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暖かい季節を迎えるのは、体の冷えで悩む人には喜ばしい事ですが、
春先に花粉症や各種アレルギー症状、あるいは頭痛、めまいなどの
神経系トラブルに悩まされる人にとっては、何とも複雑な心境です。

漢方では、春に出現する体調の変化(或いはそれに伴う症状)は、
を反映すると考えます。西洋医学的にいえば、この風は

①空を飛散する花粉や微粒子 ②天候や気圧など気象の変化
③自律神経の変動、血流の変動、ホルモンバランスの変動
④生活習慣の変化(それに伴う精神面の緊張や昂揚、抑鬱)

などに相当する存在と推察されます。

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また漢方では同じ変化でも、
他者に影響されて発生する変化には外風が、
自らが起こす変化には内風が伴うと考えます。
春の陽気に誘われて、浮つく気持ちには外風が関わりますが、
冬の傷心が尾を引いて、引きこもる心情には内風が伴うという訳です。

季節が暖かくなる時期に服んでおきたい漢方薬は即ち、
風(外風・内風)を整える漢方薬を意味します。
外風を整える漢方治療は、体調に起きる変化を穏やか(≒行き過ぎを防ぐ)にして、
内風を整える漢方治療は、体調に起きる変化を整える(≒安定化させる)働きがあります。

そういった場合には、風向きを整える(体内の気の巡りを整える)苓桂朮甘湯や香蘇散、
風が淀むのを防ぐ(気が虚して淀むの防ぐ)香砂六君子湯や半夏白朮天麻湯、
あるいは、強い風圧(ストレス)に煽られ、昂ぶるのを鎮める抑制散や逍遥散、
向かい風(プレッシャー)に晒され、ざわつくのを落ち着ける
桂枝加竜骨牡蛎湯や柴胡桂枝乾姜湯に一服の価値があります。

顔にポツポツが繰り返しできる。
大人になってもニキビ癖が治らない。
生理前になると、ニキビに悩まされる。

青年期や思春期のニキビ。いわゆる思春期ニキビ。
その多くは心身の変化(及び、それに伴うホルモンバランスの変化)を反映しています。
このタイプのニキビは、成長と共にホルモンバランスが安定すると、
自然に治まりやすくなる、いわば一過性の症状です。
その為、西洋治療も漢方治療も、日々のスキンケアによって皮膚の状態を整えつつ、
ニキビの発生をコントロールする事に重点を置きます。

それに対して、青年期以降も繰り返すニキビや、月経異常を伴って出現するニキビ。
或いは顔の特定の部位にできるニキビや、一度に複数の発疹を伴うニキビ。
これらの大人ニキビは、内臓機能の乱れ(内分泌の失調、老廃物の蓄積)を反映しています。
このタイプのニキビは、体の内側の不調・不浄を強く反映して、
症状の性質や発生部位、発生時期を通じて、その姿を大きく変化させます。
その為、このタイプのニキビに対処する際は、その発生をコントロールすると共に、
それぞれのニキビ特性に応じた治療を行う事が必要になります。

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漢方では、ニキビに代表される炎症・化膿性トラブルは、
皮膚を主る(体表・呼吸器系)や、肌肉を主る脾(消化器系・排泄系)の障害と捉えます。
それに対して、繰り返し発生する大人ニキビは、
肺を取り巻く他の臓器(肝・脾・腎)の障害を反映すると考えます。
なお、陰陽の観点からすれば、心・肺は陽性に、肝・脾・腎は陰性に属しますが、
陰性の偏盛・偏衰が陽性に現れるのは、陰陽相対(相待)の観点からすれば自然な事です。

繰り返すニキビに服んでおきたい漢方薬とは即ち
①肝②脾③腎の乱れを改善して、ニキビの発生を抑制する漢方薬を指します。
①には、ストレスに伴う皮膚緊張を緩和する四逆散や黄連解毒湯、
高温期の皮膚紅潮・のぼせを鎮める加味逍遥散や桂枝茯苓丸、
②には、老廃物の排出を促す防風通聖散や通導散、
皮膚に及ぶ胃腸障害を改善する大柴胡湯や小柴胡湯、
③には、疲労による内分泌系の失調を是正する四物湯や六味丸に、一服の価値があります。

なお、これらの漢方薬は、ニキビそのものを改善することよりも
ニキビ体質の改善、その発生を抑制・防止したり、ニキビが現れる皮膚環境
(更にはそれを支える内臓環境)を整えることに重点を置きます。

夜になると憤(むずか)って泣く。
何かを恐がり、泣いて眠らない。

同じ泣くという行為も、大人と小児では気色が違います。
(感情を溢れさせるという点は同じですが)
大人は本来の理性を越えて、悲しみの感情が膨れ上がった時に泣きます。
だからなのでしょう、大人は滅多に泣きません。
それに対して小さな子供は理性が未熟で、感情が揺れ動くだけで泣きます。
悲しくて泣く場合もありますが、それ以外の感情
(怒りや不安など)で泣く場合が多いのも特徴です。
小さな子供にとって、泣くことは感情表現の一つに過ぎず、
繰り返すことで、だんだん上手に泣けるようになります。
上手に泣く=感情のコントロールが上手くなるという訳です。

