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本症は、湿疹やジンマシンなど原因となる皮膚の疾患がないのに、かゆい状態があるものをいいます。
かゆみの程度は軽く皮膚を叩いてがまんできる程度のものから、激しいかゆみのために夜も眠ることが出来ないという激しいものまで様々ですが、皮膚が枯燥(こそう…乾燥している状態)していること以外には、これといった明らかな異常は認められない状態をいいます。

なお、全身性の疾患や薬の副作用でかゆみを生じることもありますから、注意が必要です。
本症は適方を服用すると比較的早く治るもので、早ければ2週間~4ヵ月位で、軽快又は治癒するのが平均的です。
尚、各処方はアトピー性皮膚炎にも応用することも多いです。

体格・体質代表的な処方と症状
実 証


中間証


虚証
  • 消風散(しょうふうさん)・・・かゆみが激しい、分泌物がある。
  • 茵陳蒿湯(いんちんこうとう)・・・夜間にかゆみが激しい、便秘傾向がある。
  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)・・・のどが渇く、身体が熱く感じる。
  • 白虎加桂枝湯(びゃっこかけいしとう)・・・白虎加人参湯にのぼせが加わったタイプ。
  • 桂麻各半湯(けいまかくはんとう)・・・皮膚に何の異常もないが、かゆみが激しい。
  • 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)・・・顔がほてり、出血傾向がある。
  • 温清飲(うんせいいん)・・・皮膚が渋紙色であることが多い、乾燥がひどい。
  • 当帰飲子(とうきいんし)・・・皮膚が乾燥して、かゆみが激しい、老人性皮膚 痒症に特に有効。
  • 真武湯(しんぶとう)・・・体力がなく、寒がりで冷え症である、頑固なかゆみがある、クラッとするめまいを伴うことが多い。

気管支ぜんそくは、東西どちらの医学によっても治療のむずかしい疾患の一つです。

近年は西洋医学では抗アレルギー剤、気管支拡張剤、ステロイド剤の吸入の普及により、発作を軽減することは比較的可能になっています。

漢方薬は発作を止めるだけでなく、気管支の攣縮(れんしゅく・・・刺激を受けた筋肉が興奮して収縮する状態)を起しやすいような身体のひずみをも治して根治につなげるように働きます。

現在、日本におけるぜんそくの漢方治療は漢方薬のみで行う(小児には特に有効)場合と、西洋薬との併用療法を行う場合があります。
併用する理由としては、西洋薬の優れた点と漢方薬の優れた点を組み合せるという考え方で両者は、相反することなく、相互補完の型で運用することが可能です。

体格・体質代表的な処方と症状
実 証


中間証


虚証
  • 麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)・・・呼吸困難があり、発作中に汗をかく
  • 神秘湯(しんぴとう)・・・咳と喘鳴呼吸困難が激しく、起坐呼吸となる
  • 柴朴湯(さいぼくとう)・・・肩がこり、のどがつまる感じがあり、喘鳴、せきがある
    緩解期に用いられることもある
  • 五虎湯(ごことう)・・・麻杏甘石湯証でさらに咳が激しい、小児に用いられることが多い
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)・・・呼吸困難がはげしく、ときに咳を伴い、うすい泡のような痰が出る。小児に用いられることが多い
  • 越婢加半夏湯(えっぴかはんげとう)・・・激しく咳きこんで苦しがり、最後に吐く
  • 甘草麻黄湯(かんぞうまおうとう)・・・発作時に頓服的に用いてもよい
  • 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)・・・体力が落ちこんだ人のぜんそくで呼吸困難、喘咳がひどく、顔色が悪い
  • 麻黄細辛附子湯(まおうさいしんぶしとう)・・・体力がひどく落ちこみ、冷えがある人のぜんそくに用いられる。背中を寒がる傾向がある。

メニエル病は内耳の障害によって起こる特定の疾患を指しますが、ここではもう少し幅広く考え、めまいを主訴とする一連の症候群を、メニエル症候群として扱いたいと思います。

狭義のメニエル病に限らず、めまいは現代医学的には大変治しにくい症状の一つに数えられていますが、漢方では水毒(水分のバランス)によってもたらされる症状の一つと考え、水分を調整することにより、かなりの成績をあげています。しかし、メニエル病ともなると、漢方にとっても短時日では軽快しない場合も少なくありません。

めまいは大きく三つのタイプに分けられ、適応する漢方が異なります。

 (1)天井や周囲がグルグル回る回転性めまいのタイプ。
 (2)急に立ち上がったり顔の角度をかえると一瞬目の前が暗くなる・・・いわゆる立ちくらみのタイプ。
 (3)歩いている時突然クラッとする、まっすぐ歩いているつもりでも、ひとりでに曲がってしまうタイプ。

