうと本末転倒。
そうして生じる苦労は、心身の疲労にも及びますから。

物事を運ぶのが上手か下手か。
「好きこそ物の上手なれ」という訳ではありませんが、
好きだからこそ、受け入れられる苦労も存在します。
その一方で、好んでもいないのに作ってしまう苦労の類は、
それ自体をストレスに感じることもあり、注意が必要です。

苦労することにはストレスを感じるが、
そこから抜け出せず、同じ思考に陥ってしまう。
なかなか楽観的になれない。気の持ちようかもしれませんが、
その持ちようが簡単に変わらないからこそ
苦労するという「」にはまり、そこから抜け出せないでいる訳です。
そういう苦労に陥れば、まるで数珠繋ぎのように続いてしまい、
やがて対象が限定されず、苦労が絶えなくなっていきます。

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漢方でも、苦労は心に及ぶと見立てます。
苦心という表現もありますが、「苦さ」は心の正常なバランスを保つ上での
スパイスのような存在ですから、それ自体は悪ではありません。
(「心が節度を守るように、苦い思いでバランスを取る」といったところでしょうか…)
苦労というのは、心のバランスを保つはずの「苦」が行き過ぎて
「労」に及んだ状態に相当し、心は次第に困憊していきます。

それに対して、自然と苦労してしまう気質(≒苦労症)は
不特定なものにまで「苦さ」を感じるほど、心が矮小になった状態に当たります。
心の気が小さく、軽くならずに浮かびにくくなる。
心は血液や体液循環の要でもありますから、
心の気が小さいと、体内の色々な要素も回転しづらくなります。
つまるところ、それが淀みや浮腫となって、
さらに回転を阻害して、心は塞ぎこんでしまう訳です。
漢方では、この回転を阻害して、心を塞ぐ存在を「痰」とか「水毒」と呼びます。

苦労が多い時に服んでおきたい漢方薬とは即ち、
心が支える回転を養う漢方薬、その回転を阻害する「痰」を解消する漢方薬を意味します。
それには例えば、帰脾湯や補中益気湯、小柴胡湯、
あるいは温胆湯や苓桂朮甘湯、半夏厚朴湯などに一服の価値があります。

連休明けに体の調子が上がらない。妙に重だるい感じがする。
連休を期に、体のリズムが元に戻らない。

生活のテンポが大きく変化すると、それに体のリズムが影響されて、
なかなか元に戻りにくいというケースがあります。
果たして、本来のリズム(バイオリズム)から
脱線した状態を、自律神経失調症とか五月病と呼ぶ訳ですが、
それには「脱線した状態そのもの」だけでなく、
元に戻らない(=復線できない)状態」も含まれます。

モータースポーツで例えると、曲線が多いコースで走り慣れているレーサーが、
急に直線ばかりのコースに入り、その後に再び曲線が多いコースに戻るような話です。
曲線と直線では、アクセルワークやブレーキングなど、
求められるドライビングテクニックも異なります。
そんな中で重要なのが、コースが切り替わる時の、「ギア」のシフトチェンジの瞬間。
直線に有利なギアでコーナーを走ると、加速が足りません。
一方で、曲線に有利なギアで直線を走ると、最高速が伸びません。
効率良くエンジンの馬力・回転を伝えるには、
効果的なシフトチェンジを行わなければなりません。

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人の体において、自律神経はエンジン出力の調節と、
ギアのシフトチェンジの両方に関与していますが、
漢方で考えると出力は「気の大きさ」、変速機は「気のしなやかさ」に相当します。
いくら気が大きくても、しなやかさが欠ければ、
全身にうまく伝達されず、正常に機能しません。
逆に気がしなやかであるほど、小さな気でも十分に活かすことができます。
先に述べた、「元に戻らない(=復線できない)状態」とは即ち、
気のしなやかさが欠けた状態を指しています。

連休明けに服んでおきたい漢方薬とは即ち、気のしなやかさを整える漢方薬を意味します。
それには例えば、桂枝湯や香蘇散、苓桂朮甘湯、逍遥散などに一服の価値があります。
なお、しなやかな気は、体の末端・体表・細部まで到達することを好みますから、
これらの漢方薬は裏を返せば、該当箇所の血行を整える事にも通じています。



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