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脂漏性湿疹は、日常よくみられる疾患です。

頭部、眉毛部、鼻や口の周りなどに紅斑と落屑(表皮の表面細胞がフケのように落ちること)がみられる疾患で(頭部に出現した場合は脱毛も伴います)、原因は皮脂成分の一つであるトリグリセライドが常在菌のリパーゼにより分解されて刺激性の遊離脂肪酸になり、炎症が起こると言われています。

乳幼児と成人とでは症状や経過が全く異なります。

乳児湿疹は顔面に広く紅斑があり、頭部にも黄色い脂性の痂皮(かさぶた)が付着している場合もあります。乳児は皮脂腺の発達が未成熟のためもあり、スキンケアのみでかなり改善することが多いです。治りにくい時は漢方を用います。

成人型はステロイドや抗真菌剤の外用で一時的によくなっても再発を繰り返し、慢性に経過することが少なくない疾患です。漢方ではその人の体力、体質(陰陽虚実)とともに、患部そのものの特徴的症状を見きわめ、薬方を決定することが大切と考えられています。用いられる薬方は抗アレルギー作用、消炎作用、滋潤作用(皮膚の乾燥を防ぐ)を有しています。


体格・体質代表的な処方と症状

実 証

中間証



虚 証

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)…のぼせがあり、紅斑が出る。炎症がきつい。
  • 温清飲(うんせいいん)…のぼせと冷え、乾燥があり落屑が見られる。
  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)…かゆみと落屑があり、患部が赤い。
  • 治頭瘡一方(ちづそういっぽう)…頭部がかゆく、濾出液が出てカサブタが大きい。
  • 麻杏ヨッ甘湯(まきょうよっかんとう)…落屑が多く、痒みがきつい。
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)…のぼせと冷え乾燥があり、皮膚が浅黒い。かゆみ、落屑がある。
  • 温経湯(うんけいとう)・・・平常体力がなく、手がほてり、乾燥しやすいタイプに用いられる。

外科手術、特に開腹手術などは、近年医療技術の進歩によって減少していますが、やむを得ず手術に至った患者さんにとって肉体的、精神的にも大きなストレスとなります。そのため、人によっては全身倦怠感、神経の昂ぶり、不眠、口渇、腹満、便秘など、さまざまな不定愁訴を訴える場合が多くみられます。

とかく、術後とはいえ、傷が癒えた場合は、元の身体に戻ったと考え、術前のような、あるいは術前に匹敵した体動をしてしまうため、体力の大きなロスを感じイラダチを感じることもあります。肉体的、精神的あせりに起因することが多いと思います。

このような時に漢方薬は術後の体力回復が早まるだけでなく、癒着を予防したり、精神的な症状(神経の昂ぶり、不眠など)を改善します。また、下痢、便秘、貧血、食欲不振、腹痛などは下の表を参考にして下さい。


体格・体質代表的な処方と症状

中間証

虚 証

  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)…元々、体力があるタイプでイライラしやすい。
    癒着予防にも用いられる。
  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)…体力が低下し、食欲がない。
  • 桂枝加芍薬湯(けいしかしゃくやくとう )…おなかが張って苦しい、ときに心窩(しんか・・・みぞおち)が痛む、腹力はない。
  • 竹茹温胆湯(ちくじょうんたんとう)…疲れやすく胃腸障害があり、咳や痰が出て眠りが浅い。
  • 十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)…全身倦怠感が強く貧血がある。
  • 人参養栄湯(にんじんようえいとう)…疲れがひどく貧血があり、寒さに弱くなるなどの、虚証の症状が強い。
  • 桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)…腹部膨満感(おなかがはる)が強く、便秘がある。


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