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ただし泣くという行為は、度を越えると引きつけや過呼吸様症状を起こします。
引きつけを起こした体は、筋肉の緊張・硬直と共に無理な力が掛かり、
反って泣き止む事が困難になります。
泣き叫びながら引きつけを起こす子供を、落ち着かせるのは一苦労です。

夜泣きに服んでおきたい漢方薬は即ち、①感情の異常な昂ぶりを防ぐ漢方薬、
②泣く事で助長される体の強張りを解す漢方薬を意味します。
①にはチック症状に用いる抑肝散や、
感情の起伏を穏やかにする桂枝竜骨蛎湯、穏やかな心身を促す小建中湯
②には痙攣を鎮める芍薬甘草湯、ヒステリー発作を鎮める甘麦大棗湯に一服の価値があります。


3月に入ると、卒業シーズンに突入します。
学校の卒業。慣れ親しんだ友人とのお別れ。

新しい生活に期待を抱きつつも、
これまでの生活に名残惜しさや喪失感を感じる。
逆に、後に残された側の人も卒業ロスを膨らませる。

親しい人との別れで、心(気持ち)にぽっかり穴が空く。
漢方では、悲しんだり、泣いたりすることは、肺に作用すると考えられ、
泣いてスッキリすることは気持ちの整理に、漢方的には
(≒本能的感情)の亢ぶりを清めて、魂・魄のバランスを整えることに通じます。
人の感情では、理性的な面を魂が、本能的な面を魄がコントロールしますが
悲しくて泣くというのは、魂の支配を越えて、魄が盛んになる様を表します。
悲しいときにも我慢して泣かない人は、本能よりも理性が勝るタイプです。
尤も、魄の昂ぶりは心情や状況によって様々な形がありますから、
泣くのが良いとも、泣くのは駄目とも言えません。

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漢方では、心の喪失感は魄が失調した状態を反映すると考えます。
深い悲しみや強い喪失感は、心身を支える気を消失させ、気力を減退させます。
頭(理性)ではわかっていても、心(感情)の整理がつかない状況。
心が遠のき、ここにあらずといった状況。
意欲が失せて、何も手につかない状況。
いずれも魄の失調を反映した状態です。

卒業前に服んで起きたい漢方薬とは即ち、
①魄を整える漢方薬②魄を立て直す(回復する)漢方薬を意味します。
①には気鬱を穏やかに晴らす香蘇散や苓桂朮甘湯、
心を穏やかにする桂枝加竜骨牡蛎湯や半夏厚朴湯などに、
②には心身の疲労を回復する帰脾湯や天王補心丹、
気力・意欲を促す補中益気湯や香砂六君子湯、
あるいは半夏白朮天麻湯などに、一服の価値があります。

なお、これらの漢方薬は、睡眠や食事を通じた充足感を促す働きがあります。
そういった充足感は生命活動に直結しており、最も根源的で尊い存在です。
加えて人の心は、達成感(魂胆を高める行為)を通じても満たされます。
生命としての充足感と、魂胆を通じての達成感。両者のバランスがとても重要です。
失恋して仕事に逃げる(逃げられる)人と、仕事が手につかなくなる人。
両者の違いはまさに、充足感・達成感のバランスの違いによるものでしょう。

就寝時に脚がムズムズしてくる。
虫が這い回る感じがして、何とも居心地が悪い。
脚が無性に痒くなる。

むずむず脚症候群は、脳から脚へ向かう神経伝達の
一時的な機能障害(機能亢進)が原因とされています。
けれど、機能障害を引き起こす原因や、
症状が脚に現れやすい理由はよく分かっていません。

むずむず脚症候群の症状には、いくつかの特徴があります。
①脚の不快な感覚と、脚を動かしたいという強い欲求
②じっとしているときに症状が現れる(もしくは強まる)
③夕方から夜にかけて症状が現れる(もしくは強まる)
④脚を動かすことで症状が軽くなる(または消える)

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漢方では、むずむず脚症候群は不和による気の鬱滞・かく乱を反映した病態と考えます。
不和とは、体の感覚・知覚に伴う、ある種の不安定さの事で、
感覚の鋭敏化(もしくは麻痺化)、それによる不穏・急迫・煩燥を伴うのが特徴です。
女性に多い不定愁訴や男性特有の性機能障害、
子供のチック症状なども不和を背景に現れやすくなる症状です。
なお現代医学の分野では、鉄分や種々のミネラル不足
(もしくは、それに伴う神経伝達物質の分泌異常)による
神経機能障害が、この不和に相当すると推察されます。

不和による不調は、五臓の心の不調に結びきやすいのが特徴です。
漢方で言う心は単なる循環器でなく、脳の働き(精神や意識・思惟活動など)も含みます。
毎晩のムズムズ脚に服んでおきたい漢方薬とは即ち
①不和を防ぐ漢方薬②心気の乱れを整える漢方薬を意味します。

①には、神経を落ち着かせる小建中湯や桂枝加竜骨牡蛎湯、温胆湯
神経の興奮を防ぐ柴胡疎肝湯や抑肝散芍薬黄連、
②には、寝つきの悪さを改善する酸棗仁湯や柏子養心丸、
煩熱を鎮める滋陰降火湯や三物黄芩湯に、一服の価値があります。



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