しかし、実際には(1)と(3)の両方の自覚症状をもつ場合も多いことから、表の下記のように兼用で用いることもあります。

体格・体質代表的な処方と症状
中間証

虚証
  • 五苓散(ごれいさん)・・・のどが渇き、水をよく飲むが尿の出が悪い。
  • 沢瀉湯(たくしゃとう)・・・回転性のめまいで、発作的に天井がグルグル回り吐く。
  • 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅくかんとう)・・・夜、急に立ち上がったり、顔を上げた時に起こるめまい。立ちくらみしやすい。
  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)・・・みぞおちがつかえやすく、ふらつく。
  • 呉茱萸湯(ごしゅゆとう)・・・めまいに頭痛を伴うのが特徴。胃腸が弱い。
  • 真武湯(しんぶとう)・・・歩いている時に突然クラッとする、又は、座っていてもフラッとして地震でもあったかと錯覚するタイプのめまい。
  • 沢瀉湯と真武湯の交互服用・・・回転性のめまいの合間にクラッとする場合に多く用いられる。

浸出性中耳炎には主に小児や老人の鼓膜腔に浸出液がたまって、難聴、耳鳴り、耳閉感などの症状が生じる疾患です。最近増加傾向にあり、原因として、細菌説、アレルギー説がありますが、十分解明されていません。
生命にかかわるわけではありませんが、小児の場合、言語の発達を遅らせる原因となることもあり、何回もくりかえしたり、治りが遅かったりすると耳に障害を起すこともあります。

西洋医学の治療では、まず抗生物質や抗アレルギー剤による薬物療法が行われます。それでも貯留液が減らない場合、鼓膜切開により外科的に液の排除を行ったり、反復例では、チューブを入れたり、アデノイド切除を行うこともあります。

漢方では、浸出性中耳炎は水毒と関連していると考えられ、利水剤が用いられ、又、慢性期に入ると柴胡剤が用いられます。浸出液は早期に減少し、また再発を防ぐ効果や、体質的に感冒にかかりにくくなるなど、体力もついてきます。

体格・体質代表的な処方と症状
中間証

虚証
  • 柴苓湯(さいれいとう)・・・頚部リンパ節炎、耳下腺炎、腎疾患などに用いられます。浸出性中耳炎には最も頻用されています。汗をかきやすい、口が渇くなども目標とされています。
  • 柴胡清肝湯(さいこせいかんとう)・・・扁桃炎から中耳炎を起こす場合に用いられます。
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)・・・感冒にかかるとすぐ中耳炎を起こす場合に用いられます。膿汁の出る時は桔梗を加えると治りやすい。
  • 小青竜湯(しょうせいりゅうとう)・・・アレルギー性鼻炎を伴った浸出性中耳炎に有効です。
  • 桂枝加黄耆湯(けいしかおうぎとう)・・・黄耆は水毒を去る効果があり、水痘、浸出性中耳炎に有効です。
  • 黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)・・・胃腸の虚弱な浸出性中耳炎に用いられます。
  • 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)・・・排膿しないで耳閉感のある慢性中耳炎に有効です。
  • 千金内托散(せんきんないたくさん)・・・上記に同じですが、より体力のない場合に用いられます。

不妊、不育症(習慣性流産)を治す治療は、西洋医学の立場からも行なわれ、多くの実績をあげています。
が、漢方医学では、不妊、不育症に対するアプローチの仕方が西洋医学とは異なっています。

常に身体全体を総合的にとらえて、その母体作りを重視するという考え方が基本です。

例えば脾胃(今日の胃・膵臓・脾臓をさす)が弱ければ、まず脾胃を元気に、冷えがきつければ、冷えの原因から治していくという考えです。

従って、西洋医学で成功しなかった不妊、不育症の方が漢方薬を服用することによって妊娠したり、流産を繰り返していた方が無事出産を迎えることが出来るのは、しばしば経験することです。

また、本症は女性側に原因がある場合と、男性側に原因がある場合とがありますが、漢方は双方の治療が可能です。

体格・体質代表的な処方と症状
中間証

虚証
  • 折衝飲(せっしょういん)・・・月経痛がきつい
  • 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)・・・冷え・むくみがある。不妊症の基本薬であるが、不育症にも用いられる。
  • 温経湯(うんけいとう)・・・夜、床に入ると手がほてって寝苦しい。
  • 当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)・・・月経不順があり、胃腸に弱い。
  • 当帰散(とうきさん)・・・流産しやすい。不育症に用いられる。
  • 六君子湯(りっくんしとう)・・・胃が弱く食欲がない時などに胃腸を元気にし、妊娠しやすくなる。


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